乃村工藝社、国産材普及に向けた森林×360度バーチャルツアーを企画・プロデュース
乃村工藝社・全国木材組合連合会連携プロジェクト「もりまちドア」
全国木材組合連合会と連携し、DXでニューノーマルな森林体験提供と、国産材の利用拡大へ
株式会社乃村工藝社(以下、乃村工藝社)は、最新の360度3D撮影技術による木材産地を散策できるバーチャルツアーを企画・プロデュースし、新たに発表しました。本バーチャルツアーは、一般社団法人 全国木材組合連合会(以下、全国木材組合連合会)と連携して取り組むプロジェクト「もりまちドア」のウェブサイトで無料公開しています。
※「もりまちドア」ウェブサイト https://morimachi-door.kinohei.jp/
<3D Virtual Tour「バーチャル産地体験」のねらい>
「もりまちドア」では、特にこれまで木材があまり使われてこなかった非住宅建築物(商業施設、店舗、ホテル、オフィスなど)において木材を価値高く活用する可能性を探るため、もり側の林業・木材産業事業者とまち側のクリエイターが交流する産地体験会を全国3か所で実施し61名が参加しました。その産地体験会を疑似体験できるのが3D Virtual Tour「バーチャル産地体験」です。オンライン上に再現したバーチャルな木材産地(埼玉県飯能市・西川材産地「井上山林」)は、誰もが気軽に時間や場所、天候にとらわれず、パソコンやスマートフォンからアクセスでき、森林の中で360度自由にウォークスルーしたり、林業家・井上 淳治氏による解説で樹木や林業などの知識を得ることができます。
乃村工藝社と全国木材組合連合会は、空間デザインにおける国産材の普及には、クリエイターや施主の潜在利用者層へアプローチすることも重要だと考えています。そのため本バーチャルツアーでは、ニューノーマルな森林体験の提供だけでなく、森の多様な楽しみ方を知るきっかけや、クリエイターと林業・木材産業事業者の接点をつくることで、木材活用への興味喚起による利用拡大につなげていきます。また、将来的にはデータ活用により、マーケティングやブランディング分野なども視野に入れた林業DX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与する可能性も期待できます。
今後も乃村工藝社と全国木材組合連合会は、クリエイティビティとデジタルテクノロジーを活かし、森を育む空間デザインがつなぐサステナブルな社会の実現に貢献していきます。
<3つの機能・メリット>
1.没入感のある高画質な3Dウォークスルー
※撮影地「井上山林」は普段は立ち入ることができない私有地です。バーチャルツアーでは特別に歩くことができます。
2.テキストや写真による充実したツアー情報
ウォークスルー画面内に埋め込まれたタグをクリックすると、関連する樹木や、携わる地域の人、林業に関する情報が表示されます。自分の好きなタイミングで、まるで実際に森で案内してもらっているかのような知識を得ることができます。
3.森全体を多様な視点で見るビューモード搭載
<今後の展開>
多様なユーザーや遠隔地からの参加による産地体験機会を創出することはもちろん、双方向のコミュニケーション機能や利用者が興味を持ったコンテンツを分析するなどデータ活用が可能になれば、木材の付加価値創出や販路拡大につなげるマーケティングやブランディング分野の効果も期待できます。今後も、リアルな産地体験会とバーチャルツアーの利点を活かしあうことで、木材を価値高く活かす空間デザインを広めていきます。
バーチャルツアー体験イメージムービー
本バーチャルツアーの体験は「もりまちドア」からご覧ください。
※バーチャルツアー体験 https://mpembed.com/show/?m=JHut6f1Fise&mpu=970&mpv=ver1.0
本バーチャルツアーの体制
バーチャルツアーの企画・プロデュース、コンテンツディレクション:乃村工藝社
監修:全国木材組合連合会
バーチャルツアー制作:BIMobject Japan
もりまちドア」オンラインセミナー レポート掲載・アーカイブ動画配信
国産材を価値高く活用することで、森を育む空間デザインを目指して
乃村工藝社と全国木材組合連合会は、2021年3月3日(水)に「木材を活かすクリエイティビティで未来につなぐ~資生堂「BAUM」の取り組み&木材産地と空間クリエイターが共に考える空間デザイン~」と題した「もりまちドア」オンラインセミナーを開催しました。乃村工藝社本社ビル「RE/SP(リセットスペース)」から配信し、903名がオンライン視聴しました。
https://www.nomurakougei.co.jp/tokyo2020/partner-activation/tsunagaling/activityreport_restspace.html
Session1では“樹木と人の共生”を通して美しい循環を未来へつなぐことを哲学に掲げるスキンケアブランド資生堂「BAUM」のクリエイティブディレクター信藤洋二氏をお招きし、一般社団法人 日本空間デザイン協会会長の鈴木惠千代氏とともに「サステナブルなブランドストーリーづくり」についてお話ししました。
Session2では「もりまち産地体験会」に参加した、もり側の林業家・井上淳治氏、もりとまちをつなぐ役目の木材コーディネーター・川畑理子氏、まち側の空間クリエイター・大西 亮(乃村工藝社)、事業者としてファンドプロデューサー・相澤一紗氏の4名が登壇しました。森を育む空間デザインの3つの視点「木材の背景を価値にする」「(木を)まるごと一本全てを活用する」「(ものづくりの)プロセスからリデザインする」から木材活用について話し合いました。
「もりまちドア」ウェブサイトでは、当日のセミナーレポート掲載と以下アーカイブ動画を配信しています。
アーカイブ動画ご視聴後アンケート(https://www.seez-q.jp/webclient/7313)へのご協力をお願いいたします。※実施期限:2021年3月31日 ※予告なく終了する場合があります
<参考資料1> 「もりまちドア」について
本プロジェクトは、乃村工藝社グループが今まであまり木材が使われてこなかった非住宅の内装等への木材利用を促進することを目的に、全国木材組合連合会と連携して推進しています。もり側の林業・木材産業事業者と、まち側の空間クリエイター(デザイナー、プランナー、施主)が、改めて互いの背景を知り、人と人で深くつながることを通して、森を育む空間デザインを共同創造していくプロジェクトです。それにより、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。 詳細は、「もりまちドア」オフィシャルウェブサイトをご覧ください。
事業背景
木材にはデザインとしての美しさやリラックス効果だけでなく、軽さ・強度などの特性、地球温暖化への貢献、地域活性化や雇用創出などの社会価値創出をはじめ多くのメリットがあり、サーキュラーエコノミーの原動力となる可能性をもちあわせています。
日本の森林は国土の約7割を占め、内約4 割が人工林(スギ、ヒノキ等)です。さらに約半数が木材として使い時に当たる50年生前後の木で伐採期を迎えています。いま利用期を迎えている木を「伐って、使って、植えて、育てる」ことで次世代の森づくりにつなぐ必要性に迫られています。また、このコロナ禍で木材需要の先行きも不透明という状況もあります。
問題を解決するには、生産者が何世代もかけて大切に育てた木材を価値高く活用することが不可欠ですが、日本の木材需要は建築用の需要が大きなウェイトを占める一方で、人口の減少に伴い中長期的に住宅需要の減少が予測される状況にあります。その為、住宅以外での新たな木材需要を創出することが重要で、特にこれまで木材があまり使われてこなかった非住宅建築物(商業施設、店舗、ホテル、オフィスなど)での活用が期待されています。
ウェブサイト概要
“もり”と“まち”の対話から生まれる空間デザインで、次世代の森を育む
「もりまちドア」の取り組みの成果を広く一般に公開し、もり側の林業・木材産業事業者と、まち側の空間クリエイター(デザイナー、プランナー、施主)による森を育む空間デザインの共同創造をさらに具現化するための情報発信ツールです。
1.もりまち産地体験会
空間クリエイターが体験した産地体験会の映像やレポート、360度映像によるバーチャルな森の散策体験
2.もりまちニーズ調査
アンケート・インタビュー・対話で双方の木材利用に関する声や課題や要望の共有、産地体験会後の意識・行動の変化
3.もりまち空間デザイン
木材を価値高く活かす空間デザインの気づき・ヒント
4.もりまちコーディネーター紹介
木材利用に関する情報や調達の窓口であるコーディネーターの紹介など
<参考資料2> 共催団体について
乃村工藝社について
URL: https://www.nomurakougei.co.jp/
株式会社乃村工藝社:1892年の創業以来、商業施設、ホテル、ワークプレイス、博覧会、博物館などのさまざまな空間の総合プロデュース企業として、全国9拠点を展開し、プランナー、デザイナー、プロダクトディレクターなどの専門職が総計1,000名以上在籍しています。創業から120年以上にわたり培ってきた総合力とデジタルテクノロジーを活かし、地域活性化をはじめ社会課題の解決につながる空間価値の提供で人びとに「歓びと感動」をお届けしています。
乃村工藝社グループ「フェアウッド・プロジェクト」
URL: https://www.nomurakougei.co.jp/corporate/csr/fairwood/
乃村工藝社グループは事業活動において国産材や森林認証材等を活用する「フェアウッド・プロジェクト」を2010年からスタートさせ、業界をあげてサステナブルな社会に貢献できる空間づくりに取り組んでいます。持続的に調達可能な循環型のものづくりに近づけていくことは、空間を創り活かす事業をおこなうわたしたちの責務でもあります。特に国産木材のバリューチェーンをつなぎ需要創出機会をつくることで林産業の自律的な経済活動や日本の森の保護・成長に貢献することを目指しています。現在は、産地体験会をはじめとした普及啓発活動や、木質空間の新たなクリエイションへの挑戦、事業を通した空間の木質化促進などに取り組んでいます。
主な活動
鈴木 千恵代によるデザイン。製材所などはこのデザインを無料で利用し、地域産材を使用したイスを製作、消費者に供給することができます。また、100%国産木材を使用した家具づくりで実績のある家具メーカーと協働で、全国各地の森で木を選び伐採することから、木質空間の完成までをトータルにサポートするプロジェクトもおこなっています。
URL: https://www.nochubank.or.jp/about/pdf/infomation_moku_1.pdf
木材利用の拡大・関連産業の振興を目指して活動をしている「ウッドソリューション・ネットワーク(事務局:農林中央金庫)の趣旨に共感し、クリエイターに木質空間の魅力を知っていただき国産材などのフェアウッドを使って豊かな空間デザインを提案するためのブック制作に参画。業界への普及啓発活動に協力しています。
産地との相互理解を育む「木材産地スタディツアー」を継続的に実施
乃村工藝社グループ社員を対象とし、顧客、協力会社の方々も迎えて木材産地へのスタディツアーを実施。2018年から2019年にかけて3回実施し、現時点で社内外あわせて累計100名近くの方に参加いただいています。
コンピュテーショナルデザイン×国産材による次世代の木質空間の提案
URL: https://digitalpr.jp/r/37069
国産材を使いコンピュテーショナルデザインとデジタルファブリケーションを空間演出で融合させました。後利用も含めたサーキュラーデザインに挑戦しています。従来の規格材による水平垂直な空間構成ではなく、曲面などを取り入れた大規模な自立式の木質空間のブースデザインを実現することで、木質空間の無限の拡張性に挑戦した未来のサステナビリティ空間を提案しました。
企画・プロデュース、施工監理、プロジェクトマネジメント:株式会社乃村工藝社/基本設計、クリエイティブディレクション:株式会社乃村工藝社NOMLAB/構造検討:株式会社構造計画研究所/実施設計、構造設計、部材加工:VUILD(ヴィルド)株式会社/現場設置:株式会社高千穂プロダクツ
■ 全国木材組合連合会
URL: http://www.zenmoku.jp/
全国木材組合連合会:昭和29年に設立。低炭素社会構築に貢献する木材利用の推進や木材関連産業の健全な発展を図り、 木材資源の効率的利用を軸とした資源循環型社会の構築に寄与することを目的として活動しています。