サウンド領域の開発加速と付加価値創造に向けて、DSP Concepts社と協力体制構築
高品質・短期開発の両立により、先行開発や要素技術のIP化にリソース集中、事業拡大へ
アルプスアルパイン株式会社(TOKYO:6770、代表取締役社長:泉英男、本社:東京都大田区、以下「アルプスアルパイン」)は、DSP Concepts社(最高経営責任者:チン・ベックマン、本社:カリフォルニア州サンタクララ、以下「DSP Concepts」)と2023年7月31日、サウンド領域における高品質・短期サイクル開発の両立により、顧客へ卓越したサウンド技術をスピーディーに提供することを目的として協力体制を構築しました。これによってアルプスアルパインは、DSP Conceptsのオーディオ・システム開発プラットフォーム「Audio Weaver」を活用して、音をデジタルデータに変換するオーディオ信号処理ソフトウエアの開発工数を4割強※1削減し、次世代サウンド製品の市場投入までの期間を短縮するとともに、製品の機能革新を実現します。また、工数削減によって生まれたリソースを先行開発に集中することで、従来の自動車の枠を超えた感動を生み出すデジタルキャビンソリューションの強化や、要素技術のIP(アルゴリズムのライセンス)化による差別化、XR(クロスリアリティ)領域も視野に入れたさらなる製品拡充、ひいてはビジネス拡大へと繋げていきます。
■背景と目的
アルプスアルパインは、「「移動」を、「感動」へ。 Emotion in Mobility」というビジョンのもと、音による「楽しさ」や「安心・安全」を提供する車載音響のスペシャリストとして、国内外のさまざまな自動車メーカーに製品を供給しています。現在、CASEへの対応や、次世代自動車の新たな付加価値創造が求められる中、車載サウンド領域においてもこれまで以上に製品・技術開発の複雑化、高度化が加速しています。中でも音をデジタルデータに変換するオーディオ信号処理ソフトウエアの開発において、アルプスアルパインは製品ごとに異なる開発プラットフォームを使用しており、その組み合わせごとに標準モジュールの検証、追加開発、独自IPモジュール開発、品質保証テスト等が発生するため、開発工数が嵩んでしまうという課題がありました。
シリコンバレーを拠点とするDSP Conceptsは、革新的な開発アプローチを実現するオーディオ開発プラットフォーム「Audio Weaver」を提供する、組込みオーディオ技術のリーディングカンパニーです。業界のデファクトスタンダードとなりつつあるソフトウエアプラットフォーム「Audio Weaver」は、独自のフレームワークによってコード入力の工程を削減し、ターゲット・デバイスと接続することで幅広いプロセッサやハードウエアに最適化されたオーディオ処理ソフトウエアを短期間で開発することができます。
また、「Audio Weaver」は国内外の車載オーディオ開発現場で広く利用されており、高品質なソフトウエアを多数流用・活用できます。アルプスアルパインは、DSP Conceptsの開発した550種類以上のソフトウエアモジュールを活用することで、オーディオ信号処理ソフトウエアの開発工数を4割強※1削減予定です。アルプスアルパインの顧客である自動車メーカーにとっても扱い慣れたインターフェースであるため、顧客とともに試作開発しながら組み込む機能について議論したり、音のチューニングをしたりする協業もよりスムーズになります。これらの合理化によって生まれる多くの人的・時間的リソースを活かして、要素技術開発の加速、さらなる機能革新、将来的には「Audio Weaver」上で作動する独自IP(アルゴリズムのライセンス)の外販を目指す等、イノベーションを起こしていきます。
■今後について
DSP Conceptsについて
https://w.dspconcepts.com/
DSP Conceptsは、最先端の組込みオーディオ処理ソリューションで知られるパイオニア企業です。高いロバスト性と柔軟性を両立させたオーディオソフトウエアの提供を主眼としており、自動車、家電、IoTデバイスなど、幅広い業界におけるオーディオシステムの設計、最適化、および展開方法に革新を起こしました。DSP Conceptsの技術は、毎年何百万もの有名な製品の進化を支えています。
※1 Audio Weaverで処理する信号処理ソフトウエアの量産開発を対象とし、当社にて一定の条件を設定した上で算出した数値