デジタル一眼レフカメラ「ニコン D4S」を発売
株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)の子会社、株式会社ニコンイメージングジャパン(社長:五代 厚司、東京都港区)は、ニコンFXフォーマットデジタル一眼レフカメラの新たなフラッグシップモデル「ニコン D4S」を発売します。
なお、「D4S」は、2014年1月7日に開発発表を行っています。
「D4S」は、従来機「D4」をベースに、AF(オートフォーカス)性能、画質、ワークフローと操作系、動画など、プロフェッショナルフォトグラファーの厳しい撮影条件下で必要とされる機能を見直すことで、フラッグシップモデルとしての完成度を高めています。
AF性能は、プロフェッショナルの高度なカメラワークを想定し最適化したアルゴリズムを採用。撮影画面内に突然入ってくる被写体を正確に掴むAF初動と、被写体が高速で接近し、フレームいっぱいの構図になっても追従し続ける正確性を高めています。
また、「グループエリアAF」を新たに搭載したほか、AF・AE追従で約11コマ/秒※の高速連続撮影により撮影ワークフローの高速化を実現しました。
※CIPAガイドライン準拠。AFモードがAF-C、露出モードSまたはM、1/250秒以上の高速シャッタースピードで、その他が初期設定のときの値
画質は、新画像処理エンジン「EXPEED 4」、新開発のニコンFXフォーマットCMOSセンサーにより、従来よりも高い鮮鋭感と立体感、自然な肌のトーンを実現しました。常用感度域はISO 100からISO 25600となり、全域でさらにシャープなラインとざらつきの少ない美しい色を実現、オートホワイトバランスの精度も向上しています。
さらに、プロフェッショナルが求める高度なワークフローを考慮し、改良を重ねることで利便性を高めました。連続撮影時の像ブレを抑え、像消失時間を短縮させることによりファインダーの見えを改善したほか、グリップ形状とボタン類のレイアウトを改良するなど、よりスムーズでストレスの少ない操作性とワークフローを実現。有線LAN通信では1000BaseT対応し、撮影後のPCでの編集をスピーディに行える「RAWサイズS」(12bit、非圧縮)も導入しました。
動画では、1920×1080:60p/50pのフレームレートに対応。「EXPEED 4」により、全感度域(ISO 200-25600)でノイズを抑え、なめらかで豊かな階調表現が可能です。また、「1920×1080クロップ」では特に鮮鋭感の高いクリアな映像を実現します。
●発売概要
商品名 ニコンデジタル一眼レフカメラ「D4S」
価格 オープンプライス
発売時期 2014年3月6日予定
予定生産台数 当初月産 約 3千台
●開発の背景
2012年3月に発売したニコンのフラッグシップモデル「D4」は、スポーツや報道、ネイチャーフォトを中心としたプロフェショナルフォトグラファーに写真表現の可能性を広げ、新たな映像表現の可能性を開拓することに貢献しています。
「D4S」は、「D4」を継承する次世代フラッグシップモデルを開発すべく、さまざまな角度から徹底的に調査、分析し、完成度を高めたデジタル一眼レフカメラとして誕生しました。
厳しい環境、多様な被写体、さまざまな光の条件下での撮影を通じて得られた貴重な意見、そして、その背景にある“プロフェッショナルならでは”の要望を具現化し、機能や性能に反映しています。
●「D4S」の主な特長
1. プロフェッショナルのカメラワークに応えるべく進化させたAF性能
・極限の状況でのより確実な捕捉性能、追従性能が進化した高性能AF
プロフェッショナルフォトグラファーからの意見を反映して、高度なカメラワークを想定したシミュレーションを繰り返すことで、厳しい条件の撮影状況で、期待に応えることのできる高精度なAF捕捉、追従性能を実現しました。「アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」をベースに、AFアルゴリズムを高次元で調整したことで、予測がつきにくい動きのある被写体、コントラストの低い被写体でもAFが可能です。そして、捉えた被写体を追い続けるだけでなく、高速で接近、あるいは遠ざかるような動きの激しい被写体に対してもより高いAF追従性能を発揮します。さらに、サッカーやラグビーなど団体スポーツの撮影で、狙った選手の手前を別の選手が一時的に横切るようなシーンでも、ピントを合わせるべき被写体を高精度に判定して正確に追従し続け、撮影意図に叶うピント合わせを実行します。
・多様なフォーカシングに柔軟に対応する5つのAFエリアモード
「D4」で定評を得ている「シングルポイントAF」、「ダイナミックAF(9点、21点、51点)」、「3D-トラッキング」、「オートエリアAF」に加え、新たに「グループエリアAF」を搭載し、高性能AFを強力にサポートします。「グループエリアAF」は、ユーザーが選択したフォーカスポイント1点と、それを囲む上下左右4点を含む5点でグループ(面)を形成してピント合わせを行い、スポーツ選手や動物など、被写体が小さく、かつ高速で動きの予測がつきにくい状況でも、5点グループエリア内で被写体を捉えることで、AFの背景抜けを防ぎ、狙ったシーンをより確実に撮影することができます。
AF・AE追従で約11コマ/秒※を達成した高速連続撮影と連動させることで、AF性能を最大限引き出します。
※CIPAガイドライン準拠。AFモードがAF-C、露出モードSまたはM、1/250秒以上の高速シャッタースピードで、その他が初期設定のときの値。
2. より高い鮮鋭感と立体感を実現した高画質
決定的瞬間を確実に捉えることだけでなく、スピード感が求められる報道写真の撮影現場からの要望に応えるべく、より高い鮮鋭感と立体感、自然な肌のトーンを再現するJPEG画像データを提供します。
高感度撮影時でのノイズもさらに低減させ、常用感度域はISO 100からISO 25600となり、全域でシャープなラインとざらつきの少ない美しい色の描写を実現しています(撮影条件に応じてISO 50相当(Lo1)までの減感、ISO 409600相当(Hi4)までの増感も対応)。
新聞、雑誌、オンラインメディアといった各媒体の掲載に使用する際に必須となるトリミングを行っても高い解像感を保ちます。これらの実現には、ニコンが綿密な研究とシミュレーションを重ねて自社開発した新画像処理エンジン「EXPEED 4」、新開発のニコンFXフォーマットCMOSセンサーが大きく寄与しています。
・健康的な肌の質感を再現する高精度なホワイトバランス
オートホワイトバランスにおいては、多様な光源下でも、健康的かつ鮮やかな肌の色の表現を可能にしました。これは、新たな画像の分析方法を取り入れることで、フレーム内の白部分をより正確に抽出し判別することが可能になったためです。
また、画面内の無彩色の部位をピンポイントで捉え、予めホワイトバランスのプリセットマニュアルデータを取得できる「スポットホワイトバランス」を搭載しています。「D4S」では、プリセットマニュアルデータを正しく取得できなかった場合でも、データ取得エリアを変えて連続して作動するため、取得操作を最初からやり直す必要がなく、スピードが要求されるプロフェッショナルの現場においての撮影効率の向上に貢献します。
3. 快適かつスムーズなワークフローを実現するニコン独自の技術・機能
・連続撮影時の像ブレを抑えてより見やすくなった高性能ファインダー
「D4S」は、ミラーバランサーなどの改良により、ミラーバウンド動作による振動を抑え、ファインダーの像ブレを低減しています。また、像消失時間を短縮するとともに、高速連続撮影中は選択したフォーカスポイントが常時点灯するため、シャッターを切るたびに点滅することがなく、ファインダーがより見やすくなりました。
・画像モードにRAWサイズS※(12bit、非圧縮)
撮影時に画素数をRAWの1/4にして記録する「RAWサイズS」を新たに追加しました。撮影後のPCでの編集もスピーディで快適に行えます。(ファイルサイズは約1/2(12bit 非圧縮RAW Lサイズ比) )
※カメラ内でのRAW現像や画像合成など[画像編集メニュー]内にある機能は使用できません。
・1000BaseT対応
有線LANターミナルを搭載(通信規格1000BaseT)し、フォーマット(JPEG、RAW、TIFF)に関係なく撮影後にスムーズに高画質データを転送することができます。
・カラーカスタマイズ機能を搭載した液晶モニター
保護ガラスと液晶パネルの一体構造で内面反射を抑えた、約92万ドット、広視野角3.2型TFT液晶モニターは、より忠実な色再現ができるよう綿密な調整が施されています。さらに、カラーカスタマイズ機能の搭載により、液晶モニターの色調を好みに合わせて変更することが可能です。
・持ちやすさ、操作しやすさを追求した形状と操作系レイアウト
手の小さい人でも持ちやすいようグリップ形状を最適化し、フィット感を高めました。また背面の形状、サブセレクターは材質とデザインを徹底的に検証し、ホールディング性や操作の確実性を高めています。
4. 1920×1080:60p/50p対応のフルHD動画撮影機能「Dムービー」
60Pのフレームレートで被写体の動きを滑らかに再現し、極端な輝度変化も、綿密な露出調整・制御を行います。そして、「EXPEED 4」により、全感度域(ISO 200-25600)でノイズを抑え、豊かな階調表現と、ディテールを保ちながら鮮鋭感のある動画を実現します。「1920×1080クロップ」は、リサイズなしに1920×1080pのフルHD映像を生成するため、ディテールに富んだ極めて鮮鋭感の高い映像が得られます。
●「Dムービー」のその他の特長
・動画ライブビュー中に撮像範囲の切り替えが可能
・HDMI出力による外部機器への直接記録とカメラ内のメモリーカードへの同時記録が可能
・専用HDMIケーブルクリップを付属(別売HDMIケーブルHC-E1との併用で不用意に
抜けることを防止)
・微速度動画撮影時、演算により露出変化の平滑化を実現し、チラツキを低減
※XQDは、ソニー株式会社の登録商標です。
※CompactFlash(コンパクトフラッシュ)は、米国SanDisk社の登録商標です。
※その他の会社名、製品名は、各社の商標、登録商標です。