【オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント】太陽光発電事業のM&A向け「自然災害リスクおよび生産性診断サービス」の提供開始
1.背景
太陽光発電事業は、2012年に導入されたFIT制度(固定価格買取制度)を契機に、急速に拡大しました。現在は、新規開発の適地が限られているなどの理由により、稼働済太陽光発電所の売買ニーズが活発化しており、セカンダリー市場(中古市場)も拡大しています。
一方で、太陽光発電事業においては、大雨・強風といった自然災害に起因する事故の発生やメンテナンス不備に起因する設備不良、M&A実行後に購入者が想定していた出力が確保されないなど、さまざまな問題が顕在化しています。そのため太陽光発電事業では、自然災害を含め、さまざまなリスクを適切に把握し、対策を講じることが重要となっています。
これまで東京海上日動は、東京海上グループのデータ中核機能を担う東京海上ディーアール株式会社(以下「TdR」)を通じて、太陽光発電事業の自然災害リスクを診断するサービスを提供してきました。
OREMは、太陽光発電所のアセットマネジメントやAIなどの先進デジタル技術を活用したO&M(運営管理・保守点検)などのサービスを展開し、太陽光発電事業に豊富な知見を有しており、O&Mサービスを受託した80以上の発電所(約400MWp)でPR値※1が平均約4%改善するなど、発電量の最大化を実現しています。
こうした中、東京海上日動は、東京海上グループが保有する自然災害などのリスクの知見と、OREMの有する太陽光発電所の運営・維持管理業務における知見を活用することで、太陽光発電事業者の円滑なM&Aをサポートするべく、より効果的な情報提供を可能とする新たな枠組みを構築いたしました。
※1 Performance Ratio:太陽光エネルギーが電気に変換される比率。日射・系統抑制などの外的要因を除いた、発電所の生産性を数値化する産業標準指数。
2.診断サービスの概要
診断サービスにおいて、東京海上日動は、M&A実行前に買収対象の各種リスクに関する分析結果や情報を提供するとともに、TdRとの連携による自然災害リスクの調査や最大損害額評価等を行います。OREMは、既設発電所の顕在しているリスクだけではなく、潜在的なリスクまで抽出する健全性評価に加え、発電所の管理に関する改善提案と改善後の収益シミュレーションを実施します。
この診断サービスにより、太陽光発電事業のM&Aにおいて、自然災害リスクの観点からの多角的な評価だけではなく、設備の生産性や管理体制などの評価も可能となり、M&Aを検討されるお客さまに対してより有益な情報提供が可能となります。
3.今後について
東京海上日動とOREMは、東京海上日動の全国のネットワークを活用しながら診断サービスを提供し、太陽光発電事業の適切なリスク管理と円滑なM&A実行を支援していきます。また、東京海上日動は、診断サービスを通じて明らかとなった発電所のリスク実態に応じた適切な保険手配を提案し、M&A実行後の事業コストの最適化を支援することで、再生可能エネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献していきます。
■東京海上日動の概要 (https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/)