豪子会社、注文住宅に太陽光パネル標準搭載 ~豪大手ビルダー初、光熱費・CO2排出量大幅削減~
住友林業は豪州で東海岸エリアのHenleyグループとWisdom Properties Group、西海岸エリアのScott Park Groupの3社体制で住宅事業を展開しており、年間の戸建住宅着工数は豪州第3位※2に相当します。Henleyグループは1989年の設立以来、累計供給戸数約5万戸を誇る全豪ビルダーのリーディングカンパニーとして業界を牽引しています。省エネ性能向上にも積極的で、2005年には他社に先駆けて省エネ性能基準のホーム・エナジー・レイティング(NatHERS)※3の5スターを標準化、。現在は6スターを標準仕様とし、豪州住宅業界の省エネ性能向上を牽引してきました。気密性も市場平均の約3倍に高め、冷暖房に必要なエネルギーを平均的な住宅から約25%%抑制しました※4。豪州住宅産業協会が各州で最も優れたビルダーに授与するProfessional Major Builder賞で2度の全豪No.1を受賞しています。
豪政府は「2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロ」の達成を掲げており、NCC(豪州建築法)を現行の2019年版から2022年版(10月公布予定、2023年10月施行予定)に改定する見通しです。これまで以上に低環境負荷・省エネルギーが重視され、住宅消費エネルギー総量を評価する“Whole of Home Performance Ratings”基準※5が採用される予定です。同基準では太陽光パネル搭載による発電エネルギーを消費エネルギー総量からオフセットできます。オール電化を標準とした環境配慮型住宅により暮らすときのCO2排出量を削減するほか、施工の合理化を進め、建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄までのCO2排出量(建てるときのCO2排出量)の削減・工期短縮にも取り組んでいきます。
全世界のCO2排出量に占める建設部門の割合は約37%※6で、そのうち約30%が建てるときのCO2排出量、残り約70%が暮らすときのCO2排出量です。住友林業グループは保有・管理する森林のCO2吸収によりすでにスコープ1と2のカーボンネガティブを達成しています。今後もCO2排出量を見える化するソフトウェア「One Click LCA※7」を活用した脱炭素設計の推進等により、建てるときのCO2排出量のさらなる削減を進めます。スコープ3に該当する暮らすときのCO2排出量は豪州をはじめとした国内外で、太陽光パネル搭載の推進やZEH・ZEBなどの環境配慮型住宅の推進を通じて削減します。
住友林業グループは国内外で森林経営から木材建材の調達・製造、木造建築、木質バイオマス発電まで「木」を軸とした事業を展開しています。木を伐採・加工、利用、再利用、植林という住友林業の「ウッドサイクル」を回すことで森林のCO2吸収量を増やし、木材の活用で炭素を長く固定し続けます。今後も世界の脱炭素シフトへのパートナーとして持続可能な社会の実現に貢献していきます。
Scope1、Scope2以外の間接排出をスコープ3と呼ぶ。販売・購入した製品の使用に伴う温室効果ガス排出もスコープ3に含まれ、事業
者自ら排出した温室効果ガスだけでなくサプライチェーン全体での温室効果ガスが求められている。
※2. 住友林業グループ3社の合計値。豪州住宅産業協会(Housing Industry Association)発表のビルダー別着工ランキングに基づく当社調
査。
※3. 豪州の住宅断熱性能を評価する指標。評価項目は断熱材や窓、建物の種類や大きさ、住宅の向き、立地する気候帯など。
2022年9月現在、6スター相当の取得が義務付けられており、2023年10月には7スターが義務化される予定。
※4. 2019年の外部機関による検査に基づく。
※5. 評価項目は冷暖房、温水、照明、調理器具(オーブン・電化製品の使用を含む)、プールでの消費エネルギーなど。太陽光発電など敷地
内で発電した再生可能エネルギーのオフセットが可能。住宅全体の消費エネルギーを規定値未満にする必要がある。
※6. 出典:global alliance for building and construction(2021)
※7. 住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェア。建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量
(建てるときのCO2排出量)を精緻に算定できる。関連リリース:https://sfc.jp/information/news/2022/2022-08-08.html
<参考資料>
■Henleyグループ概要
(1) 商号 Henley Arch Pty Ltd
(2) 代表者 Antony Blackshaw (Chief Executive Officer)
(3) 本社所在地 豪州ビクトリア州マウントウェーバリー
(4) 設立 1989年
(5) 事業内容 豪州4州にて注文・分譲住宅事業を展開
(6) 従業員数 567人(2021年末時点)
■住友林業グループの豪州進出地域