「日本人は歯並びが悪い」76% (国内在住外国人アンケート)
矯正治療中のイメージに差 海外「うれしい」・日本「つらい」
歯並びは重要という意識は高いが、矯正治療に消極的な日本
透明なマウスピース装置(アライナー)による矯正歯科治療「インビザライン・システム」を提供するアライン・テクノロジー・ジャパン株式会社(東京都目黒区、代表取締役:福村敏夫)は、4月18日「よい歯の日」に向けて、日本人の歯並びについて国内外で意識調査を実施しました。
日本に住む外国人100名を対象に行ったアンケート調査では、76%と多くの外国人が、日本人の歯並びを悪いと感じていました。また、日本・アメリカ・中国の一般男女600名(各国200名)を対象に、世界3都市で比較調査を行ったところ、日本は海外に比べて、もともとの歯並びの悪さよりも矯正治療率や治療意向が低いという実態が明らかになりました。海外では矯正治療にポジティブなイメージを持っていることとは対照的に、日本では矯正装置の見た目に抵抗感が強いという結果も表れています。一方で、目立たない矯正装置の認知度は日本において特に低い状況です。
■ 調査結果 概要
≪ 外国人が驚く 日本人の歯並び ≫
・ 「日本人は歯並びが悪い」 76%
・ 「歯並びは笑顔の魅力に関わる」 83%
≪ 矯正治療率・治療意向ともに低い日本 ≫
・ 歯並びが悪い人の治療率 米国50.0% > 中国23.8% > 日本21.3%
・ 未治療の人の治療意向 中国85.3% > 米国79.3% > 日本54.2%
・ 歯科医への相談経験 中国74.5% > 米国67.5% > 日本23.5%
≪ 歯並びの重要性については 日本でも高い認識 ≫
・ 「歯並びは笑顔の印象を左右する」 日本85.0%、米国89.0%、中国90.5%
・ 「歯並びは口腔内の健康に影響する」 日本73.5%、米国71.0%、中国70.0%
≪ 日本人は矯正治療にネガティブ - 海外とは対照的 ≫
・ 「歯並びが良くなって、うれしい」 米国76.0%、中国63.5%
「装置による不自由で、つらい」 日本63.0%
≪ 矯正装置の見た目を嫌がる日本人 ≫
・ 「装置をつけることに抵抗がある」 72.0%
・ 「目立たない装置があれば治療したい」 65.0%
≪ 一方で、日本では目立たない矯正治療の認知度が低い ≫
・ 裏側ワイヤー矯正の認知度 中国72.0% > 米国56.5% > 日本25.5%
・ 透明マウスピース矯正の認知度 米国83.0% > 中国78.5% > 日本30.5%
■ 調査結果 詳細
【調査1】
調査対象: 日本に住む外国人100名
調査方法: 在日外国人向け雑誌の読者モニターへのアンケート調査
調査期間: 2012年3月
≪ 外国人が驚く 日本人の歯並び ≫
日本に住む外国人100名に、日本人の歯並びに対する印象について聞いたところ、「日本人は歯並びが良い」と回答した人はわずか4%(4名)にとどまり、76%(76名)が「歯並びが悪い」と回答しました(図1)。自由記述のコメントからも、日本に住む外国人が日頃から日本人の歯並びの悪さについて強く意識している様子が伺えます(表1)。また、「歯並びと笑顔の魅力の関係」について、83%(83名)が「関係する」※と回答しました。
※「大いに関係する」・「少し関係する」・「どちらともいえない」・「ほとんど関係しない」・「全く関係しない」の5つの選択肢のうち、「大いに関係する」・「少し関係する」と回答した割合
[ 表1: 日本人の歯並びについてのコメント (自由記述、一部抜粋) ]
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「日本人の歯並びはあまりよくありません。日本人の通常の健康意識の高さを考えると、歯並びが悪いことに驚きます。また、テレビに出ているタレントでも、ひどい歯並びの人が多く驚きました」
(アメリカ人 30代男性)
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「他の主要先進国と比べて、日本では多くの人が歯並びの悪さに悩んでいると強く思います。私が多くの日本人から聞いた話では、日本の親は、子どもの歯並びを治療しないことがしばしばあるそうです。おそらく、高額な費用がかかるからでしょう」
(イギリス人 40代男性)
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「八重歯を可愛いと思う人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。率直に言って、先進国のなかで日本はおそらく最低の歯並びです」
(カナダ人 30代男性)
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「日本人にも歯並びの良い人と悪い人がいますが、すごく歯並びの悪い人がかなり多いように思います。日本人は歯を整えるために矯正装置をつける傾向が少ないからでしょう」
(アメリカ人 20代女性)
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「他の国と比べて、多くの日本人は歯並びが悪いと思います。不揃いな歯並びがチャーミングだと取られることもあるようですが、不揃いな歯並びが外見をネガティブにし、手入れがされていなく不衛生な印象を与えることもあります」
(スウェーデン人 30代男性)
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「みなそれぞれですが、きれいで健康な歯(汚れや欠けていないことも含む)でいることは大切です。歯並びが悪いと健康に悪影響があると思います。私は歯並びを治したことで、長年続いていた重い頭痛が治り、虫歯予防にもなりました。そして、私に自信も与えてくれました」
(アメリカ人 30代女性)
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「おそらくイギリス人や(特に)アメリカ人よりも日本人の歯並びは良くないです。なぜもっと歯の治療をしなかったのかと不思議に思うことがあります。しかし、歯並びが整ってきれいな人もいます」
(イギリス人 60代女性)
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「出っ歯と八重歯の人が多いと思います」
(中国人 30代女性)
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「たくさんの歯科医院があるのに、日本人の歯並びが整っていないことに驚きました」
(オーストラリア人 40代男性)
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「私が見てきたなかでは、ほとんどの日本人は歯並びが多少悪いと思いますが、費用がかかるので矯正治療をする気はないようです。また、歯並びの悪さを個性的や可愛いと思う人もいます。しかし、堂々と笑うことに抵抗がある人もいます。良い歯並びは自信を与え、良い印象をつくり出すと思います」
(フィリピン人 30代女性)
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「若い人は矯正治療で歯並びを良くする人が増えているように思います。日本人は、一般的に歯並びが悪いだけでなく、簡単に補綴(銀歯など)をしすぎです」
(メキシコ人 30代男性)
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「アメリカ人は、歯並びが悪い人に対して、貧しい家庭の出身で教育もあまり受けていないと見てしまいます。不衛生な人は、マイナスな印象を与え好ましくありません」
(アメリカ人 50代女性)
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「歯並びが悪いだけでなく、歯の色も悪いと思います」
(ネパール人 30代女性)
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「他の国に比べると、歯並びと歯のケアが重視されていません。ビジネスを含む様々な場面で、笑顔は丁寧で親切な返答のようなものなので、残念なことです。素敵な笑顔で人生が変わるかもしれないので、日本人はもっと歯並びや歯を気づかったほうがいいと思います」
(イタリア人 40代男性)
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【調査2】
調査対象: 日本(東京)、アメリカ(ニューヨーク)、中国(上海)の
20代~40代の一般男女600名(各国200名)
調査方法: インターネットリサーチ会社によるアンケート調査
調査期間: 2012年3月
≪ 矯正治療率・治療意向ともに低い日本 ≫
日本(東京)、アメリカ(ニューヨーク)、中国(上海)において、歯並び・矯正治療に関する各国比較の意識調査を行ったところ、「(もともと)歯並びが良くない」人の割合は、日本61.0%(122名)・アメリカ58.0%(116名)・中国71.5%(143名)に上り、そのうちの矯正治療率は、日本21.3%(26名)・アメリカ50.0%(58名)・中国23.8%(34名)という状況でした。また、歯並びが良くなく未治療の人のうち「治療したいと思う」人の割合は、日本54.2%(52名)・アメリカ79.3%(46名)・中国85.3%(93名)で、日本は海外に比べて矯正治療率・治療意向ともに低い結果となりました。
さらに、「自身の歯並びについて歯科医に相談したことがあるか」という質問には、日本23.5%(47名)・アメリカ67.5%(135名)・中国74.5%(149名)が「相談したことがある」と回答し(図2)、日本では歯科医への相談すらも一般的に行われていない実態が明らかになりました。
≪ 歯並びの重要性については 日本でも高い認識 ≫
一方で、歯並びの重要性についての質問では、「歯並びによって笑顔の印象が左右されると思う」※日本85.0%(170名)・アメリカ89.0%(178名)・中国90.5%(181名)、「歯並びは自信につながると思う」※日本72.0%(144名)・アメリカ88.5%(177名)・中国81.0%(162名)、「歯並びによって口腔内の健康に影響があると思う」※日本73.5%(147名)・アメリカ71.0%(142名)・中国70.0%(140名)、「歯並びによって身体全体の健康に影響があると思う」※日本67.0%(134名)・アメリカ58.0%(116名)・中国57.0%(114名)と、日本においても海外と同様の認識の高さが伺えました(図3・図4)。
※「あてはまる」・「ややあてはまる」・「どちらともいえない」・「あまりあてはまらない」・「あたはまらない」の5選択肢のうち、「あてはまる」・「ややあてはまる」と回答した割合。以下同様。
≪ 日本人は矯正治療にネガティブ - 海外とは対照的 ≫
さらに、矯正治療中のイメージについて、「歯並びが良くなっていくのが、うれしい」というポジティブな印象と「矯正装置による不自由で、つらい」というネガティブな印象のどちらにあてはまるかを聞いたところ、海外では「歯並びが良くなっていくのが、うれしい」アメリカ76.0%(152名)・中国63.5%(127名)に対して、日本は63.0%(126名)が「矯正装置による不自由が、つらい」と正反対の傾向が見られました(図5)。
≪ 矯正装置の見た目を嫌がる日本人 ≫
日本人は、装置による矯正治療へのネガティブイメージが強く、「矯正装置をつけることに心理的な抵抗がある」※72.0%(144名)とも回答しています。
「どのような装置があれば治療したいか」という質問には、「目立たない装置」が65.0%(130名)と最も多く挙げられ、次いで「違和感の少ない装置」50.5%(101名)、「痛みが少ない装置」49.5%(99名)、「取り外しが可能な装置」31.5%(63名)、「金属アレルギーでも可能な装置」14.0%(28名)の順で回答されています。
≪ 一方で、日本では目立たない矯正治療の認知度が低い ≫
実際に現在の矯正治療で用いられている目立たない装置には、「裏側矯正(舌側矯正)」や「透明マウスピース矯正」などがあります。「裏側矯正(舌側矯正)」は、通常は歯の表側につけるワイヤー矯正装置を、歯の裏側(舌側)につける治療方法です。また、「透明マウスピース矯正」は、薄く透明なマウスピース装置(アライナー)を使った治療方法で、少しずつ形状を変化させた複数のアライナーを順番に交換していくことで歯並びを動かします。
それぞれの矯正治療の認知度を聞いたところ、「裏側矯正(舌側矯正)」は日本25.5%(51名)・アメリカ56.5%(113名)・中国72.0%(144名)、「透明マウスピース矯正」は日本30.5%(61名)・アメリカ83.0%(166名)・中国78.5%(157名)でした(図6)。日本では海外に比べて目立たない矯正治療が知られていません。
■ 昭和大学歯学部歯科矯正学教室主任教授・槇宏太郎先生のコメント
日本は先進国のなかで極端に歯並びへの意識が低いと言われていますが、今回の調査では改めてその状況が示されるとともに、日本人の矯正治療に対するネガティブなイメージが明らかになりました。
歯並びは、審美面だけでなく、口腔内の衛生環境や身体全体の健康にまで大きく関わります。矯正治療は良い歯並びを手に入れるためのもので、本来は何ら恥ずかしいものではありませんが、日本では装置への抵抗感が治療を遠ざけているようです。
しかし、このような背景を持つ日本においてこそ知られるべき「裏側矯正」や「透明マウスピース矯正」などの目立たない矯正治療の情報が広く伝わっていないことは非常にもったいなく、残念に思います。治療以前の段階として、ぜひ日頃から気軽に歯並びについて歯科医へ相談してみてください。矯正治療も日々進歩しています。
日本でも海外と同じように歯並びへの関心が高まり、皆さんの健康につながっていくことを願っています。