産業用無人ヘリ活用の森林計測技術で京都・松尾大社の文化財調査に協力

ヤマハ発動機株式会社

3D映像を京都文化博物館「松尾大社展」(4月27日~6月23日)で展示


 ヤマハ発動機株式会社はこのたび、京都の松尾大社(まつのおたいしゃ)において、当社の森林計測サービス「RINTO」の技術を生かした文化財調査に協力しました。古くから信仰を集めてきた松尾山の森林を対象とし、地形や、現在は一般参拝者が立ち入れない参道などをレーザ計測し、データを3D化することで、多くの人が信仰の歴史に触れられる機会を創出する取り組みです。作成した3D映像は京都文化博物館で4月27日から開催される特別展「松尾大社展 みやこの西の守護神」で展示されます。

 京都市西京区に位置する松尾大社は、飛鳥時代から社殿が存在し、京都最古といわれる神社の一つ。ご祭神は京都の守り神として地元住民に大切にされるだけでなく、お酒の神様として全国の酒造関係者の信仰も集めています。その信仰は社殿よりさらに古く、この地方の人々が松尾山の中腹にある巨岩「磐座(いわくら)」に山霊をまつり、生活の守護神としたのが始まりとされています。現在、ご祭神は山のふもとにある松尾大社にまつられていますが、信仰の始まりの場所である磐座は今も大切にされています。しかし、2018年の大型台風の影響で参道に多数の倒木などが発生し、現在、一般参拝客が磐座を見ることはできなくなっています。

 このたび、京都文化博物館での松尾大社の特別展開催にあたり、社殿や境内、磐座を含めた松尾山の一部を3D化して展示する企画が持ち上がりました。そこで当社が、これまで主に山林の状況調査に活用していた森林計測の技術で協力することになりました。
 

 4月17、18日の両日、当社製産業用無人ヘリを用いて松尾山の14haを計測しました。膨大なレーザを照射することにより、木々だけでなく参道跡や地形を含めて立体的に浮かび上がらせ、多くの人の信仰を集めてきた山の情報を明らかにします。
 調査は京都文化博物館、松尾大社、ソフトウェア開発企業「株式会社エリジオン」(浜松市)の協力で行われ、社殿や境内の計測・3D化を担ったエリジオン社が、当社の森林計測データも統合して展示映像を作成しました。
 

 松尾大社の権禰宜(広報担当)、岩田康彦さんは「松尾山は枕草子にも登場する、京都の人々にとって大切な山。(今回の調査や展示を通して)この山を多くの人に身近に感じていただく機会になれば」と話していました。

 ヤマハ発動機は、林業のスマート化や業務精度・効率の向上が求められる中、UAV(無人航空機)を使ったレーザ計測サービス「RINTO」を展開しています。自動航行機能など高い航続性能を備える自社製の産業用無人ヘリコプターに高解像度 LiDAR を搭載。上空より毎秒75万発のレーザを照射することで、高密度・高精度な点群データを計測・解析し、「森林のデジタルデータ化」に貢献しています。

■京都文化博物館 特別展「松尾大社展 みやこの西の守護神」
開催時期:2024年4月27日~6月23日 10時~18時(金曜日は19時半まで)
     ※最終入場はそれぞれ30分前まで
休館日:月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、5月7日
場所:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)
主催:京都府、京都文化博物館、松尾大社、朝日新聞社
入場料:一般1,600円、大高生1,000円、中小生500円(前売り券は別価格)
特別展ウェブサイト:https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20240427-0623/
 

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