水田の小鮒養殖におけるIoTセンシングの活用について
1.背景・目的
長野県佐久地域では、1970年代から水田転作品目として「小鮒」を養殖生産し、地域の食文化として根付いています。
しかしながら、近年は、原因不明のへい死や生産者の減少により、生産量が不安定となる課題が、顕在化しています。
佐久市、長野県水産試験場佐久支場、NTT東日本の3者は、協働で圃場環境のデータを蓄積・分析により、へい死の原因を特定し、データを活用した生産マニュアルを作成することで、佐久地域の小鮒養殖文化の維持・発展を目指します。
2.取り組み概要
(1)期間
2021年6月~2021年8月末(予定)
(2)収集データ
(1)外気温 (2)水温 (3)溶存酸素
(3)3者の役割
・佐久市:小鮒生産者、水産試験場との連携推進
・長野県水産試験場佐久支場:蓄積した圃場環境データの分析
・NTT東日本:LPWA(※)を活用した複数拠点のデータ取得システムの構築および蓄積
※LPWA=Low Power Wide Area Networkの略。消費電力を抑えて遠距離通信を実現する通信方
式。
3.今後の展望
今回の取り組みを複数年継続し、小鮒養殖の生産性向上および生産者の省力化による伝統文化の継承を目指します。
また、生産量の拡大・安定化が実現された将来には、小鮒のブランド化や流通を含めたフードバリューチェーンによる地域の活性化についても、地域のみなさまと検討していきます。