金融から製造現場まで、SASの業界別アクセラレーターによりお客様の競争力を強化
データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、業界別の困難な課題に対応するAIエージェントおよびAIモデルの新製品および機能強化を発表しました。多くの業界プレーヤーがAIエージェントやAIモデルをうまく活用できていない理由とは何でしょう?具体的には、人材不足、業界に特化したAI専門知識の欠如、予算と時間の制約、そして必要なガバナンスをおざなりにした「move fast and break things(すばやく動き、破壊せよ)」という考え方などがネックとなっています。イノベーションに遅れをとってはならないというプレッシャーが高まる中、業界の購買担当者や技術開発者は、AIを安全かつ実用的な方法で導入する方法を模索しています。
そのため、SASは引き続きお客様に業界別アクセラレーター(
https://www.sas.com/ja_jp/solutions/ai/models.html )を提供していきます。同ポートフォリオは業界の困難な課題を解消するためのAIエージェントとAIモデルからなり、さらに拡大を続けています。SASは業界別ソリューションへの10億ドルの投資を成功させました。これを受けて、2026年に業界別アクセラレーターに追加される新たな製品と機能強化には、SAS Supply Chain Agentが含まれます。こちらはプライベートプレビュー版が提供されており、近々世界中の企業に向けて提供開始予定です。
SAS Supply Chain Agentとは
市場や資材の入手可能性が変動する中において、SAS Supply Chain Agentは、小売業者や製造業者がサプライチェーンを管理するための重要なプロセスである供給・運用計画(S&OP)を効率化します。
S&OPは数日を要する骨の折れるプロセスであり、複数の部門の専門家がスプレッドシートを使って次の6~12か月の在庫を予測し、配分を決める必要があります。多くの複雑な手続きにより何千という膨大な数のサプライチェーンを管理しなければならず、長年大きな課題となっています。つまり、ほとんどの組織では、これまでせいぜい月に1度しか、S&OPのためにリソースと時間を費やすことができずにいました。
SAS Supply Chain Agentは、継続的に稼働して、需要、供給、運用のバランスを保ちます。需要の高い時期にサプライチェーンを最適化して、使用パターンに基づき将来のニーズを予測し、無駄や過剰発注を削減することが可能です。さらには、サプライチェーン業務の状況をほぼリアルタイムで継続的に把握できるため、S&OPの通常の時間枠の内外でデータを継続的に活用して、賢明な意志決定を行うことができます。
企業ユーザーは、直感的なチャット機能を通じていつでも好きなときにエージェントとやり取りを行い、好奇心に従い、問題を解決することができます。たとえば、シナリオ(例:需要が15%減少したなど)を実行するようにエージェントに命令して、起こり得る結果を検証するといったことが可能です。その際、エージェントがそのような決定に至った経緯が説明され、透明性と信頼性が確保されます。
IDCのAI・データ・自動化ソフトウェア部門のリサーチディレクターであるキャシー・ランゲ(Kathy Lange)氏は、次のように述べています。「現在のプレパッケージされたエージェントは、基本的なプロセスを対象とする傾向がありますが、SASは、Supply Chain Agentを使って非常に複雑なプロセスを圧縮することから、大きな価値が期待できます。この次世代のエージェンティックAIソリューションには、SASが長年にわたり培ってきたサプライチェーンに関する知識を注ぎ込んでいます」
お客様はSASのモデルとエージェントをどのように利用しているのか?
SASは、モデルおよびエージェントを常に改善し、進化させており、世界中のあらゆる業界のお客様が変革的な成果を実感しています。
業務に変革をもたらすSASのデジタルツイン
SAS Innovate 2025(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2025/may/enhanced-digital-twins.html )で初公開されたとおり、SASはEpic GamesのUnreal Engine(UE)でお客様の業務環境のデジタルツインを作成しています。これらの完全に仮想化されたレプリカにより、お客様は複数のシナリオをシミュレートして、仮説を検証することができます。
たとえば、世界中の医療現場では、必要な医療用具一式(メス、鉗子、その他)が滅菌され、患者に対し安全に使用できる状態でなければ、救命手術を行うことはできません。ある医療機器滅菌の大手事業者は、自社施設のデジタルツインの構築でSASと協働しています。これにより、重要なサービスの提供の中断や遅延につながりかねないシナリオを検証・テストし、業務運営を最適化できるようになります。
このお客様は、医療器具の洗浄のためにトレイを並べるバッファリフトにトレイが引っかかり、プロセス全体の進行を邪魔していると考えていました。自社の設備をデジタルツイン化し、詳しく調査を行ったところ、実際には、バッファリフトが中央配布ポイントとして機能しているため、トレイの動きが遅くなっていたことが判明しました。ターゲットを絞った調整を行ったことで、ボトルネックが解消され、生産ペースが向上する結果となりました。
合成データにより労働者を保護
米国労働統計局が最近行った分析によると、米国では毎年5,000人以上の労働者が死亡する事故が起こっており、職場での死亡や負傷の多くが、転落、機械事故、保護具の不適切な着用などが原因で起きています。
SAS Worker Safetyでは、デジタルツイン、合成データ、コンピュータビジョンを使って、職場のリスクに対処することが可能です。デジタルツインを使用して、本物そっくりの映像を作成し、高リスクシナリオでコンピュータビジョンモデルのトレーニングを行えます。このアプローチによって、さまざまな環境をほぼ無制限にシミュレートし、保護メガネの形状、装備の色、各種の照明条件が事故に及ぼす影響といった重要な細部を再現することができます。
合成データとコンピュータビジョンを使って、フォークリフトの衝突事故など、実際の映像が存在しない可能性のある、稀ではあるものの起こりうる事象をモデリングすることも可能です。完全にシミュレートされた労働者の人物像を使用することで、実際の従業員を関与させたり、個人を特定可能な情報を開示したりすることなく、一連の行動を繰り返しテストすることができます。
学習が完了した時点で、これらのモデルを施設内のすべてのカメラに導入することで、リアルタイムのアラートが発信されます。これによって、労働者が保護具を正しく着用していることを確認でき、安全な環境が維持されます。つまり、製造現場では、ヘルメットが正しく装着されていることを確認できるようになります。また医療現場では、検査室や手術室が危険にさらされる前に、マスクや手袋のずれを検出できます。
州政府による困窮家庭の支援を支えるSASの技術
米国では、補充的栄養支援プログラム(SNAP)の給付金を支給する際に、規制の変化、取扱件数の多さ、時間のかかる手動の技術作業に対応できずに苦慮しているケースが少なくありません。現在、新しい連邦規制により、誤給付率の閾値を超えた場合は州の予算に対し直接罰金を科すようになっています。誤給付率とは、給付資格判定の誤り、古いケースデータ、不正行為の未検出などにより、給付に過不足が生じる割合のことです。こうした複合的なミスにより、数百万ドルもの連邦政府の補助金が失われることになりかねません。何よりも重要なこととして、命にかかわる支援を必要としている家庭に、本来受けられるはずの給付金が行きわたっていない可能性があります。
ネバダ州を含む複数の州で、この問題に対処し、住民へのサービスを向上させるために、SAS Payment Integrity for Food Assistanceが採用されています。
SASのこのソリューションはデータ基盤を刷新しなくても、州の既存のデータ(受給資格記録、ケース管理ファイル、所得確認データ、取引履歴など)に接続することができます。次に、SNAPの正確な支給のために特別に訓練された高度な分析・機械学習モデルにより、収入や世帯構成の変化などがケースに反映されていないといったエラーパターンを突き合わせて特定し、追跡することができます。
これは、時間に追われているケースワーカーや調査員の手間の軽減に役立ちます。手作業によるレビューを行わずに、優先順位の高い家庭をフォローアップできます。また、管理者は四半期ごとの報告書に頼るのではなく、プログラムのライブダッシュボード画面からいつでも状況を確認できます。SASを使うことで、州政府は連邦政府の規制変更に先んじて対応し、食料支援の対象となる家庭が必要な給付を確実に受けられるようにすることができます。
あらゆる金融サービスで不正対策担当者を支援
SASと公認不正対策専門家協会(Association of Certified Fraud Professionals)が最近行った不正に関する調査(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2026/march/acfe-anti-fraud-technology-study-deepfakes.html )によると、不正対策専門家の75%が消費者を標的とした金融詐欺や詐欺行為の急増を目の当たりにしています。また、55%がディープフェイクによるソーシャルエンジニアリングや生成AIによる文書詐欺・偽造が今後2年間で大幅に増加すると予測しています。
さらに、所属組織においてAIを活用した不正行為の検出や防止に対応する準備が十分に整っていると感じている不正対策専門家はわずか7%でした。
このような背景のもと、世界の銀行、保険会社、その他の金融サービス機関、そしてそれらの機関で雇用されている不正対策専門家たちは、SASの金融不正検出モデルとエージェントを使えば、金融犯罪を追跡し、消費者の資産とアイデンティティを保護できると考えています。銀行は、SAS Fraud Decisioning for Paymentsを利用して、さまざまな金融取引においてリアルタイムで不正を検出しています。
SASの金融不正検出モデルは、大手グローバル金融機関がコンソーシアムを通じて提供している広範なデータセットのパターンを学習しています。これらのデータは、クレジットカード詐欺、デビットカード詐欺、ATM詐欺、デジタルウォレット詐欺、アプリケーション詐欺、さらにはマネーミュールといった新たな手口まで、あらゆる不正行為を網羅しています。SASのプラットフォームに導入されたSASの不正対策意志決定モデルを使えば、ゼロから始める必要はありません。これらのモデルは業界全体で発生した数百万件の不正事例を学習していることから、金融機関が犯罪者に遅れをとる心配はありません。
業界別アクセラレーター:50年にわたり培ってきた専門知識にもとづく卓越性
SASの業界別アクセラレーターは、厳格なテストを経て、特定の用途に対応するように設計されています。さらには、組織の既存のワークフローと統合することで、SASの製品ポートフォリオを利用して、既存のデータをもとに分析機能とAI機能を拡張することができます。
SASの応用AI担当グローバル市場戦略責任者であるマニーシャー・カンナ(Manisha Khanna)は、次のように述べています。「AIフレームワークや検証を場当たり的に寄せ集めていては、多くの場合、AIへの投資による競争力の強化を実現することはできません。SASは、高度に規制された環境下で、定義済みの実際の業界問題を解決するという目的のもと、業界別アクセラレーターの開発を行っています。すでにあるデータに基づき動作する、本番環境に対応したエージェントとモデルによって、さまざまな業界のお客様が驚くべき成果を上げています」
*2026年4月28日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2026/april/industry-accelerators.html )の抄訳です。
本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意志決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。