学校法人城西大学(水田宗子理事長)は11月21日、国際浮世絵学会会長の小林忠氏の講演会「水田コレクションと浮世絵の魅力」を坂戸キャンパスで開催した。これは、同法人の創立50周年を記念して開催している水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズの一環として行われたもの。当日は市民や教職員、学生ら500人が耳を傾けた。
学校法人城西大学は50周年記念事業の一環として、水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」シリーズを展開している。これは、国内外から世界的に影響力のある人、優れた研究業績を残した人などを招いてグローバル人材の育成に資することを目的とするもの。
これまで、5月21日に元マレーシア首相のマハティール・ビン・モハンマド(Mahathir bin Mohamad)氏、6月13日に米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)氏、7月9日にはノーベル物理学賞受賞者の小林誠氏、7月10日にはスタジオジブリ代表取締役プロデューサー、鈴木敏夫氏、10月1日には日本経済団体連合会名誉会長の米倉昌弘氏の講演会を開催。浮世絵研究の第一人者である小林氏は6人目の登壇となった。
小林氏は、1941年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程(美術史専攻)修了。東京国立博物館資料調査室長や学習院大学文学部教授、千葉市美術館館長などを歴任。主な著書に「江戸絵画史論」(サントリー学芸賞受賞)、「江戸浮世絵を読む」「江戸の浮世絵」「江戸の絵画」などがある。
同法人の創立者である水田三喜男・元蔵相は、同じく房総出身で浮世絵の創設者菱川師宣に魅かれ、学生時代から浮世絵を収集。第二次世界大戦の戦火で初期の収集品は消失したが、戦後に収集を再開し、鈴木春信や喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎らの役者絵や美人画を中心に収集した。水田の没後、200点以上の「水田コレクション」が水田美術館に寄贈されている。
小林氏は講演で、水田三喜男の「浮世絵は楽しいものです。そこには何ともいえぬ歴史の懐かしさがにじみ出ています」という言葉を紹介。浮世絵の魅力について「人間の基本的な感情に訴えるような表現が埋め込まれているからこそ、現代の私たちも楽しく慰められる」と解説した。「文化の背景の違う海外において高く評価されるのは、心の奥底に懐かしさや親しさが浮世絵版画にはあるからだ」と述べた。また、写楽の作品9点を収蔵していることが水田コレクションの価値を高めていると強調。名作の数々をスライドによって紹介するとともに、浮世絵版画の変遷についても触れた。
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・学校法人城西大学が6月13日に米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル氏の講演会を開催 -- 創立50周年記念「グローバル・レクチャー」シリーズ(2015/06/16)
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