光通信の広帯域化に対応したレーザ光源製品を開発
~5Gの実用化を支える中長距離光通信網の構築に貢献~
● 光通信の広帯域化にともなうSUPER Cバンド、SUPER Lバンドに対応したレーザ光源製品に対応● 導波路設計の最適化で低損失構造を実現し、Micro-ITLAの波長可変幅で6THz、ラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュールで1330nm~1520nmの広い波長ラインナップに対応
● 5Gの実用化を支える中長距離光通信網の構築に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区丸の内2丁目2番3号、代表取締役社長:小林敬一)は、光通信の広帯域化にともなうレーザ光源製品として、SUPER Cバンド、SUPER Lバンド用の新型のMicro-ITLA(波長可変光源)とそれに対応して指定可能波長範囲を拡張したラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュールを開発しました。
■背景
5Gの実用化において、中長距離光通信網の通信容量の増大は必要不可欠です。しかしながら、高速化にともないチャンネル当たりに必要な帯域が従来の50GHz間隔から増大し、従来の帯域(Cバンド、Lバンド)では伝送可能なチャンネル数が減少してしまうため、全体の帯域を広げる(SUPER Cバンド、SUPER Lバンド)ことが検討されています。また高速伝送にともない伝送可能な距離が短くなるのを補うため、ラマン増幅器が使用されていきます。
当社はこれまでCバンド、Lバンドに対応したレーザ光源製品として、Micro-ITLAおよびラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュールを製品化してきましたが、今回、広帯域に対応したSUPER Cバンド、SUPER Lバンド用の光源を開発しました。今後IOWN構想(※)のなかで語られるオールフォトニクスネットワークを支える基盤技術としても期待されています。
※IOWN構想:IOWNは「Innovative Optical and Wireless Network」の略。光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供できる端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。
■内容
当社が20年以上培ってきたレーザ製造技術である結晶成長技術と精密半導体加工技術により、導波路設計の最適化で従来よりも低損失構造を実現し、Micro-ITLAとラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュールでより広い波長ラインナップに対応しました。どちらの製品群も業界トップレベルの光出力を達成しています。
多チャンネルMicro-ITLA
広帯域化にともないコヒーレント光通信用波長可変光源のチャンネル数の増加が必要とされています。これに対応するため、50GHz間隔での対応波長範囲を96chから120ch対応に増加させたMicro-ITLAを開発しました。これにより対応可能な帯域が広がり、従来のCバンド:191.300~196.100THz(4.8THz幅)からSUPER Cバンド:190.675~196.675THz(6THz幅)となります。同様に今後の更なる広帯域化に対応するために、従来のLバンド:186.350~190.700THz(4.35THz幅)に対してSUPER Lバンド:184.350~190.500THz(6.15THz幅)にも対応可能になります。
ラマンアンプ励起用レーザダイオードモジュール
広帯域化にともなってラマン増幅器でも信号光の100nm短波側に励起光を必要とするため、対応する励起光源の波長範囲も広げる必要があります。今回開発した励起光源では、400/500/600mW品において指定できる波長範囲が1420~1510nmから1330nm~1520nmに大幅に広がりました。
主な製品仕様
当社は今後も高性能なレーザ光源製品の研究開発による情報通信の発展を支え、安全・安心・快適な生活の実現に貢献してまいります。
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182