[腎臓病患者さんの体験談]22年間の保存期の末、腹膜透析、血液透析を併用。現在は在宅透析へ移行し、患者の立場から在宅透析普及に取り組む

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腎臓病と闘う人にとって体験者の言葉は何よりも心強いもの。「腎臓病なんでもサイト」では、さまざまな患者さんに、病気の受けとめ方や乗り越えた経緯、ご家族のサポートなど、貴重なお話を伺っています。

76号の体験談では、22年間の長い保存期の末に、腹膜透析で透析導入し、現在は在宅透析に取り組んでいる田口 明さんをご紹介しています。

田口さんは、ドクター・ナース・技士さんなど、さまざまな病院スタッフたちと共に他施設で研修やトレーニングを受け、聖マリアンヌ医科大学病院で第一号の在宅透析導入患者となられました。現在は、患者さんながら、関連の研究会で発表をこなすなど、在宅透析の普及にも尽力されています。


(※職業・年齢や治療法は、取材当時のものです。)

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■【76号】田口 明さん(66才男性)
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患者さんプロフィール:
田口明さんは、36 歳のとき、会社の健康診断でたんぱく尿を指摘され、検査の結果IgA 腎症と診断されました。食事療法を続け22 年の保存期の末に腹膜透析(PD) を導入し、その後、PDと血液透析(HD) を併用していましたが、 HHD への移行を希望。病院スタッフと協力して聖マリアンナ医科大学病院でのHHD 患者第一号となりました。患者を中心とした医療チームのお話を伺ってきました

<記事の一部をご紹介!>

―――聖マリアンナ医科大学病院の在宅透析(HHD)患者第一号ということですが、どうしてHHD を始めることになったのですか?
田口 当時は腹膜透析(PD)と病院での血液透析(HD)の併用をしていたのですが、PD もそろそろ限界に来ていたので今後どうしようか考えていました。生体腎移植の話もあったのですがうまく進まなくて、ちょうどその頃にHHD の講演会があり、大変興味を持ち、主治医に「やってみたい」と相談しました。

―――聖マリアンナではHHD はやっていなかったんですよね。
田口 ええ、当時、神奈川県でHHD をやっていた病院は2つしかなくて、東海大学付属病院と汐見台病院だけでした。それで聖マリアンナの先生や看護師さん、技士さんたちと一緒に汐見台病院の川口良人先生のところに行って、HHD とはどんなものか、どうやってやるのか、勉強させていただいたのです。

―――じゃ、先生方も汐見台病院で研修されたんですか?
田口 はい、みんなで。私は2週間入院して勉強し、退院後に聖マリアンナで4 ヶ月トレーニングしました。

―――主治医はどなたですか?
田口 櫻田勉先生です。私があまりにも早くHHD を決めてしまったので、「家族は大丈夫ですか?」と心配してくれました。

―――で、奥様はなんと?
田口 最初は反対しました。HDをするとしても、「病院で腕を出していれば済むものを、どうしてそんな苦労をしなくてはいけないのか」と。

―――それで今はどうですか?
田口 HHD を始めて体調がとても良くなったので、やはりやって良かったといっています。

〈中略〉
―――腎臓が悪いとわかったのはいつですか?
田口 1984 年、36 歳のときです。会社の健康診断で尿たんぱくを指摘されました。野球をやっていてかなり激しい運動をしていたためかと思い、1 年間はほおっておいたのですが、翌年もやはり尿たんぱくがでて、聖マリアンナ医科大学を紹介され腎生検を受け、IgA腎症で治らないといわれました。これはショックでしたね。

―――その後、病院には定期的に通っていたのですか?
田口 はい、それと食事療法を。たんぱく質40g、塩分6g でした。

―――食事を作るのは奥様が?
田口 はい。最初は妻も病院に行って食べたものを全部書き出して勉強して、ずいぶんと苦労したみたいです。当時は子供二人と妻の両親も同居していましたが、私の分は別に用意してくれていました。

―――食事制限をきちんと守られていたのですね。
田口 はい、会社には弁当持参で、外食もほとんどしませんでした。低たんぱく米とかおかずなど調整食品も利用しました。でも出張の時はしょうがないので、普通の食事をしていましたけど。

―――それで透析を導入したのは?
田口 2006 年、58 歳のときで、病気だとわかってから22 年目でした。

―――それはずいぶん頑張りましたね。その時の気持ちは?
田口 透析をしなければならないというのは理解できましたが「やりたくない」と思うばかりで。

―――APD を選ばれたんですよね
田口 どんな透析があるのかなんていうのはまったくわかりませんでしたが、聖マリアンナの木村健二郎先生の外来で説明を受け、また、担当の白井小百合先生から「あなただったら、腹膜透析ができますよ。仕事を続けるなら寝ている間に機械が自動的にやってくれるAPD という方法がいいのでは」と勧められ、「日中は今まで通りにできるなら、これはいいな」と思い、決断しました。

―――APD を始めて体調は?
 それまでもあまり自覚症状はなかったのですが、とても調子が良くなりました。周り
からも顔色が悪くてむくんでいたのが、「とても良くなった」といわれるようになりました。

〈後略〉

▼76号 全文はこちらから
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_info/experience/expe_76.html
※『腎臓病なんでもサイト』患者さんの体験談からの抜粋です。

▼▼患者さんの体験談~一病息災~ バックナンバー▼▼
http://www.kidneydirections.ne.jp/kidney_info/experience/index.html

【本件に関するお問い合わせ先】
NPO法人 腎臓サポート協会
info@jin-support.org

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