「COFI 第3回中層木造建築デザインアワード」開催のお知らせ
このたびカナダ林産業審議会(COFI)は「第3回中層木造建築デザインアワード」を開催いたします。
木造建築はCO2固定化に貢献し、地球温暖化の防止と循環型社会の形成に資するものとして注目を集めており、カナダをはじめ北米や欧州では中・高層木造建築の開発が進んでいます。
2009年、カナダのブリティッシュ・コロンビア(BC)州はカナダ全州の中で先駆けて州の建築基準(BCBC:BC Building Code)を改正し、従来の4階建てから6階建てまでの建設が可能となりました。結果として、2009年以降のBC州の建築物の木造化率は顕著に上昇しており、2019年までの11年間に同州で建設された1~4階建ての住宅の木造化率※1は97%、5・6階建てでは90%となっています。また、5・6階建て木造建築のプロジェクトの累計実績は317棟※2となっており、低層だけでなく中層の建築物においても木造化が浸透し、定着してきていると言えます。
一方、わが国においても公共施設などの非住宅分野に木造建築が採用される機会が増えており、さらに土地の高度利用が求められる時代背景の下、木造建築の中高層化が期待されています。
「中層木造建築デザインアワード」は、中層木造建築物※3を対象にデザイン・構造・意匠等に関して“Innovative & Inspire” な優れた事例を表彰し、紹介することを目的として実施いたします。これにより建築関係者・一般消費者の関心を高め、日本国内での木造建築のさらなる普及と技術の発展、木材関連産業の振興に寄与したい所存です。
※1 住宅用建築物として建設された建物の総延べ床延床面積に対する木造の割合。
※2 2019年時点、竣工ベース。
※3 本アワードにおける中層木造建築物とは4層以上で主たる構造が木造で建てられた建築物と定義します。
中層木造建築デザインアワード
主催:カナダ林産業審議会(COFI) 協力:カナダ大使館
概要:公式サイト https://kenchiku.co.jp/cofi2020/
表彰:2021年3月初旬に表彰式を執り行う予定です。
応募に関するお問い合わせ先: 株式会社建報社「COFI中層木造建築デザインアワード」事務局
東京都中央区新川1-25-9明産新川シティビル6階 Tel: (03) 5244-9335
カナダ林産業審議会(COFI: Council of Forest Industries Canada)
カナダのブリティッシュ・コロンビア州とアルバータ州の両州政府から州有林の経営権を与えられている一次林産企業によって組織されている非営利団体の連合組織。主な活動内容は林産物の品質管理や国内または海外市場に対する普及・啓発活動、市場参入支援など。日本事務所は1974年に開設、主に枠組壁工法の普及・啓発活動を行っている。
<ご参考>
過去の入賞作品について 「地域生活支援拠点 ゆうかり」(2017年度入賞)
鹿児島県鹿児島市の中心部に建設された「地域生活支援拠点 ゆうかり」は、障がいを持つ人でも地域で自分らしく暮らしていけるためのサポートを行うことを目的とした4階建ての複合施設です。
「人と人とのつながりを大切にする場として、温かみの感じられる建物にしたい」という希望で木造にすることが決定され、中層の場合は壁量が多いツーバイフォー工法が有効であると判断し、採用に至りました。
耐火集成材であるFRウッド(Fire Resistant Wood)を採用することで木部を見せる「現し」をデザインに取り入れているのに加え、FRウッドの柱を居間や食堂などの共有スペースに使用し、その空間に集まる人たちを大黒柱のように支える存在感を示しています。
(写真右)4階のグループホーム居間・食堂。FRウッドが大黒柱のように立っている
「地域生活支援拠点 ゆうかり」は、木造の質感の表現と耐火性の両立を実現しており、日本国内における中層木造建築の先進的事例の一つとなっています。
過去の入賞作品の詳細・表彰式の様子は以下の動画でご覧いただけます。
- 第1回(2017年度)https://www.youtube.com/watch?v=Fo_lguPYT2s
- 第2回(2018年度)https://www.youtube.com/watch?v=3eexzKUzC90
東京都港区虎ノ門3-8-27巴町アネックス2号館9階
カナダ林産業審議会
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