京都産業大学(京都市北区/学長:在間敬子)理学部 物理科学科の齊藤 国靖教授は、大阪大学の研究者との共同研究により、粉体や泡などの物理モデルとなる「ソフト粒子系」において、せん断による粒子の拡散とジャミング転移の関係をシミュレーションを用いて明らかにしました。
本研究は、これまで液体などで知られていた「ロングタイムテール」がソフト粒子系のせん断流にも存在することを発見し、ジャミング転移した2次元粒子系の拡散係数が熱力学極限で発散することを説明する重要な成果です。論文は国際学術誌『Physical Review Research』に掲載されました。
京都産業大学 理学部 物理科学科の齊藤 国靖 教授は、大阪大学の研究者と共同研究を行い、せん断による粒子の拡散とジャミング転移の関係を明らかにしました。この研究成果は学術誌「Physical Review Research」の論文として掲載されました。
■ 研究のポイント
・巨視的な大きさの粒子の集まりである「ソフト粒子系」のせん断流をシミュレーションし、粒子の拡散現象と拡散係数のパラメーター依存性を解明しました。
・これまで圧力やせん断応力で知られていた「臨界スケーリング」が、拡散係数においても成立することを示しました。
・液体などで知られていた「ロングタイムテール(時間相関関数の冪減衰)」がソフト粒子系のせん断流においても存在することを発見し、ジャミング転移した2次元粒子系の拡散係数が熱力学極限で発散することを説明しました。
■ 研究概要
巨視的な大きさの粒子の集まりであるソフト粒子系は非平衡物理学の重要な研究対象であり、粉体、泡、エマルジョンなど、身近に存在する物質の典型的な物理モデルでもあります。これまで、ソフト粒子系にせん断変形を加えたときの圧力やせん断応力の変化については詳しく調べられてきましたが、せん断によって粒子自身が拡散する現象については系統的な解析が成されていませんでした。
そこで本研究では、分子動力学シミュレーションによってソフト粒子系のせん断流を再現し、せん断による粒子の拡散現象と拡散係数を調べました。拡散係数に影響を与える重要なパラメーター(粒子の密度、せん断率、システムサイズ)を系統的に変化させた結果、ジャミング転移点近傍において、圧力等と同様に拡散係数についても「臨界スケーリング」が成立することを示しました。
さらに、グリーン・久保公式を用いてソフト粒子系の拡散係数を粒子速度の時間相関関数と結び付け、速度の2乗平均と相関関数の緩和時間についても臨界スケーリングが成り立つことを示しました。また、粒子の密度が高く、せん断率が小さなパラメーター領域において時間相関関数が冪減衰することを発見し、液体などで知られていた「ロングタイムテール」がソフト粒子系のせん断流においても存在することが解りました。これにより、ジャミング転移した2次元の粒子系の拡散係数が熱力学極限で発散することを説明しました。
■ 掲載論文
著者: Kuniyasu Saitoh and Takeshi Kawasaki
題目: Relaxation dynamics and long-time tails explain shear-induced diffusion of soft athermal particles near jamming
掲載誌: Phys. Rev. Research 8, L012069 (2026)
DOI: 10.1103/bf83-xrjp
URL:
https://doi.org/10.1103/bf83-xrjp
■ 参考
京都産業大学 教員紹介ページ:齊藤 国靖 教授(理学部物理科学科)
https://www.kyoto-su.ac.jp/professors/sc/sc-p/saitoh_kuniyasu.html
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
【2027 年4月、新しい学びが誕生します。】
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現代社会学部 心理学科(仮称:設置構想中)
<関連リンク>
・ソフト粒子系のせん断流における粒子の拡散とジャミング転移に関する学術論文を出版しました
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/news-002745.html
・京都産業大学 理学部
https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/sc/
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