NPO法人腎臓サポート協会では、会報誌『そらまめ通信』の送付やホームページ『腎臓病なんでもサイト』などを通じて、腎臓病の皆様に役立つ情報を提供しています。
今回は、慢性腎臓病(CKD)のステージごとに患者さんが気をつけるべきことについて、先月ご紹介したステージ3に引き続き、腎障害が進み、透析の準備を考えなければならないステージ4~5について、草津総合病院 腎臓内科部長・透析センター長 西尾 利樹 先生 にお話を伺いました。
ステージ4~5はいよいよ最終段階。腎臓の働きは重度に低下しています。腎不全を目前にし、透析治療を現実のものとして考えなければならないこのステージで、患者さんはどのようにCKDに向きあえばいいのでしょうか。
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●CKDステージ 4(eGFR:29から15)
●CKDステージ 5(eGFR:15未満)
のときに気をつけること
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CKD ステージ4 に入ってくると、腎臓の働きは重度に低下してきており、いよいよ透析療法を現実のものとしてとらえる必要がでてきます。このため、この時期になると腎不全に対する治療の説明を受けることとなります。
末期腎不全の治療は、血液透析、腹膜透析および腎移植があります。それぞれの治療方法には一長一短があり、どの治療法が患者さんにとって最も良い治療法と考えられるかを、患者さんと家族および医療関係者が一緒になって考えていくことになります。そして、より厳しい食事制限や、むくみがある場合には飲水制限が必要となってきます。
CKD ステージ5 になると、いよいよ透析の開始を考えていく必要がでてきます。透析療法は、患者さんたちにとってはできれば避けたいと思われる治療法でしょう。しかしこの時期になれば、むしろ適切な時期に透析を開始するほうが体にとって良いといわれて
います。
また、透析がいつでも始められるように、血液透析用のシャント手術や腹膜透析用カテー
テル挿入術をおこなう時期でもあります。一方、腎移植を考えられる方は、この時期には生体腎移植の場合は提供者との適合検査や移植が可能か全身の検査をおこなう時期となります。
透析療法が開始となった後も、種々の制限は必要となりますし、透析医や透析センターの看護師とは一生付き合っていくこととなります。体調の変化や疑問点がでてくれば、その都度、相談をされるのが良いと思います。
――CKDのステージチェックはこちらから――
CKD ステージは GFR 区分と、原疾患や尿タンパクを考慮して判断されます。自分の CKD ステージついては主治医に確認してみましょう。腎臓病なんでもサイトでも、簡単に eGFR をチェックすることができます。
簡単!腎機能チェック
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_tests/check.html
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※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.81 診察室から』からの抜粋です。
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