調布市、しばさき彩ステーション、NTTe-Sports、NTT東日本の連携によるeスポーツを通じた「市民の多世代交流の促進」に向けた取り組みについて
1.本取り組みの背景
新型コロナウイルスの影響により、テレワークやリモート教育等の"リモート化・オンライン化"が進んでいます。こうした中でeスポーツは、世代や性別、障がいの有無といった垣根を越え、誰もが参加できる「共生社会」の充実に寄与する存在となりつつあります。
他方、調布市は、社会における急速なデジタル化ニーズの高まりに対応するため、デジタル技術を活用した新たな取り組みについて、産学官の連携により、検討・推進しております。そうした中で、コロナ禍においても多様な世代の市民が楽しく交流できるeスポーツの利活用について、昨秋より調布市、NTTe-Sports、NTT東日本の3者が協働して検討を重ねて参りました。
2.本取り組みの目的と概要
調布市は、地域共生社会の充実に向け、地域の中でお互いに支え合い、助け合って、安心した生活ができるよう、住民同士の交流を促す取り組みを推進しております。しかし、今般のコロナ禍においては、地域交流の機会が減少しており、特に高齢者においてその傾向が顕著です。
今回の取り組みでは、高齢者の社会参加の機会を創出するとともに、しばさき彩ステーションを訪れる多様な世代の利用者の交流を一層促すため、NTT東日本グループが持つeスポーツ事業のノウハウを活用し、eスポーツの体験交流会を試行的に実施致しました。
交流会では、小学生から70代のアクティブシニアまで、ギャラリーを含め約40名の市民が参加し、介護レクリエーションによる上半身の準備体操を行った後、人気のリズムゲーム「太鼓の達人Nintendo Switchば~じょん!©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.」を用いて、3人1組のチーム対抗戦を行いました。
ほとんどの参加者が初めての体験でしたが、対戦を重ねるうちに、テンポよくリズムを刻んでいました。参加者からは、「普段eスポーツを体験する機会がないので楽しかった(10代)」「夢中になれた。世代を越えた交流を経験できた(70代)」「脳の活性化になった。次回はもっと上手くできるようになりたい(60代)」といった声が寄せられました。
また、交流会の後半では、しばさき彩ステーションと調布市文化会館「たづくり」※2をオンラインで接続し、遠隔地との交流も図りました。
今回の交流会を通して、eスポーツが持つ「ゲームを通じた達成感や一体感」、「チーム戦を通じたコミュニケーション」を体感するとともに、eスポーツを通じた健康増進、そして世代を越えた交流を楽しみました。
<当日のプログラム>
3.主な役割分担
(1)調布市
eスポーツを活用した事業の企画、会場提供、参加者調整 等
(2)しばさき彩ステーション
会場提供、利用者へのイベント周知、参加者調整 等
(3)NTTe-Sports
eスポーツに関する専門ノウハウやアライアンスを活用したイベントの企画および運営 等
(4)NTT東日本
企画運営に関する各者との調整、ICT環境提供 等
4.実際のイベントの様子
(上左)副会場とオンライン対戦している様子(実況付き)
(上右)スクリーンに映る主会場の様子を見ながら準備体操している様子
(上左)副会場にてゲーム対戦を楽しむ参加者
(上右)主会場にて多世代でゲーム対戦を楽しむ様子
(上左)主会場の全体の様子
(上右)副会場の全体の様子
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
5.今後の展望
本取り組みは、eスポーツの持つ“世代や性別、場所にとらわれないコミュニケーションを生む力”に着目し、世代間交流を通じた地域活性化の実現を目指して、取り組みの更なる拡大を検討して参ります。また、今回試行的に実施した結果を踏まえながら、eスポーツ本来の文化的な地域振興に加え、高齢者・障害者福祉、教育等様々な分野における活用についても、産学官で連携しながら併せて検討して参ります。
※1 しばさき彩ステーション(調布市柴崎1-64-9)は、空き家を活用した「地域と協働するネットワーク拠点」を目指して2019年に開設。地域課題の解決に繋がる住民主体の場として、イベントや居場所を提供。https://shibasaki-irodori-station.jimdofree.com/
※2 調布市文化会館 たづくり(調布市小島町2-33-1)
https://www.chofu-culture-community.org/tazukuri