北秋田市における関係人口拡大に向けた取組み ~ワーケーションにおける企業研修~
1.背景・目的
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、「密」な環境を回避するため、外出自粛に伴うリモートワークの実施等、「新しい生活様式」が急速に浸透しました。また、場所にこだわらず仕事をする価値観が拡大する中で、“新たな旅のスタイル”である「ワーケーション」が注目されています。
本取組みは、この「ワーケーション」の推進により、北秋田市の関係人口を拡大していくことを目的としています。北秋田市ならではの資源を活用した企業向け研修プログラムを提供することで、他の地域との差別化・より幅広い層の受入体制の整備を図り、“withコロナ時代”の新たな人の流れの創出に資する取組みを展開してまいります。
2.取組みの内容
Ⅰ.ワーケーションに訪れる仕組み=企業研修プログラムの造成
ワーケーションが新しい働き方としても注目を集める一方、企業側の就業規則の見直しや体制整備はまだ途上段階であり、社員のワーケーションの障壁となっています。そこで着目したのが「企業研修」です。企業の人材育成に資する研修プログラムが「北秋田市でしか受講できない」「北秋田市ならではのプログラム」であれば、企業側も社員を派遣することができ、企業の社員がワーケーションで北秋田市に訪れる理由になると考えています。
研修プログラムを形にするために、2021年11月~2022年2月にかけて、「北秋田市企業研修造成ワークショップ」を開催しました。ワークショップを監修したのは、ビジネスパーソン向けの研修開発を数多く手掛ける株式会社グロービスで、講師にはグロービス経営大学院 難波美帆氏を迎えました。“ここにしかない”研修プログラムをつくるため、官民連携のメンバーで議論を重ね、2月末には北秋田市長ほか関係者への成果発表会を実施しました。
【「北秋田市企業研修造成ワークショップ」概要】
・監修:株式会社グロービス
・期間:2021年11月~2022年2月 ※5日間のプログラム+グループミーティング
・参加者:北秋田市職員、北秋田市地域おこし協力隊、秋田内陸縦貫鉄道社員、
JTB社員(東京・秋田)、NTT東日本社員(秋田) 14名
・講師:グロービス経営大学院 難波 美帆氏
・内容:グループワークでの議論
マタギ体験(マタギの鈴木英雄さん、益田光さんの案内による山歩き)
なお、2022年度は、モニターツアー等による検証を行い、本プログラムを更に磨き上げ、商品として販売することを目指しています。
Ⅱ.仕事ができるワークスペースの整備
企業に勤める社員にとって、ワーケーションで業務ができる環境は必要不可欠です。ストレスなくリモートワークができる通信環境(Wi-Fi6等)はもちろん、秘匿性の高いweb会議・電話をする際の個室環境、数人で打合せができる会議スペース等、利用者のニーズに合ったワークスペースが提供できるよう、拠点整備を進めていきます。
Ⅲ.北秋田市の魅力を体験するコンテンツの充実
ワーケーションでの滞在時間をより魅力あるものとするため、北秋田市を走る秋田内陸線や、マタギ文化を活用したコンテンツを磨き上げ、充実させていきます。
3.今後の北秋田でのワーケーションの取組みにおける北秋田市および各社の役割
(1)北秋田市
北秋田市への新たな人の流れをつくるため、ワーケーション推進において「誘客力の向上」「受け入れ環境の充実」に取り組みます。「誘客力の向上」としては、商品化・販売に向けた“北秋田市ならでは”のワーケーションとして、企業研修プログラムの造成を進めていきます。「受け入れ環境の充実」としては、現在市内複数拠点で構築中のWi-Fi6環境「Kitaakita_Free_WiFi」を統一的に整備することにより、利用者を受け入れる環境とワーケーションエリアとしての発展を前進させます。
更に、このワーケーション事業をきっかけに整備した拠点・ICT基盤を、北秋田市のまちづくりへと活用します。防災・ヘルスケア等さまざまな住民サービスへと展開していき、民間企業と連携しながら、スマートシティ化・住みやすいまちづくりを推進してまいります。
(2)秋田犬ツーリズム
ワーケーションでこの地に滞在する皆様が楽しめるコンテンツの磨き上げを今後も展開します。北秋田市をはじめとして、大館市・小坂町・上小阿仁村の県北4市町村におけるワーケーション受け入れ態勢整備に資するコンテンツを拡充してまい ります。
また、2021年度造成した研修プログラムを磨き上げ、2022年度以降に首都圏を中心とした企業に販売することで、北秋田市ならではのワーケーションを市外へ発信します。また本プログラムと同様に県北4市町村におけるワーケーションについても、企業・個人の多様な皆様に対する幅広いワーケーションの受け入れ態勢を整備します。
(3)秋田内陸縦貫鉄道
北秋田エリアに人を呼び込むコンテンツとして、秋田内陸線を活用した施策・イベントを今後も展開していきます。施策・イベントではオンラインでの配信などICTも活用し、より魅力あるコンテンツを発信できるよう取り組んでいきます。また、比立内駅「阿仁比立内がっこステーション」をはじめとする駅舎の活用により、ワーケーション推進に寄与する拠点整備の取り組み・支援を実施していきます。
(4)ANA 秋田支店
東京・羽田空港と北秋田市を1時間ほどでつなぐ、北東北の空の玄関口である大館能代空港をハブとして、北秋田市への新たな人の流れをつくるために貢献します。また、2022年2月に実施した、ANAあきんど社員の北秋田市ワーケーションツアーのように関連会社を含め、ワーケーションを通じて、北秋田市の関係人口拡大の推進に取り組みます。
(5)JTB秋田支店
首都圏企業とのリレーションや販売チャネルを生かし、北秋田市のワーケーションコンテンツを販売し、新たな人の流れを創出してまいります。
2021年度造成した企業研修型ワーケーションプログラムをより価値ある商品へと磨き上げ、2022年度以降企業向けに販売し、北秋田市のワーケーションを推進してまいります。
(6)NTT東日本 秋田支店
ワーケーションに必要不可欠である高速通信基盤を構築するとともに、その基盤を活用し、ICT(Wi-Fi、AR(注1)・VR(注2)等)を中心に、観光・防災などまちづくりに資する総合的な取り組みを展開します。
また、企業の人材育成に資する「研修」コンテンツを活用することで、企業の社員がワーケーションで北秋田市を訪れ滞在しやすい体制の整備に貢献します。2021年度造成した研修プログラムを磨き上げ、首都圏企業への販売につなげてまいります。
3月にNTT中通ビル(秋田市)にオープンする拠点「Connect Labo OMOCE(おもしぇ)」にて北秋田市の観光情報・ワーケーションプログラムを発信し、北秋田市への人の流れの創出に貢献します。
(注1)AR:「Augmented Reality」の略で、実在の画像・映像とデジタル情報を合成し現実世界を拡張する技術。
(注2)VR:「Virtual Reality」の略で、視覚、聴覚、触覚等を刺激し、仮想世界を現実のように体感させる技術。
4.記者会見について
(1)日時
2022年3月24日(木) 11:00~
(2)場所
北秋田市役所(秋田県北秋田市花園町19-1)3階大会議室
(3)出席者(予定)
北秋田市 市長 :津谷 永光(つや えいこう)
秋田内陸縦貫鉄道株式会社 代表取締役社長 :吉田 裕幸(よしだ ひろゆき)
一般社団法人 秋田犬ツーリズム 会長 :中田 直文(なかた なおふみ)
全日本空輸株式会社 秋田支店 支店長 :小谷 浩(こだに ひろし)
株式会社JTB 秋田支店 支店長 :村田 剛(むらた ごう)
NTT東日本 秋田支店 支店長 :松浦 寛(まつうら ひろし)