NTT株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:田中 徹也、以下「三菱マテリアル」)は、再生材の利用拡大と資源循環の推進をめざし、再生材の供給と、その由来や配分、環境負荷等に関する情報(以下「特性情報」)の伝達を一体で進める新会社「NTTサーキュラスト株式会社」(以下「新会社」)を設立します。
新会社は、使用済みIT機器や通信設備等を対象に、回収から再資源化、再生材の製造・販売までのモノの流れを担うとともに、再生材の特性情報をサプライチェーン内で適切に伝達する仕組みの構築に取り組みます。
これにより、製品メーカー等による再生材の利用拡大を促進するとともに、排出企業に対しても、自社の排出がどのような資源循環や環境貢献につながったかを把握・発信しやすい環境を整備し、持続可能な資源循環の社会実装に貢献します。
1.背景と目的
使用済みIT機器や通信設備には、銅をはじめとする有用な金属資源が含まれており、これまでも回収・リサイクルが進められてきました。一方で、回収、再資源化、製造、販売に関わる各工程において、再生材の特性情報の整理や共有は必ずしも十分とは言えず、製品メーカー等が再生材の利用状況や持続可能性に関する内容を適切に説明することが難しいという現状があります。
また、排出企業においても、自社が排出した使用済み機器類がどのように再資源化され、どのような環境貢献につながったかを把握しにくいという課題がありました。
近年、資源循環や環境負荷低減への関心は高まっており、製造業を中心に再生材利用の重要性が一層増しています。加えて、サプライチェーン全体での環境対応が求められる中、製品に使用される再生材の特性情報について、企業間で適切に共有・伝達できる仕組みの重要性が高まっています。
こうした動きは政策面でも加速しています。2026年4月に公表された政府の「循環経済行動計画」では、再生資源供給サプライチェーンの強靱化が重要課題とされ、2030年時点で国内生産される銅の約3割を、E-Scrap※1や銅スクラップ等の再生資源由来とする目標が示されています。あわせて、同計画では、再生材需要・市場の形成や、製造業と資源循環産業の間での情報連携の重要性が示されており、再生材の質・量の確保とともに、その利用を促進する仕組みの整備が求められています。
こうした背景のもと、再生材の利活用を持続的な市場形成につなげるためには、再生材の安定供給に加え、その特性情報をサプライチェーン内で適切に伝達し、製品メーカー等がその利用状況を説明できる状態を整えることが重要です。さらに、排出企業に対しても、回収された資源がどのように活用されているかを把握できるようにすることで、資源循環への参加意義の可視化につなげていくことが求められます。
NTTと三菱マテリアルは、これらの課題認識のもと、再生材の供給とその特性情報の伝達を一体で推進する新会社を設立します。新会社は、排出から再資源化、再生材活用までをつなぐ循環モデルの構築を通じ、資源循環の高度化と社会実装に貢献していきます。
2.取り組みの内容
新会社は、主に以下の2つの取り組みを推進します。
(1)再生材の特性情報の伝達の仕組みの提供
サプライチェーン全体において最終製品メーカーまで適切に再生材の特性情報を伝達する仕組みを提供します。この仕組みは、将来的には他社の再生材も含めた業界横断で活用可能な共通プラットフォームとして展開し、製品メーカー等が再生材の利用状況を説明しやすい環境を整えます。
また、本仕組みにより、排出企業に対しては、使用済み機器がどのように再資源化され、再生材として活用されているかといった環境貢献に関する情報をフィードバックすることが可能となります。これにより、資源循環への参加意義の可視化と、さらなる循環への参画促進を図ります。
(2)再生材の製造・販売
使用済みIT機器や通信設備等を回収し、これらを原料として再資源化を行い、再生材の製造・販売を担うとともに、IT機器および通信設備由来の金属資源を対象に事業を開始します。
新会社は、これらの取り組みを通じ、排出企業、リサイクラー、製品メーカーなど、資源循環に関わる各主体をつなぐ役割を担います。
<再生材の価値を伝え、活用する仕組み>
3.各社の役割
・NTT株式会社
使用済みIT機器や通信設備の排出側としての知見や、NTTグループにおけるデータ流通・トレーサビリティ技術や業界横断プラットフォームの構築・運用実績を生かし、新会社における事業設計および再生材の特性情報の整理・伝達の仕組みづくりに貢献します。
・三菱マテリアル株式会社
世界最大級のE-Scrap処理能力を有し、回収から製錬・製品化までを一貫して担う非鉄メーカーとして、都市鉱山を起点とした資源循環事業において培ってきた技術と処理能力を強みとしています。新会社においては、再資源化および再生材の製造・供給を担うとともに、循環プロセスにおける再生材に関するデータや知見の活用により、情報の信頼性確保と事業の強化に貢献します。
4.会社概要
会社名:NTTサーキュラスト株式会社(英語表記 NTT Circurust, Inc)
会社ロゴ:

代表者:代表取締役社長 宮崎 敬樹
所在地:東京都港区
資本金等:15億円(資本金7.5億円、資本準備金7.5億円)
出資会社:NTT株式会社(66.6%)、三菱マテリアル株式会社(33.4%)
設立予定日:2026年7月1日(予定) ※2
主な事業内容:「再生材の特性情報の伝達に関する事業」および「再生材の製造・販売事業」
Webサイト:
https://www.ntt-circurust.co.jp *2026年7月1日(水)午前10時公開予定
5.今後の展開
まずは、使用済みIT機器や通信設備由来の金属資源を対象に、回収から再資源化および再生材供給、その特性情報の伝達までを一体で担う循環モデルの構築に取り組みます。
今後は、排出企業、リサイクラー、製品メーカー等との連携を拡大し、再生材利用に関する具体的な取り組みや活用事例の創出を進めていきます。
また、情報の伝達プラットフォームについては、将来的に他素材への展開も視野に入れ、より広範な製造業の資源循環を支える基盤へと発展させていきます。
モノの流れと情報の流れを組み合わせることで、資源循環を可視化し、再生材が選ばれる市場の実現をめざします。
6.エンドースメント
古河電気工業株式会社 執行役員 徳田 繁様
当社グループでは「環境基本方針」と「環境ビジョン2050」において環境に配慮した製品・サービスの提供および循環型生産活動を通じ、バリューチェーン全体で持続可能な社会の実現に貢献することを掲げ、金属を含む再生材の活用を進めています。
今回の新会社設立は、再生材の特性情報の伝達を通じて関係者間での情報共有を促進し、再生材活用の意義をより明確にしていくものととらえています。
本取り組みを通じて、再生材の活用がさらに広がるとともに、再生材の活用状況や資源循環に関する取り組みがサプライチェーン全体においてより適切に理解・評価されていくことを期待しています。
ミナミ金属株式会社 代表取締役社長 岡村 淳様
当社は、使用済み機器の回収・再資源化に長年携わる中で、資源循環の現場におけるさまざまな課題に向き合ってまいりました。
今回の新会社の設立は、回収・再資源化から再生材の活用、さらには再生材の特性情報の伝達までを一体で進める点に、大きな意義があるものと受け止めています。
リサイクルを担う立場として、回収・再資源化を通じて生み出される再生材の価値に加え、現場での適正な処理や持続可能な取り組みについても、サプライチェーン全体で適切に共有・評価されていくことを期待しています。
本取り組みにより、資源循環に関わる企業間の連携がさらに進展し、再生材の利用拡大とともに、静脈産業の役割や価値がより広く認識されていくことを期待しています。
当社としても、現場で培ってきた知見を活かしながら、持続可能な資源循環の実現に引き続き貢献してまいります。
※1 有価金属を高濃度に含有する電子機器類の廃基板などの総称。
※2 本件の完了は、関係規制当局からの承認等を前提としており、今後必要な手続きを進めてまいります。