同志社大学とTOYO TIREが包括的連携協定を締結
同志社大学は、VISION2025にて「創造と共同による研究力の向上」を掲げ、研究活動の学術的な成果を積極的に情報発信し、知的財産の技術移転や新技術及び新産業の創出を通じて社会に貢献することをめざしています。また、これまで「個」対「個」が主であった共同研究を「組織」対「組織」の協働研究へと展開することで、企業のリソースを活用しながら、研究成果の社会還元を推進することに取り組んでいます。
TOYO TIREは、自動車用タイヤ、自動車用ゴム部品を事業経営の中核に据え、広く自動車産業の進歩発展とより豊かなモビリティ社会の実現に向け、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいます。付加価値の高い素材や製品の開発はもとより、使用段階での快適性や安全性、環境負荷の低減を追求するとともに、経済的・社会的・環境的価値の創出を支えるための人財基盤の充実にも注力しています。
本協定に基づき、同志社大学並びにTOYO TIREは、双方が持つ固有の付加価値の高いリソースを相互に提供、融通し合うことにより、社会に貢献できる人物の育成、有益な技術の具現化推進によって、より豊かな社会の実現を進めてまいります。
両者は今後、主軸となる4つの取り組みを「同志社大学-TOYO TIRE連携プロジェクト」と総称し、これに取り組んでまいります。なお、協定期間(2024年4月から5年間)において、本プロジェクトを推進していく資金として、TOYO TIREより1億円規模の拠出を予定しています。
【1】新たな共同研究の創出と実施
同志社大学は、化学、機械、材料、電気電子、データサイエンスなどの多岐にわたる専門領域において最先端の研究リソースを保有しています。TOYO TIREは、計測・可視化技術(摩擦・摩耗,振動騒音,運動性能)、次世代タイヤ技術(エアレスタイヤ)、先端材料開発技術(サステナブル素材研究)、データサイエンス(タイヤ・センシングソリューション)など、次代のモビリティ社会を見据えた技術開発、研究開発に取り組んでいます。
同志社大学とTOYO TIREは、異なる個々の研究テーマに対して複層的な共同研究を進め、産学の相互発展につながる強固な関係を築き、タイヤに応用できる技術の社会実装を加速させていきます。
【2】技術相談対応を含めた同志社大学からTOYO TIREへの学術指導
上述【1】(両者にて創出、実施していく共同研究)のほか、同志社大学が保有する豊富なアカデミアのリソースに対し、TOYO TIREより自社の専門外分野へ弾力的にアクセスできる環境を整えます。学術相談に対して、同志社大学より専門性の高い多彩な知見がタイムリーに提供されることにより、TOYO TIREは複合的かつ多面的に課題解決を図り、研究期間短縮と最終的な技術の具現化を進めていきます。
【3】同志社大学における各種制度を活用した同志社大学在学生、TOYO TIRE社員に対する教育
同志社大学は、研究科での専門的な知識の涵養に加え、汎用性と応用力を備えた基礎能力、高度なリテラシーを身につけるための大学院共通教育プログラム「GRM(Global Resource Management)*1コース」、AIやデータサイエンスの技術や知識を活用してイノベーションを生み出す人材を育成する「Comm 5.0-AI・データサイエンス副専攻プログラム」*2、技術を経営に生かし、企業のイノベーションを促進する優れた人材の養成を志向する「MOT(Management of Technology)*3」といった研究科横断的な特長ある独自の教育プログラムを在学生向けに設置しています。
TOYO TIREは、同志社大学よりこれらの学習機会の提供を受け、リカレント教育の場として将来人材の育成に積極活用します。同志社大学は、大学院生が企業人と共に学びを深めることで、大学院生のキャリアプランの策定や多角的な視野をもった人物の育成に活用します。両者の知見を持ち寄り、産学連携で企業エンジニアの育成に取り組みます。
【4】キャリア形成支援
TOYO TIREは、同志社大学キャリアセンターと連携し、同学の学生向けに実業の立場からキャリア支援を行ないます。インターンシップや各種セミナー等のキャリア支援プログラムの開催、OB/OGを含むTOYO TIRE社員との交流などを通じて、学生と社会との接続機会を積極的に創出し、主体的に将来を選択する能力の育成や就業意識の形成に寄与します。
*1) GRM(Global Resource Management) https://grm.doshisha.ac.jp/
ひとつの領域にとどまらない知識やスキル、複眼的な視野を身に付けることを目的とした分野・領域横断型の大学院共通教育プログラム。「アドバンスト・リベラルアーツ科目群」の1コースとして2023年度から実施されている。
*2) Comm 5.0-AI・データサイエンス https://comm.doshisha.ac.jp/
ヒトとモノの共生を実現し安心と安全を与える持続可能な共同体(Community)とそれを支えるつながり(Communication)をAI・データサイエンスの知識と技術を駆使して構築できる人物を養成するためのプログラム
*3)MOT(Management of Technology) https://se.doshisha.ac.jp/se/feature/mot.html
ビジネス研究科と理工学研究科が連携して展開する、技術を経営に生かし企業のイノベーションを促進する優れた人材を養成するために開設された高度で実践的な教育研究を行なう技術経営コース