神奈川県の小中高校生が環境問題を解決!?環境アイデアコンテストを初開催!
環境アイデアコンテストを初開催!
独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)は、神奈川県内の小中高生16名による環境課題を解決するためのアイデアコンテストを1月5日にJICA横浜で初開催しました。
このコンテストは、日本の子どもたちが世界の環境問題改善のアイデアや取り組みを自ら考え、開発途上国の環境課題解決や生活改善を行うことを目的として2023年に開始した「JICA環境KIDSエキスパート事業」の取り組みの一環として行われました。子供たちが持つ創造力、発信力、共感力を伸ばし、それを国際協力の世界に活用していくことが出来るのではないか。そんな想いから事業に取り組んでいます。
JICA横浜教師海外研修OB/OG会「Asante!」の協力のもと集まった16名の小中高生は、2023年9月以来、全3回のワークショップを通してドミニカ共和国でのサルガッサム問題(※海藻の異常発生/漂着問題、詳細は下記参照)やごみ問題について学んできました。今回のアイデアコンテストはその集大成です。子どもたちがディスカッションし真剣に考えた問題解決、改善のアイデアには、柔軟で斬新な発想によるものや、大人が思いつかないような提案もあり、審査も難航しましたが、創造性、実現性、内心力、プレゼンテーションの観点で秀逸なアイデアを出した4名が優秀賞を受賞しました。
※サルガッサム問題:サルガッサムという海藻の異常発生/漂着により、カリブ海沿いの国で観光や漁業に影響が出ている問題。河川からの栄養豊富な水の流出や、温暖化に伴う海水温の上昇が原因ではと言われているが、正確なことは分かっていない。ホンダワラ科の海藻で、ヒジキの仲間とされ、気泡を有しており、浮いたまま繁殖する。魚やウミガメ、カニやエビが産卵したり、棲み処にしたりする。
受賞者とアイデアは以下のとおりです。
府川佳太さん(小5):
サルガッサムをアート作品に加工し、収益をサルガッサム回収費用に充てる
大杉侑羽さん(中1):
廃棄物問題を身近に考えられるイベントや廃棄物埋立地見学ツアーの企画
村上貴亮さん(中2):
産業廃棄物処理改善に向けて企業と協働でデジタル技術も活用したごみのポイント制度
渡邊太樹さん(中2):
サルガッサムを肥料やバイオマス燃料にして第二次産業の活性化やエネルギー問題解決につなげる
審査員は、AnBee株式会社代表取締役であり俳優の和泉崇司氏、横浜市立飯田北いちょう小学校通訳・外国語指導員ファン・ティ・タン・ジム氏、JICAドミニカ共和国所長坂口幸太が務めました。
Asante! の代表でもある横浜市立飯田北いちょう小学校の井上文裕副校長は、環境KIDSエキスパート事業に携わる中で、本事業に対し次のように語りました。
「国際協力を教育の中心に据え、ワークショップやアイデアコンテストの実施を通して、将来国際協力の舞台で活躍できる子どもたちを育てていきたい。次世代の国際協力に向けては、子供たちが憧れるようなキラキラした感覚がとても重要だと思います。その中で、俳優であり起業家、防災士でもある国際経験豊かな和泉さんに本事業に参加いただくことで、Entertainmentの力を取り込み、新たな価値を生み出せていることを実感している。」
本企画では、2024年3月にもJICA研修に参加する開発途上国の専門家・リーダーに向けた環境ソリューションの発表会を開催予定です。2024年度は対象地域や実施規模を広げ、横浜のみならず、中部地方、中国地方など3~4の地域が連動・連携する形で、子どもたちによる環境イノベーションに向けた活動を更にスケールアップした形で実施する予定です。環境リーダーの育成をするとともに、開発途上国での課題解決や生活改善に新たな発想が生まれることが期待されます。