ニデックとブラジル大手航空機メーカーEmbraer S.A.(エンブラエル)との合弁会社設立に向けた契約締結のお知らせ
合弁会社は2023年6月19日から6月25日に開催される第54回パリ航空ショーにおいて、空飛ぶクルマと呼ばれる電動垂直離着陸航空機 (以下、”eVTOL”)向けに製品及びサービスを提供し、Urban Air Mobility (以下、“UAM”)市場へ新規参入することを発表します。UAMとは、都市や郊外で乗客や荷物を運ぶ新たな航空システムやサービスを指し、eVTOLはその次世代移動手段の1つとして注目されております。
合弁会社の電機駆動システムの最初の販売先は、Embraerの子会社である Eve Air Mobilityとなります。電機駆動システムは同社のeVTOLに搭載されます。Eve Air Mobilityは、効率的で持続可能な都市型移動手段を提供することでUAM市場の世界的リーダーとなる独立系企業です。
世界No.1 の総合モーターメーカーである当社は、合弁会社にeVTOLの機体を宙に浮かせ、推進するための駆動モータに関する技術やノウハウを提供し、航空ソリューションプロバイダーとして50年以上の歴史を誇るEmbraerはモータの状態を管理し、周辺機器との連携を担う制御技術を提供します。両社の最先端技術を活用することで、合弁会社はeVTOL向けに電機駆動システムの開発、製造、販売を行い、将来は、eVTOLだけではなく、様々な電動航空機に電機駆動システムを提供する予定です。また、合弁会社は、NMC が51%, Embraerが49%の出資比率で構成され、本社は米国ミズーリ州セントルイスに位置し、両社のブラジルやメキシコの既存工場を活用して製造を開始します。合弁会社は直ちに設立手続きを開始し、独禁法等の各国規制取得次第、両社の取締役会の決議を経て操業を開始いたします。
2022年10月に国連の専門機関であるICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)が2050年までのカーボンニュートラル達成の目標を採択するなど、航空業界においても脱炭素の流れが加速しています。当社が創業以来築き上げてきたモータの軽薄短小の技術と世界有数の航空機メーカーであるEmbraerとの協業によって、電動航空機の実用化がより早く実現し、世界のCO2削減に貢献できると考えています。
当社とEmbraerは、これまで技術及びビジネスの両面においてグローバル展開をしてきた長い歴史があり、有望な技術、高い成長性の見込まれる市場を絶えず模索し、企業価値を拡大し続けて参りました。
Embraer President兼CEO, Francisco Gomes Neto氏コメント
「イノベーションは将来の成長の原動力であり、戦略計画の重要な柱です。この度、ニデックと戦略的パートナーシップを組むことにより、航空分野へ新しいソリューションを提供できることを非常に嬉しく思っております。また、航空市場における電機駆動システムの需要は急速に高まっており、ニデックとEmbraerが手を組むことにより、持続可能な航空の未来に向けて、先進的な製品開発を着実に推進できると確信しています。」
Embraer S.A.について
ブラジルに本社を置く世界的な航空機メーカーであるエンブラエルは、商用、ビジネス用、防衛・安全保障や農業の分野で航空事業を展開しています。同社は航空機とシステムの設計、開発、製造、販売及びサービスを提供しています。
同社は 1969 年の設立以来、8,000 機以上の航空機を納入しており、平均すると、エンブラエル製航空機は約 10 秒ごとに世界のどこかで離陸し、年間 1 億 4,500 万人以上の乗客を輸送しています。また、最大 150 席の商用ジェット機の大手メーカーであり、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、アジア、ヨーロッパにわたって、産業部門やオフィス、サービス及び部品分野を主導し、ブラジルにおいて高付加価値商品を提供する主要な輸出業者です。
(今期の業績に与える影響)
本件による当期連結業績への影響は軽微ですが、業績予想に与える影響が生じた場合には、詳細が確定次第、東京証券取引所における有価証券上場規程に基づき適切に公表します。