IAAモビリティ2023:ボッシュ、ソフトウェア・ディファインド・ビークル向けのソリューションとテクノロジーで成長
車載コンピューターの売上高、数十億ユーロに達する見込み
- ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長シュテファン・ハルトゥング:「ボッシュはソフトウェアとハードウェアに精通しており、ソフトウェア・ディファインド・ビークルを実現するために新技術を駆使しています」
- 車載コンピューター:ボッシュの売上高は2020年代半ばまでに数十億ユーロに達すると予測
- 業績状況:モビリティ事業セクターの売上高は2023年に10%堅実に成長する見込み
- ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー兼ボッシュ モビリティ会長 マルクス・ハイン:「ソフトウェアは利便性と持続可能性をさらに高めるためのカギである」
- eモビリティ:ボッシュは2026年の売上高目標である60億ユーロの達成に向けて順調に推移
モビリティ事業セクターの売上高は、為替調整後で、2023年に10%堅実に成長すると見込まれています。この成長には価格効果だけではなく、販売量の大幅な増加も含まれます。「ボッシュはソフトウェアに精通しており、それを用いて未来のモビリティを形成しようとしています。私たちのテクノロジーは、ソフトウェア・ディファインド・ビークルの実現ならびに実用化する手助けをします」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長シュテファン・ハルトゥングはミュンヘンで開催されたIAAモビリティ2023で語りました。
「ソフトウェアが定義する未来のモビリティでは、ハードウェアだけでなく、異なるソフトウェアの相互作用も重要になります」とハルトゥングは続けます。ボッシュはこれまで以上に、モビリティ分野のソフトウェア企業としてのポジションを確立すると同時に、ハードウェアの専門知識をさらに深めています。この一環として、ボッシュは2024年1月1日付で、モビリティ事業セクターを再編します。これにより、事業部をまたいだ協働が強化されます。ボッシュはモビリティ事業だけで、自動車業界のどの企業よりも多い38,000人のソフトウェア開発者を雇用しています。
モビリティをより安全で持続可能なものにするボッシュのソフトウェア
ソフトウェア・ディファインド・ビークルには、ITとエレクトロニクスを一元化した新しいアーキテクチャが必要です。ボッシュはこのアーキテクチャを開発している数少ない企業のひとつであり、車載エレクトロニクスとクラウド間の相互作用を制御する方法を熟知しています。ボッシュは、ハードウェアに依存せず、さまざまなメーカー製のチップで動作するソフトウェアを提供しています。その成果のひとつが、運転支援および自動運転システム向けの特別なミドルウェアで、ソフトウェアとハードウェアの分離にも役立ちます。ソフトウェアが設計・開発の起点となっている車は、パーソナライズ化された、デジタルな運転体験をドライバーに提供することが可能です。運転支援などの分野における新機能は、ソフトウェアのアップデートによってOTAで車両に追加することができます。「私たちはスマートデバイスの絶え間ないアップデートに慣れています。車両も、外観の変更やモデルチェンジに関係なく、いつでも新しい機能を取り入れられるようにするべきです。ボッシュの車載ソフトウェア向けソリューションにより、車はより多くのことができるようになるでしょう。なぜならソフトウェアは利便性と持続可能性をさらに高めるためのカギであるからです」と、ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー兼ボッシュ モビリティ会長のマルクス・ハインは述べています。たとえば電気自動車では、ソフトウェアがエネルギーおよびサーマルマネジメントを統合し、バッテリーの充電時間を最大20%短縮します。
ボッシュのeモビリティ事業は、2026年の売上高目標である60億ユーロの達成に向け、好調に推移しています。ボッシュは昨年1年間で、電気自動車向けコンポーネントの生産を約50%増加させました。2023年にはモーターの生産だけで2倍になる見込みです。ボッシュのソフトウェアはより幅広いeモビリティ産業においても重要な役割を果たします。その一例が自動バッテリー・リサイクル・システムです。ソフトウェアはバッテリーの製造元と状態を特定できるだけでなく、ユーザーに作業手順を案内することで、バッテリーパックを迅速かつ安全に分解することも可能にします。
ハードウェアに依存しない新しい制御コンセプト
ハードウェアとソフトウェアは分離されつつありますが、両者は相互に有益な関係にあります。特に次世代の横滑り防止装置ESCのような最新の事故を未然に防ぐシステムでは顕著です。ここでの重要な技術革新は、新しい制御コンセプトであるビークルダイナミクスコントロール2.0です。このソフトウェアは、ブレーキシステムだけでなく、電動パワートレインや電動ステアリングシステムにも介入することができます。これにより、カウンターステアが減少、また停止距離が短縮されるため、ドライバーの安全性が向上します。自動車メーカーにとっての大きなメリットは、この新しい制御システムであるビークルダイナミクスコントロール2.0を中央車載コンピューターまたはESCのコントロールユニットに組み込むことができ、将来的に個別のソフトウェア・パッケージとして利用できるようになることです。これは、ブレーキ、ステアリング、パワートレイン、およびシャシーを統合制御することで、ビークルモーションのあらゆる側面を調整するソフトウェアソリューションであるビークルモーションマネジメントの一部になります。
バリューチェーン全体にわたるボッシュの産業機器テクノロジー
ボッシュのソフトウェアは、運転だけではなく自動車の製造方法にも影響をもたらします。たとえば、追跡ソリューションの活用により自動車のサプライチェーンを確実なものとします。このソリューションは、輸送用ボックスの位置と状態をリアルタイムで記録することで、透明性と安全性を確保した追跡を実現します。インダストリー4.0ソフトウェアのNexeedは、バッテリーセル工場のスクラップ率を現在の10%~15%から大幅に削減するのに役立ちます。さらにボッシュは、AIを活用して自動車生産における異常やエラーを早期に検出し、製造コストを削減することも可能です。ボッシュはすでに50の自社工場でこうしたAIソフトウェアを使用しており、トルコのブルサ拠点では、ソフトウェア効果により、かなりの製造コストを削減しています。
IAAカンファレンス- ボッシュのエキスパートとのパネルディスカッション:
【日時】9月6日(水)10:00~10:15(CEST)、メインステージ
・基調講演「Life in motion – Why sustainable mobility is about more than just technology」
・ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長シュテファン・ハルトゥング
【日時】9月7日(木)11:15~11:30(CEST)、メインステージ
・基調講演「Paving the way to centralized architectures & software-defined vehicles」
・ボッシュ モビリティ セクターボード テクノロジー担当マティアス・ピリン
【日時】9月7日(木)15:00~15:45(CEST)、イエローステージ:
・データおよび次のレベルのユーザーエクスペリエンスに関するセッション:「Software-defined mobility enabling a completely new vehicle motion experience」
・ETAS GmbH取締役会メンバー兼セールス担当副社長執行役員Mariella Minutolo、ロバート・ボッシュGmbHシャシーシステムコントロール事業部取締役会メンバー兼エンジニアリング&ブレーキシステム事業担当副社長執行役員Stephan Stass
IAAエクスペリエンスでのボッシュ:
ミュンヘンの市街地にあるIAAオープンスペースにて、IAAエクスペリエンスが開催されます。
・2023年9月5日(火)~9日(土)10:00~20:00(CEST)
・2023年9月10日(日)17:00(CEST)まで
- IAA期間中、ミュンヘンのEnglischer Garten公園にあるサイクリングテストトラックにて、新しいPerformance Line SXやその他のBosch eBike Systems製品の試乗が可能です。さらに、 オデオン広場のオープンスペースでは、ボッシュのeBike製品のエキスパートが質問にお答えします。
- 「Gaia-X 4 Future Mobility」プロジェクトの一環としてボッシュが率いるプロジェクト「moveID」が、2台の電気自動車でライブデモを実施します。またmoveIDは、一般データ保護規則に準拠しながらユーザーが任意の場所で匿名で駐車して充電することを可能にするMOBIXアプリについて初めて説明します。さらに、分散型テクノロジーの利用によって生み出される新たなモビリティサービスとビジネス機会についても紹介します。
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