潜在意識分析システム「カラタレ」を活用した、職員の生産性低下を“未然に”防ぐ新しいアプローチの心理的研究の実証研究を開始

ネットワンシステムズ株式会社 / 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター

名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター(センター長:白鳥 義宗)は、ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:荒井 透)の協力の下、「心理指標を利用した人事評価に関する研究」の研究用ツールとして、色彩心理学とAI技術によって潜在意識を分析するSaaS型タレントマネジメントシステム「カラタレ」を活用した実証研究を昨年6月より開始しました。

本研究は、職員の生産性低下を“未然に”防ぐことを目的に、心理指標と人事評価の関連性を明らかにするもので、最大の特徴は、「潜在意識の変化」という新しい切り口で生産性低下の説明を試みる点です。約1年にわたる調査を通じて、本年6月に研究結果をまとめる予定です。

■ 本研究の背景
近年、従業員の健康に配慮する「健康経営」が注目されています。それを評価する生産性指標として「プレゼンティーイズム(出勤しているが不調で生産性が低下している状態)」と「アブセンティーイズム(病気や体調不良によって欠勤している状態)」(以下、両指標)が重要視されています。その一方で、両指標の一般的な測定手法では、生産性低下は“事後”にしか把握することができません。

そこで、メディカルITセンターでは、両指標の悪化(生産性の低下)につながる潜在意識の変動要素を解明すれば、人事評価の低下や離職の“兆候”を捉えて、事前に職員をサポートすることが可能になると考え、本研究を開始しました。

■ 本研究の概要
本研究では、主に以下2項目の解明を試みます。
1) 両指標の悪化(生産性の低下)が、人事評価の低下や離職につながること
2) 両指標の悪化原因となる、潜在意識の変動要素を特定すること

具体的には、約30名の被験者について、以下の4つの情報を定期的に取得します。そして、各情報の相関関係の可視化を、多様な切り口による機械学習を通じて試みます。
1) プレゼンティーイズム:世界保健機関(WHO)が定義した、健康と労働パフォーマンスに関する質問票「WHO-HPQ」を用いて測定
2) アブセンティーイズム:質問票「WHO-HPQ」を用いて測定
3) 潜在意識:「カラタレ」を用いて、150個の性格特性、8個の知能特性、6個の職業適性を分析
4) 人事データ:離職・休職データ、及び、評価データ

■ カラタレについて
「カラタレ」は、社員特性の分析・管理に特化したHR-Techシステムです。最大の特長は、潜在意識分析にフォーカスした質問不要のシステムで、60枚の画像から直感的に好む10枚を選ぶだけで、非常に簡単に、かつ、バイアスフリーで、以下の特性分析が可能な点です。
1) 性格特性:色彩心理学を応用したオリジナルの150特性の、上位5特性を表示(150特性:コンテンポラリー、愉快、頭が良い、真面目な、意志が強い、等)
2) 知能特性:教育やビジネスの現場で活用されている「多重知能理論」の8特性を可視化(8特性:内省的知能、博物学的知能、対人的知能、視覚・空間的知能、言語・語学的知能、論理・数学的知能、身体・運動感覚知能、音楽・リズム的知能)
3) 職業適性:職業選択におけるグローバルスタンダード「ホランド理論」の6適性を可視化(6適性:企業的、慣習的、現実的、研究的、社会的、芸術的)
4) 職場で発揮する強み:O*NET(米国労働省の総合職業情報Webサイト)が開発した16特性の、上位3特性を表示(16特性:自発力、粘り強さ、リーダーシップ、ストレス耐性、等)
5) レジリエンス:近年注目されているレジリエンス(曖昧さと不確実な事柄に対処する力)を、独自のアルゴリズムで数値化

本研究では、複数の被験者を対象として、約1年という長期にわたり、生産性指標と潜在意識との関連を模索しながら明らかにする必要があることから、豊富な特性分析項目を持ち、かつ、約3分で負荷なくテストが完了する「カラタレ」が研究用ツールとして選定されました。

「カラタレ」の詳細は、以下URLをご覧ください。
https://www.netone-pa.co.jp/solution/tm/color-tale_outline.php

本研究の担当者である、メディカルITセンターの大山 慎太郎 特任助教(医学博士)は、以下のように述べています。
「従来のアセスメントツールでは、職員の生産性低下が起きてしまった“事後”にしか把握することができません。今回検証する潜在的特性や特性ごとの相性といった因子は、生産性低下のリスクとなる説明変数となる可能性が高く、その相関性を解明することで“事前”にリスクを割り出し、生産性悪化に先んじて様々な支援を検討することが可能です。ネットワンシステムズには、『カラタレ』という3万名のデータに基づいたユニークな潜在意識分析ツールを提案頂き、我々が試みたいアプローチを具現化することができました。このアプローチは新しいものであり、かつ、職員及び管理者双方に有益なツールとなりうると考えています」


名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターについて
名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターは、病院総合情報システム(電子カルテ)の安全稼動を支援し、大学病院として診療録を中心とする情報の質の担保と維持・向上推進を支援し、さらにIoTデバイスやBig Dataを利用した技術開発をも行う部署です。患者さんの個人情報を守り、全体最適化の観点から質の高い医療を推進できるよう日々更なる開発を行っています。

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