第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」受賞取組決定

ツーリズムEXPOジャパン

国内外から119件の応募

公益社団法人日本観光振興協会、一般社団法人日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)は、2024年9月26日(木)から9月29日(日)の4日間、東京ビッグサイトで開催する「ツーリズムEXPOジャパン2024」の開催に先立ち第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」(審査委員長:本保芳明 国連世界観光機関(UN Tourism)駐日事務所代表)の各賞を決定しました。
 
            

【国土交通大臣賞】は、愛知県の取組「愛知県『休み方改革』プロジェクト」が、【経済産業大臣賞】は株式会社ナビタイムジャパンの取組「訪日外国人向け観光ナビゲーションサービス『Japan Travel by NAVITIME』(インバウンド)」が受賞しました。
そのほか、観光庁長官賞は3団体、実行委員長賞は1団体、UNTourism特別賞は2団体、審査員特別賞は16団体、学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワードは1団体が受賞し、入賞取組として13団体が選ばれました。
※各受賞取組の詳細は2ページ以降に記載

今回の応募件数は119件(国内・訪日領域105件、海外領域14件)で、国内外から数多くの優れた取組の応募がありました。受賞した取組は、持続可能な観光産業の目線に加えて、「観光」の力により、地域産業の維持・発展に貢献している取組が多く見られました。
 
表彰式は2024年9月26日(木)東京ビッグサイトにて開催する「ツーリズムEXPOジャパン2024」 の開会式に続いて執り行います。

◆ 第8回「ジャパン・ツーリズム・アワード」 審査結果
1.  応募団体数 
    国内・訪日領域 105件(31件)  海外領域 14件(6件)
    ※( )内は最終審査に進んだ取組件数

2.  選考結果
     最終選考会:2024年8月6日(火)14:00~16:30   ※審査委員は後掲の通りです。

【国土交通大臣賞】
団体名:愛知県(国内・訪日領域)
取組名:愛知県「休み方改革」プロジェクト

 
    

<選考ポイント>
観光需要の平準化を進める上で、県が主導して休暇改革を打ち出した点を高く評価した。
まさに観光界が期待する取組であり、他の都道府県でも同様の施策を始めているがその先駆者となっている。学ぶ+休暇=「ラーケーション」という概念を作り出し、経済界・労働界・教育界が一体となって改革に取り組んでいる点が素晴らしい。

<受賞者コメント>
「愛知県『休み方改革』プロジェクト」を「国土交通大臣賞」に選定いただき、大変光栄に思います。
「休み方改革」は、日本の休暇取得のあり方の見直しを通じて、ワーク・ライフ・バランスの充実と生産性向上による日本経済の活性化の実現を目指すもので、2023年度からプロジェクトを始動し、今年度で2年目となります。
この取組を広げていくための活動は、全国知事会においても行っているところでありますが、行政だけでは成し得ません。観光業界の皆様とも力を合わせ、休み方改革を共に推進いただくよう、お願いします。

【経済産業大臣賞】
団体名:株式会社ナビタイムジャパン(国内・訪日領域)
取組名:訪日外国人向け観光ナビゲーションサービス
           「Japan Travel by NAVITIME」(インバウンド)

 
    

<選考ポイント>
日本特有の交通事情を考慮した情報や、旅のすべての要素をシームレスにつなぐサービスは、旅行プランのみならず、データも取得でき、広域観光にも大きく寄与している点が素晴らしい。2013年よりサービスを提供し、チケット予約など13言語に対応するなどアップデートを重ね、一つのアプリで完結する事からデータ活用による更なる展開可能性が期待できる点も高く評価した。

<受賞者コメント>
このような名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。ナビタイムジャパンでは、創業以来、経路探索の技術ですべての人々の安心・安全な移動支援に取り組んでいます。『Japan Travel by NAVITIME』は、訪日外国人旅行者の移動課題を解決し、日本の魅力を楽しんでいただきたい思いから提供を開始しました。また、そこから得られたデータを解析し、地域の観光資源の発掘や観光施策にも活用いただいています。今回の受賞を励みとして、今後も、旅行者が快適に楽しめるよう価値提供を続け、観光産業の持続的成長に貢献してまいります。

【観光庁長官賞】(国内・訪日領域2団体 海外領域1団体)
団体名:一般社団法人 越前市観光協会(国内・訪日領域)
取組名:伝統産業の未来を切り拓く 産地事業者と協働した『トップ層』誘客への挑戦

<選考ポイント>
出荷額の減少や職人の高齢化及び後継者問題等を抱える中、地方自治体が認知度と経済効果向上を目的として入込数・観光客・観光消費額のみならず、価値への共感・トップ層・産業消費額を重視する戦略を産業政策ではなく観光政策において公に掲げている点で独自性が強い点を評価した。地域の課題を的確に捉え、地域側に無理がない形で受入体制を取っている点も素晴らしい。

団体名:扉ホールディングス株式会社(国内・訪日領域)
取組名:古民家再生で持続可能な観光地域づくりへ!地域共創ウェルネスツーリズム

<選考ポイント>
 地域経済、自然環境、歴史文化 の調和を図りながら、持続可能な観光地モデルの確立を目指している好事例である。観光資源の多様化と地域活性化を図ると共に福祉の推進も目的とし、実績が着実に伸びている点を評価した。

団体名:カタルーニャ観光局(海外領域)
取組名:National Commitment to Responsible Tourism /
            責任ある観光へのカタルーニャ州の取り組み

<選考ポイント>
オーバーツーリズム先進地域として「Climate Action Plan」を策定し、様々な認証制度も導入する事で、地域で大規模に連携している。世界に先駆けて脱炭素やごみの削減、生物多様性への取組を付加価値に繋げ、一つのモデルとしていることを評価した。

【実行委員長賞】
団体名:Saudi Red Sea Authority(海外領域)
取組名:Environmental Protection of Coastal Tourism

<選考ポイント>
国としてオイルから観光へ大胆なシフトを行う中にあってもSDGsをしっかりと意識した素晴らしい取組である。
地域自然の生態系を保護しながら観光振興と誘客を行い、観光の新たな世界基準を目指す点も良い。紅海における沿岸観光環境保護メカニズムの立ち上げと実施に向けたロードマップを提示し具体的に事業を進めている点も高く評価した。


【UNTourism特別賞】(2団体)
団体名:一般社団法人南三陸町観光協会(国内・訪日領域)
取組名:未来を育む学びのツーリズム事業

<選考ポイント>
震災直後から長い期間にわたり、被災地域が主体となり公益事業と収益事業の両輪で、持続できる方法で取組を続けている所を評価した。実際に被災地に訪れて体感することでより深く学ぶことができ、旅行者と共に持続的な観光地域づくりを行ない、震災を風化させず、防災・減災について考える機会を提供している点も素晴らしい。

団体名:一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー(国内・訪日領域)
取組名:エシカルトラベルオキナワ

<選考ポイント>
旅行者数などに重きを置いた誘客施策ではなく「世界から選ばれる持続可能な観光地」を将来像として質の高い観光を求めた施策を展開している点を評価した。沖縄の自然環境・伝統・産業を尊重し、旅行者と県民の相互満足度向上を目指している事や参加事業者が着実に増えている事から今後の発展も期待できる。

【学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード】(1団体)
団体名:九電産業株式会社旅行部(国内・訪日領域)
取組名:エネIKU (in九重/玄海・唐津)~マチまるごとエネルギーパーク~

<選考ポイント>
観光×産業×教育×環境を組み合わせたプログラムは、特定の地域だけでなく、同じような資源を持っていながらも活用方法を見つけられていない地域にとって汎用性が高いと考えられる。
町全体をテーマパークに見立てている部分が、地域の活性化に非常に貢献できている。持続可能な社会を実現させるための方法を考えて実行するだけでなく、子どもたちにも自ら考えてもらうことで、次世代を担う子どもたちの世界観が広がる点も素晴らしい。

【審査員特別賞】(16団体)
団体名:Philippine Department of Tourism(海外領域)
取組名:Love The Philippines Brand Campaign

<選考ポイント>
観光資源、歴史、史跡、豊かな文化、多様性を認識し、ステークホルダーの支援とサポートを得て持続可能な取り組みとなっている点を評価した。また、魅力をPRするアイコンの下でインフルエンサーが美しい海の情報発信などを行っており、今後の広がりも期待できる。

団体名:九電産業株式会社旅行部(国内・訪日領域)
取組名:エネIKU (in九重/玄海・唐津)~マチまるごとエネルギーパーク~

<選考ポイント>
町全体をエネルギー体験型テーマパークに見立て、環境問題だけでなく持続可能な社会の実現に向けて、地域活性化やSDGsなど取組などを、生活に密接に関わっているエネルギーの分野において「楽しみながら学ぶ」ことにより、将来を担う子供たちの世界観がより一層広がる点を評価した。今後の横展開や、更なる特別な体験コンテンツ開発など持続的に取り組んでいる点も素晴らしい。

団体名:一般社団法人そらの郷(国内・訪日領域)
取組名:世界農業遺産をはじめとする農山村資源を活用した「住んでよし訪れてよしの観光地域づくり」

<選考ポイント>
地元の高校生が作成した観光プランを実際に実行し、教育旅行やインバウンドを積極的に受け入れる事で、子供たちや外国人にも地域に興味を持たせることに繋がっている。地域一体となって、観光客を増やす事で地域の維持・再生を図る事に取り組んでおり、効果も上がっている点を評価した。

団体名:SHINRA / 知床自然ガイドツアー株式会社(国内・訪日領域)
取組名:流氷ウォークⓇ×地球の神秘を体感できるサステナブルツーリズム

<選考ポイント>
世界で唯一「流氷の上を歩く」というそこでしか体感できない観光を観光客に分かりやすく打ち出し、地域観光産業から地球規模の環境問題やSDGsまで考えられる素晴らしい取り組み。冬季間の新しい観光が生れることで年間を通して地域経済に貢献でき実績も増加している点も評価した。

団体名:株式会社エイチ・アイ・エススタディツアーデスク(国内・訪日領域)
取組名:HIS×unisteps わたしたちと服の関係性を見つめ直すスタディツアー

<選考ポイント>
持続可能な社会について考える上で身近な生活必需品である「衣服」に着目し、生産過程や手放された衣服の行き着く先などを見学できるツアーを実施し、実体験してもらう事で自らの生活や消費について考え、サステナブルな選択への一歩を踏み出すきっかけになる点を評価した。

団体名:和歌山県北山村(国内・訪日領域)
取組名:筏流し文化の継承と観光産業への転換~小さな村の観光筏下り事業~

<選考ポイント>
日本一といわれる筏師の伝統技術を観光コンテンツとして活かす事で、雇用と技術の継承・育成につなげようというアイデアは興味深い。海外からも伝統文化の歴史を感じられるアクティビティとして高く評価されている点も素晴らしい。

団体名:有限会社丸徳水産(国内・訪日領域)
取組名:海を遊びながら、学んで、記憶するツアー「海遊記」

<選考ポイント>
「獲る漁業」から「見せる漁業」へというキャッチフレーズは多様化のわくわく感が印象付けられ、島の生き残り策としても有効な点を評価した。漁業の現在・過去・未来や海の問題だけでなく、環境問題や地域のことも楽しみながら知ってもらえることができる点が素晴らしい。

団体名:株式会社JTB 霞が関事業部(国内・訪日領域)
取組名:地域向け生産性向上ソリューション「宿泊データ分析システム」の全国提供 
    ~地域と規模を問わない宿泊・人流・消費データの活用環境の提供による、
     EBPMと観光DXの推進~

<選考ポイント>
行政、DMO、観光事業者等の面的取組といった観光DX化の課題に取り組んでいる好事例。宿泊施設等が保有している観光客データを自動連携収集し、簡単に各施設・各地域の宿泊者数推移や国籍別消費額等、観光客の傾向を可視化し、属性別分析を可能とした点が素晴らしい。

団体名:一般社団法人SOE(国内・訪日領域)
取組名:越前鯖江地域における、産業観光イベントRENEWを通じた
    ものづくり・まちづくり・ひとづくりの取組み

<選考ポイント>
イベントの開催による地域活性化だけでなく、受入体制整備(作り手・伝え手の確保)や通年型産業観光・宿泊事業など、地域と連携しながらまちづくりを一体的に手がけるなど、組織づくりやインバウンドへのアプローチなども含め、包括的な地に足の着いた取組みであり、効果がすでに見られている所を評価した。

団体名:ホンダモビリティランド株式会社(国内・訪日領域)
取組名:魅力的な地方観光資源を掘り起こしスポーツツーリズムを世界に 
    「F1日本グランプリ地域観光パッケージ」

<選考ポイント>
スポーツツーリズムの好事例である。鈴鹿サーキットやF1というキラーコンテンツで集まる訪日外国人を県内の観光地に誘導することで、地域産業に貢献するとともに観光客の分散化を図り実績を上げている点を評価した。この取組を参考事例として、訪日観光客向けにサッカー、野球、バスケットなどのプロスポーツが地方観光のキーコンテンツに発展していくことを期待したい。

団体名:株式会社D2C X(国内・訪日領域)
取組名:伝統工芸品の海外向けクラウドファンディングを起点とした持続可能な産業観光プロジェクト

<選考ポイント>
後継者問題などの懸念点がある伝統工芸を日本の文化に興味を持ってくれている国外の方からの支援により市場の拡大、海外から日本文化の逆流入のような形で日本の伝統文化の再発見や存続につなげている好事例として評価した。

団体名:帰る旅研究会(国内・訪日領域)
取組名:ただいま・おかえりで始まる 何度も、ある地域へ、ある場所へ通う旅「帰る旅」プロジェクト

<選考ポイント>
観光客と移住定住の中間の取り組みにより関係人口を創出するという切り口が革新的である。従来型観光旅行では得られない地域への愛着を生み、関係人口から移住・2拠点居住の予備軍の獲得を目指し、居心地の良い空間として認識される様々な取組を行っている点を評価した。

団体名:神戸フィルムオフィス(国内・訪日領域)
取組名:産業遺産群を利活用した撮影誘致と、ヘリテージツーリズム/ロケ地ツアーの実施について

<選考ポイント>
単なる古い構造物にしか見えない為、一般の認知度が低く、地元住民からも価値を十分に理解されていない産業遺産群を映画やドラマの映像作品の中で甦らせることで、文化や魅力・地域の歴史を再発見してもらい、地域の新しい観光資源として蘇らせ、実績を上げている事を評価した。

団体名:NPO法人カラフルチェンジラボ(国内・訪日領域)
取組名:ダイバーシティ先進都市視察・体感ツアーinシドニー

<選考ポイント>
「皆んなが笑顔になれる社会」を目指し活動して、毎年ツアーを実施していることが素晴らしい。
DEI、ダイバーシティの推進を進めるためにも、多様化の時代に合わせたツアーの企画・造成が広がっていくことを期待し、モデルとなって牽引してほしい。

団体名:仙北市役所(国内・訪日領域)
取組名:~農山村地域に外国人がおしよせる~ 
    市内に旅行会社を設立 農家の母さんが旅行業務取扱主任者に

<選考ポイント>
類似の事例が多い中で、自治体と農家が一体となり冬場の農閑期に海外からの団体を誘致する等、着実に実績を上げ、地域経済の活性化に寄与している点を評価した。

団体名:昭和女子大学 どさいぐ?鶴岡プロジェクト(国内・訪日領域)
取組名:どさいぐ?鶴岡ツアー~留学生と鶴岡市の高校生が生み出す魅力再発見の旅~

<選考ポイント>
高校生による留学生向けガイドツアーを実施し、相互交流を図る事で、英語スキルの実践的機会が提供され国際的な視野の拡がりが期待できる一方、留学生が帰国してからの地域の正しい情報の拡散が期待できる点が良い。取組を継続し、観光交通手段の選択肢を広げる等、さらなる活性化と認知度の向上に貢献している点を評価した。


【入賞】(国内・訪日領域18団体 海外領域2団体)


【ジャパン・ツーリズム・アワード審査委員】(50音順・敬称略)

 

【学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード 学生審査員】(大学名50音順・敬称略)








 

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