【ニュースレター】伝統の活動を牽引する 韓国出身若手ボート設計者
伝統をつなぎ、若手メンバーで再発進!
「もし、やらせてもらえるなら、この伝統ある活動を私に引き継がせてください。精一杯チャレンジします!」
写真は、プレジャーボートの若手設計者、韓国出身のチョン・ジェフンさん(当社艇体開発部 設計グループ)。ソーラーボートレースに取り組む社内有志チーム“マンマユート”(イタリア語で「ママ、助けて!」の意)の新リーダーとして、9月17~18日、ボートレース浜名湖(静岡県湖西市)で開かれる大会に向けてラストスパートに入っています。
ソーラーボートは、太陽光エネルギーのみを利用して推進する小型ボート。日本ソーラー・人力ボート協会によって毎年大会が開催され、大学や研究機関、企業等のチームが開発・試作したソーラーボートの技術発表の舞台となっています。当社の有志チームは1989年に開かれた第1回大会から出場を続け、先輩から後輩へ、技術や知見、チャレンジスピリットの継承が行われてきました。
しかし、コロナ禍や前リーダーの海外赴任等が重なって、活動は一時停滞。その存続のピンチに自ら手を挙げ、若手メンバーを募って伝統をつないだのがチョンさんというわけです。
艇体設計者としての「自己啓発」にも
釜山出身のチョンさんが、当社に入社した背景には、じつはこの活動が深く関係しています。
「釜山の大学在学中に、人力ボートでこの大会に出場したことがあります。大会期間中にバーベキューなどをしながらヤマハ発動機チームの皆さんと片言の会話を楽しんでいるうちに、“自由で、楽しそうな会社だなあ”という印象を持ちました」。帰国後、インターネットで当社のことを調べ尽くし、「プレジャーボートの事業の存在を知ったことが、志望に拍車をかけました。大学では造船について学んでいましたので」
入社5年目。現在はフィッシングボートの艇体設計を担当していますが、「まだまだ身につけなくてはならないことだらけ。電子・電気系の知識もその一つで、ソーラーボートの研究会活動は、そのあたりを補う自己啓発にもつながっています」と話します。
明るく行動的なチョンさんは、ボートに関する専門性を軸足に、ソーラーボート以外でも業務外の活動を充実させています。小学生を対象とした「ボートふしぎ発見教室」のボランティアもその一つ。「子どもたちの笑顔を見られるのが本当に嬉しい」と、充実感を滲ませています。
さて、目前に迫った「2023年ソーラー・人力ボート全日本選手権」。「まずはきちんと走り切ること。十分な試走もできないまま本番を迎えてしまいますが、今後につながる成功や失敗の経験を、新たなメンバーみんなで共有できる大会にしたいと思います」と、意気込んでいます。
学生時代に当社の自由闊達な企業風土に触れ、それが入社のきっかけになったと話すチョンさん。入社してからの実感をあらためて尋ねてみると、「職場の皆さんと一緒にボートフィッシングを楽しむなど、とても居心地よく感じます。遊びに使う製品を開発している部署らしく、みんなが楽しそうに働いています」と話してくれました。