【東芝】令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞について

株式会社 東芝

 当社は、令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰にて、「高速かつ高効率な無線LAN技術の開発」の業績で科学技術賞(開発部門)を受賞し、昨日表彰式が文部科学省3階 講堂で行われました。
 科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績をたたえることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的として、文部科学省が毎年実施しているものです。中でも、科学技術賞(開発部門)は、社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象にしており、今年度は43件の応募の中から、18件(64名)が本賞を受賞しています。
 今般受賞した技術の内容は以下のとおりです。

「高速かつ高効率な無線LAN技術の開発」
 無線LAN はスマートフォン等に搭載されて急激に普及しましたが、動画伝送のための高速化と、多数の無線LAN が効率的に通信を行うための高効率化が課題でした。
 当社は、複数アンテナを用いた高速通信技術「MIMO(Multi-Input Multi-Output) 」を無線LAN で実用化するためのパイロット信号や、MIMO の効果を最大化するフレーム交換技術を開発しました。また、多数の無線LAN が効率的に同時多重通信を行う技術を合わせて開発しました。
 本開発により、当社は、実効速度100Mbps 以上を達成する高速無線LAN を実用化し、ICとして量産化しました。また多数の無線LAN と効率的に同時多重通信を行う技術等を搭載したIC は半導体業界最高峰の国際学会ISSCC (*)に世界初として採択されました。
 本成果は、無線LANの世界標準規格であるIEEE 802.11n やIEEE 802.11ax に採用され、無線LAN の普及に寄与しています。

* IEEE International Solid-State Circuits Conference

 
図1 MIMOのパイロット信号方式

 

図2 無線フレーム連接技術とその効果

 

図3 フィードバック情報の多重化方式とその効果

 
令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 受賞内容

*1 応募当時の所属。現在は東芝インフラシステムズ株式会社へ出向中。
*2 開発当時の所属は株式会社東芝 ストレージ&デバイスソリューション社。ストレージ&デバイスソリューション社は2017年7月1日付けで株式会社東芝から分社し、現在は東芝デバイス&ストレージ株式会社。


 
写真 表彰式の様子
(左から、鍋谷 寿久、足立 朋子、青木 亜秀、行方 稔、森 浩樹)

 





 

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