透析を導入した4割以上が自己管理をしていなかった!全腎協による「血液透析患者実態調査」の分析結果より

NPO法人 腎臓サポート協会

腎臓病は自覚症状が少ないせい?保存期の自己管理は大切です!  NPO法人腎臓サポート協会では、会報誌『そらまめ通信』の送付やホームページ『腎臓病なんでもサイト』などを通じて、腎臓疾患とその検査・治療法などの情報を提供しております。  今回は、『そらまめ通信』vol.68から、透析導入の実態に関するコラムをご紹介いたします。 ―――――――――――――――――――― 自己管理せずに透析導入が4割以上! ―――――――――――――――――――― 2012年12月、全腎協※による「血液透析患者実態調査」の分析結果が報告され、保存期の自己管理をしていなかった人が4割以上もいたことが分かりました。 出典:2011年度血液透析患者実態調査報告書 ※ 全腎協:社団法人全国腎臓病協議会。全国の透析患者の3分の1、約10万人が加入している患者団体。 ■血液透析患者実態調査  透析を受けている方の実態や意識がどうなっているかを調べる目的で、全腎協では、1972年から5年に1度、血液透析患者の実態調査をおこなっています。9回目となる今回の調査は、2011年10月から6ヶ月間で実施されました。  全国の透析施設の協力を受け、1万252人に調査票を送り、有効回答7,784票を分析し、報告書がまとめられました。今回の調査では、透析導入を防止するためにはどうしたらよいかという観点から、保存期に関する質問が追加されましたので、それを中心にご紹介します。 ■医療機関を受診しなかった17.3%  今回初めて、腎臓病の原因となった糖尿病などを治療するために、どの医療機関を受診していたかが聞かれました。専門医を受診していた人が35.6%、一般医を受診していた人は48.1%でした。いずれも受診していなかった人は17.3%でした。 ■自己管理していなかった43.9%  また、「腎臓の病気の原因となる疾患の治療のため、医師から指示されていた生活指導を守っていましたか」という質問も今回から追加されました。「きちんと守っていた」「まあ守っていた」が47.9%であったのに対して、「あまり守っていなかった」「まったく守っていなかった」 「医師からの指示はなかった」 が43.9%と、4割以上の人が自己管理をしていなかったことが分かりました。 ■治療を放棄してしまった22.7%  継続して治療を受けていた人は、20年間わずかずつ増加し、77.2%でした。しかし、「治療するように言われたが放置した」、「治療はしたが良くなったと言われる前にやめた」など、治療を放棄あるいは中断した人が22.7%もいました。 ■一年未満で透析導入22.5%  腎臓病の発見から1年以内に透析を導入した人はこの10年間減少傾向で、今回は22.5%でした。とはいえ、2割以上の方が1年たたずに透析を導入しているということは、いまだに腎臓病は相当進行した段階にならないと発見されないケースが少なくないことが確認されました。  今回の調査では、治療に対する患者さんの意識は徐々に高くなっているとはいえ、まだ問題点が残されていることが示されています。これは腎臓病に自覚症状が少ないことも一つの要因かもしれません。病気の進行を抑えるためにも、早期に発見し治療を開始すること、自覚症状が無くても、日頃から自分の健康に気を配り、自己管理をおこなっていくことが大切なのだと、改めて感じさせられます。 ※この記事は、会報誌『そらまめ通信 Vol.68』からの抜粋です。 ▼会報誌「そらまめ通信」のご紹介 http://www.kidneydirections.ne.jp/support/soramame/index.html 『そらまめ通信』は、ただ今Vol.70を発刊中! 当協会の会員にご登録いただいた皆様に、無料で配布しております(偶数月発行)。 ご覧になりたい方、ぜひ無料会員にご登録ください。

【本件に関するお問い合わせ先】
NPO法人 腎臓サポート協会
info@jin-support.org

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