樹木物流の「緑配便®(りょくはいびん)」夏にも本格運用 ~鉄道、船へのモーダルシフトで脱炭素化へ~
住友林業緑化は、低炭素物流で運ぶ樹木、環境資材の販売から都市の緑化工事までを担います。社会、環境に配慮した取り組みが求められる時代に対応した、物流プロセスや質の高い緑地づくりやメンテナンスを行うことで、環境的価値創出のニーズに適えるサービスの提供をします。
JR貨物はこの「M i r a i G r e e n C a r g o(ミライグリーンカーゴ)®」コンテナによる「緑配便®」の幹線輸送を担います。CO2排出量が最も少ない貨物輸送方式である鉄道の優れた環境特性を活かし、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた「グリーン社会の実現」を目指します。モーダルシフト推進を通じて2050年カーボンニュートラルやSDGsの達成に貢献します。
川崎近海汽船はRORO船※1での海上輸送で「緑配便®」幹線輸送を担います。経営理念「人にやさしい豊かな社会の実現」及び、経営ビジョンの1つである「地球・海洋環境の保全に積極的に取り組み、モーダルシフトの推進に貢献」と合致する取り組みです。2024年問題の解決策の一つとして緑配便®のサービスに取り組み、CO2排出量削減を通じて、2050年カーボンニュートラルの実現及び、SDGs達成に貢献します。
※1 RORO船とは、貨物を積んだトラックやシャーシ(荷台)ごと輸送する船舶のこと。
1.「緑配便®」サービスについて
首都圏などの街づくりに利用する常緑高木は、南九州エリア産が多く、トラックによる物流が支えています。今後、人材不足やドライバーの高齢化が問題となるうえ、環境、社会責任としてのCO2排出量削減が課題です。2024年問題といわれるドライバーの時間外労働への制限も加わり、トラックでの物流オペレーションが困難になるため「緑配便®」サービスを開発しました。「緑配便®」サービスは以下のような社会的要請にお応えします。
・脱炭素、低炭素の取り組みを推進し、CO2排出量を減らしたい
・環境への配慮、SDGsの達成への貢献やESGの取り組みが必要であると考えている
・都市緑化を創出するプロジェクトの環境価値、社会価値をより高めたい
・長距離樹木物流の課題リスクへの対応が必要であると考えている
2.貨物列車を利用した「緑配便®」トライアル輸送
(1)鉄道によるトライアル輸送について
2022年夏のサービス本格化を目指して「M i r a i G r e e n C a r g o(ミライグリーンカーゴ) ®」で貨物列車を利用したトライアル輸送を21年末~22年2月で実施し、輸送中のコンテナ内環境の植物に対する影響、樹木の積み降ろし、運用方法等を検証しました。
今回のトライアル輸送で従来のトラック輸送に比べ約1トンCO2排出量※2の削減が期待できます。輸送区間は今後拡大する予定です。
※2 鹿児島~東京間1,509kmにおけるCO2排出量の差、トラック輸送 1.35t-CO2、鉄道輸送 0.347t-CO2
(2)「M i r a i G r e e n C a r g o(ミライグリーンカーゴ)®」の特徴
・7m程度の高木や長尺物を運べる鉄道輸送用31フィートコンテナ (9.41m×2.49m×2.64m)
・電動開閉の天蓋
・庫内温度の上昇、輻射熱を防ぐため、 メッシュ状の屋根材
3.今後について
船舶によるトライアル輸送や、樹木以外の輸送の可能性についても、積極的に取り組んでいきます。
■関連のあるSDGs
■各企業の役割
■住友林業緑化 会社概要
・住友林業緑化株式会社
・事業内容: 造園緑化工事、住宅外構工事及び樹木等資材の販売
・本社所在地: 東京都中野区中央一丁目38番1号
・代表者氏名: 神谷 豊
・資本金の額: 2億円(住友林業株式会社 100%出資)
・従業員数: 694名(2022年1月1日現在)
■JR貨物 会社概要
・日本貨物鉄道株式会社
・事業内容: 貨物鉄道事業 倉庫業 駐車場業 広告業 自動車整備業
一般土木・建築の設計 工事監理及び工事業
その他附帯・関連事業等
・本社所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目33番8号
・代表者氏名: 真貝康一
・資本金の額: 190億円
・従業員数: 5434名(2022年1月1日現在)
■川崎近海汽船 会社概要
・川崎近海汽船株式会社
・事業内容: 海上運送事業、海洋作業支援船業 等
・本社所在地: 東京都千代田区霞が関三丁目2番1号
・代表者氏名: 久下 豊
・資本金の額: 23億6,865万円
・従業員数: 245名(2021年3月31日現在)