FRBは2%超の物価容認の『新たな指針』を発表
<今日のキーワード>
米国地区連銀のひとつであるカンザスシティ地区連銀は、毎年8月下旬にワイオミング州「ジャクソンホール」において、経済政策に関する国際シンポジウムを開催します。今年は新型コロナの影響によりオンライン形式で、8月27日~28日に開催されました。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は冒頭講演で、FRBが一定期間の平均で2%を上回る物価上昇率を目指す『新たな指針』を発表しました。
【ポイント1】FRB議長は「ジャクソンホール」で2%超の物価容認を発表
■パウエルFRB議長は、8月27日にカンザスシティ連銀主催の国際シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、「金融政策の枠組みの再点検」 をテーマに講演を行いました。その中で、金融政策の目標としている2%の物価上昇率について、これまでより柔軟に運用し、一定期間の平均で2%を上回ることを目指すという、金融政策の『新たな指針』を発表しました。
■臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)も開かれました。FRBはシンポジウムとほぼ同時に『新たな指針』を公表し、金融政策の目標として「当面の間は2%を上回るインフレ率を目指す」と明記しました。
【ポイント2】ゼロ金利政策は長期化見込み
■『新たな指針』によって、FRBは今後、2%を超えて物価が上昇した場合でも、雇用環境を含めて景気が確実に回復するまでゼロ金利政策などの大規模な金融緩和を継続する方針を示したことになります。
■FOMCメンバーによる経済見通しによれば、2022年末時点で物価上昇率の中心値は1.7%であり、ゼロ金利政策は少なくとも2023年まで続く可能性があると考えられます。
【今後の展開】9月FOMCのドットチャートが注目される
■FRBが27日に決めた金融政策の『新たな指針』については、発表タイミングこそ早かったものの、2%超のインフレを容認する平均物価目標はこれまで市場関係者の間で想定されていたものでした。それでも、米株式市場はゼロ金利政策の長期化観測から28日にかけて上昇し、主要株価指数が最高値を更新しました。
■今後の焦点は金融緩和の持続性とみられます。次回のFOMC(9月15日、16日)では、新たに2023年の経済見通しと政策金利見通し(ドットチャート)が公表される予定であり、フォワードガイダンス(先行きの金融政策の指針)強化の有無とともに注目されます。
重要な注意事項
・当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
・当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
・当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
・当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
・当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会