~カーエレクトロニクスの進化を牽引するデンソーが次に目指すもの~
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■デンソー流「垂直統合」──すり合わせの技術で先駆ける
デンソーのデバイス技術トップが明かす次世代事業戦略
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カーエレクトロニクスの進化を牽引するデンソーは、車載用半導体をプロセス開発から自前で行っていることでも知られています。同社の技術を根幹から支えるデバイス事業部の技術革新や半導体エンジニアの採用などについて、『Tech総研』編集部は同社加藤之啓常務にインタビューしました。
デンソーの半導体開発において強みを発揮するのは、「垂直統合型」の技術開発スタイルです。
垂直統合とは、自社製品の付加価値の源泉を企業グループ内に保持し、それらを連携させることで、ものづくりの上流から下流までを統合し、自社の競争力を高める戦略です。中でも自動車技術は異なる技術や細かい部品を「すり合わせる」ことが肝要だとされています。
その一例として加藤氏が挙げるのが、「パワーカード」。HVのパワーコントロールユニット(PCU)に用いられるキーデバイス。PCUを構成する一つひとつのパワー半導体を、両面から熱を逃がす構造とすることで温度上昇を抑制し、これまでの2倍の電力供給を可能にしました。IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)素子を銅のリードフレームにはんだ接合し、水冷技術で冷却するところにポイントがありますが、特に新材料を用いたわけではありません。社内に保有されている材料技術や加工技術をすり合わせることで完成したのです。
「片面より両面で冷やした方がいい。チップサイズも小さくできる。それは分かっていたが、それを実装するのは簡単ではありません。ウェハプロセス、回路設計、実装といった個々の半導体技術に加え、システム開発から加工技術までも全て社内に揃っているからこそそれが可能になったのです。他の事業部にあるノウハウを融合参照できるというのも私たちの利点です。パワーカードでは、熱機器事業部にある冷却技術を活用している。これを私たちは“機電一体”の技術と呼んでいますが、これがデンソーならではの強み。部署間を超えて様々なアイデアを出し、それらをすり合わせることで最大限の性能を引き出すことができます」と加藤氏は語ります。
本レポートでは、同社の世界市場をリードするための“アーリー&クィック”戦法、加藤常務センサ開発時代の欧州への常務自身による売り込みなどについても詳しくレポートしています。
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