ICTを活用したキャンプ場運営のスマート化・周辺地域活性化に関する実証実験の実施について ~キャンプ場を活用した地域経済の持続的な発展を目指して~
本実証を通じて地域のデジタル化を推進し、データの利活用による新ビジネスの検討など、地域経済の持続的な発展への貢献・スマートシティの実現を目指していきます。
1.取り組みの背景
自然志向の高まりを受け、若年層を中心としたキャンプ初心者の増加や、感染症拡大の影響により加速したソロキャンプブームなど、ここ数年におけるキャンプ参加人口は増加し続けています。その中で自治体からは、観光などによるキャンプ場周辺地域への利用客流入および消費促進など、地域経済圏の活性化に大きく期待が寄せられております。
その一方で、既存のキャンプ場の多くは、予約から来訪者対応、施設の運営作業など一連の業務が増加傾向にあり稼働効率化や利用者の利便性向上に課題を抱えています。また、地場食材購入や入浴施設の案内など、キャンプ場周辺地域における有力な情報発信も十分に行えておらず、誘客や消費を促す機会を創出できずにいます。
こうした背景を踏まえ、R.project とRecamp、およびNTT東日本は、ICTを活用したキャンプ場運営のスマート化、またそれらを通じたキャンプ場周辺地域への誘客・消費促進に繋がる仕組みの構築を目指し、実証実験を開始いたします。
2.取り組み内容
R.projectが提供するキャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」※1との連携を想定し、スマートフォン用アプリを開発いたします。また、NTT東日本が提供するICTソリューションを活用することでキャンプ場の運営負担を軽減し、業務効率化および利用者の利便性や安全性の向上を図ります。その上でさらに、経済や人流の地域循環などを促進し、新たな地域活性化の仕組みを検証していきます。
※1 キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」 https://www.nap-camp.com
(1)スマートキャンプ場の開発・有効性の評価
①スマートチェックインによる利用者の利便性向上、従業員稼働の効率化
キャンプ場の予約からチェックイン、コテージなど宿泊施設への入室まで、一連のオペレーションをネットワークカメラやスマートロックなどのIoTデバイスと連携したスマートフォンアプリにより、人手を介すことなく対応することが可能です。
なお、旅館業法への対応など含め、自治体への確認と開発へのフィードバックを通じて実装していきます。
②スマートストアによる非接触・非対面/無人運営の実現
同じスマートフォンアプリを用いて、入店から商品選択、決済までを完結させることで、非接触・非対面/無人運営での購買環境を提供します。キャンプ場への簡易な導入方法としてトレーラーハウス型で構築します。地場特産品のテストマーケティング用店舗としての活用、また購買データとアプリ会員データをかけ合わせる事でのマーケティング支援なども検討していきます。
③カーボンニュートラル社会の実現に向けたオフグリッドによる運用実験
トレーラーハウス型スマートストアに、太陽光発電システム・蓄電池などを搭載し、電力自給により運用可能なストアの実現を目指します。この取り組みは、カーボンニュートラルの実現だけではなく、災害時における電力や飲料・食料の供給が可能なトレーラーハウスとして活用することにも期待できます。
<取り組みイメージ>
(2)周辺地域への誘客・消費促進など、地域活性化の仕組み検討
スマートストアでの特産品取り扱いを始め、スマートフォンアプリを活用したキャンプ場周辺地域の施設・観光地への誘客、キャンプ場利用者への特典付与など、消費を促進し地域経済圏の活性化を図る仕組みづくりを検討します。
<取り組みイメージ>
3.実施場所および実施期間
【場所】RECAMP館山 (千葉県館山市布沼1210)
【期間】2022年3月 ~ 2022年12月(予定)
4.各社の役割
・R.project / Recamp
実証実験の共同企画、実証フィールドの提供、スマートキャンプ場の有効性評価
・NTT東日本
実証実験の共同企画、実証環境の開発・構築・検証、地域活性化の仕組み検討
5.今後の展開について
R.project とRecamp、およびNTT東日本は今回の実証実験により、ICTを活用したスマートキャンプ場や、キャンプ場を起点とした地域活性化の取り組みなどの有効性を検証し、本格実装に向けた検討を進めていきます。
これらの取り組みを通じ、スマートシティを形成するノウハウと実績を蓄積し、本事例をショーケースとして、全国のキャンプ場・自治体への普及拡大を図っていきます。