近年、気候変動や農業就業人口の減少、食料供給基盤の維持といった社会課題を背景に、栽培要因(環境・生育・作業・エネルギー)を制御し、収量を向上させる環境制御型農業への注目が高まっています。
しかしながら、環境制御型農業では、水耕栽培など土壌を使用しない栽培方式が広く採用され、培地にはウレタンやロックウールなどが多く用いられており、これら資材はそのライフサイクル全体において大量のCO2を排出します。
日本政府は、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目標に掲げ、2030年度に2013年度比46%削減、さらに2035年度には60%削減を目指す国際公約を設定しています。また、2026年からは年間CO2排出量10万トン以上の法人を対象とした排出量取引制度が本格導入され、企業には排出量に対する責任と排出枠の管理が求められています。
このような背景から、環境制御型農業においても環境負荷の軽減が強く求められています。
リラタ社は、エンジニアリングと植物科学における世界トップクラスの専門知識を融合し、“SmartSoil”の開発に取り組むアグリテック/クリーンテック企業です。“SmartSoil”は、「水を保持する機能」「根を物理的に支える構造」「植物と相互作用する化学的表面」を工業的に再現するという考え方に基づき、生物由来素材で構成された再利用可能な栽培培地です。従来のロックウール、ココピート、ウレタンなどとは異なり、形状や空隙構造、保水性、表面化学を設計できるため、作物や栽培システムに応じた最適化が可能です。従来の培地と比較して、ライフサイクル全体におけるCO2排出量を最大で65分の1に削減できるほか、作物によっては最大10回の再利用により栽培コストの低減が期待される技術です。将来的には、植物の免疫を刺激する天然由来分子を表面に固定化することで、病害の抑制や成長促進を図る高機能版の開発も進めています。
マクニカは、「持続可能な地球環境を創る」をマテリアリティ(重要課題)の一つに掲げ、これまで次世代植物工場向けサービスの開発に必要なデータを収集する拠点としてFIBを開設し、企業との協業や実証実験などを通じて、環境制御型農業の社会実装に取り組んできました。
今回のMOU締結により、マクニカは、リラタ社の“SmartSoil”をFIBに導入し、生成AIや各種センサーを活用したデータプラットフォームを通じて、従来の栽培培地との比較による成長性や運用性の検証を行います。そこで得られた技術的知見をリラタ社と共有し、本技術の改良及び社会実装を推進することで、環境負荷やコストの低減を図りつつ、生産効率を維持・向上する環境制御型農業の実現を目指していきます。
マクニカは、本取り組みを通じて持続可能な食料基盤の実現に貢献してまいります。
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株式会社マクニカ フード・アグリテック事業担当
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※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカ及び各社の商標または登録商標です。
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Lyrata Inc.について
リラタ社は、エンジニアリング及び植物科学における世界トップクラスの専門知識及びVECTOR INSTITUTEのAI技術を融合して環境負荷を低減する屋内農場向けの次世代栽培媒体“SmartSoil”の開発に取り組むトロント大学工学部からスピンアウトしたアグリテック/クリーンテック企業です。
同社の発明である“SmartSoil”は、Falling Walls Lab 2024において「世界の今後有望な科学的ブレークスルー100」に選出され、カナダ政府及びオンタリオ州政府の支援のもと、日本市場での商業化を進めています。
リラタ社について:
https://www.lyrata.ca/
株式会社マクニカについて
マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界33か国/地域100拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
マクニカについて:www.macnica.co.jp