GitHub、Octoverseレポート特別編を公開
~COVID-19影響によるリモートワーク環境におけるソフトウェア開発者の生産性に関する分析~
1)COVID-19下においても、ソフトウェア開発は滞ることなく行われている2)企業はリモートワークに短期間で対応しているが、労働時間が増加傾向に
あり、バーンアウトを警戒すべき
3)業務外のプロジェクトとしてOSSへのコントリビューションが増加
オープンソースプロジェクトおよびビジネスユースを含む、ソフトウェアの開発プラットフォームを提供するGitHub, Inc.(本社:米国サンフランシスコ、以下ギットハブ)は、5月6日(米国現地時間)に、年次レポート「The State of the Octoverse ( https://github.blog/jp/2019-11-11-the-state-of-the-octoverse-2019/ )」の特別編として、本レポートをブログにて公開しました。
COVID-19の発生により、多くの組織が可能な限りリモートワークへの対応に迫られ、数日間で何百万にのぼる人々の日常や環境を変化させました。ソフトウェア開発者などのテクノロジー専門家も同様に、リモートファーストの世界へと移行が進んでいます。その多くが子供や家族の面倒も見ながら、新たな就業リズムのもと、仕事とプライベートのバランスを保つことが求めれらています。
本レポートでは、(1)生産性と活動、(2)就業リズム、(3)共同作業という3つのテーマを設定し、データ分析を行っています。世界最大のグローバル開発プラットフォームを提供するGitHub上でのソフトウェアの開発活動のパターンや変化を読み解いてます。今後、GitHubの年次レポート「State of the Octoverse ( https://octoverse.github.com/ )」では、これらの分析をさらに拡大させ、開発状況の経時的な推移を把握することを目指していきます。
主な所見: 2020年1~3月期 対 2019年同期を対象
開発活動は昨年とほぼ同じか、増加した。ユーザ1人あたりPush、Pull Request、Pull Requestのレビュー、Issueへのコメントなどの開発活動は、昨年よりもわずかに増加しました。不透明な時期であっても、開発者のオープンソースへの貢献や力強さは失われていないことが読み取れます。
- GitHub Issueへのコメント数の変化は、作業の分散化や各地でのウイルス対策を反映していると考えられる。
- 就業リズムが変化している。
- 開発活動パターンにバーンアウト(燃え尽き症候群)の兆候が見える。
- オープンソースプロジェクトを中心に、共同作業が増加している。
- 柔軟性を強化することが組織を強化する。
- 共同作業やオープンソースを取り入れる。
- バーンアウト(燃え尽き症候群)を警戒する。
日本語
https://github.blog/jp/2020-05-26-octoverse-spotlight-an-analysis-of-developer-productivity-work-cadence-and-collaboration-in-the-early-days-of-covid-19/
英語
https://github.blog/2020-05-06-octoverse-spotlight-an-analysis-of-developer-productivity-work-cadence-and-collaboration-in-the-early-days-of-covid-19/
テーマ1:生産性と活動
開発者の複合的な生産性を調べるため、ユーザ1人あたりのPull Request数、Push数、Pull Requestのレビュー数、Issueへのコメント数を調査したところ、ユーザ1人あたり件数が増加していました。全体的には、これらの活動は昨年と同等、もしくは昨年よりも増加しています。
テーマ2:就業リズム
日常的に自宅で仕事をする人の労働時間は、1週間あたり最大1~2日は8時間よりも長い傾向があります。プライベート時間にも仕事をするようになり、仕事とプライベートの境界が曖昧になることが原因と考えられます。
開発者の開発量は変わっていない、あるいは増加しています。しかし、就業リズムの分析も踏まえ、バーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐための対策を講じ、チームメンバーや同僚がそのような状況に陥らないよう警戒するべきです。世界保健機関(WHO)は、「慢性的な職場ストレスが適切に管理されないことで生じる職業病」としてバーンアウトを認めました。( https://www.who.int/mental_health/evidence/burn-out/en/ )
テーマ3:共同作業
「テーマ1:生産性と活動」では、ユーザ1人あたりのPull Request数は、昨年とほぼ同じ、あるいは増加していましたが、Pull Request関連のユーザ行動には変化がありました。1月、GitHub Enterprise Cloudアカウントが所有するリポジトリにおけるマージ時間は、昨年に対して4~5時間も増加し、有料のTeamアカウントが所有するリポジトリでは、約1時間の増加が見られました。
オープンソースプロジェクトのリポジトリにおけるPull Requestのマージ時間に対して追加分析を行ったところ、年初のマージ時間が、昨年よりも数時間長いことが分かりました。3月のマージ時間は、昨年に対して45分から4時間近く短くなりました。また、オープンソースプロジェクトの生成状況を分析したところ、今年の3月下旬までのリポジトリ数は、前年比で 27.62% 増加していました。
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【ギットハブについて】https://github.co.jp
GitHubは世界で5,000万人にのぼる開発者および290万の組織に利用される開発プラットフォームです。プログラミング環境にオープンな会話と協調を重んじるコミュニケーションによって、コラボレーションを促進する開発環境を提供しています。これらの開発を実現するワークフローで必要となるコードレビュー、プロジェクトおよびチームマネージメント、ソーシャルコーディング、ドキュメント管理などに、これまで以上の効率性と透明性をもたらし、より高速かつ品質の高いソフトウェア開発を支援しています。
GitHubは多様なユースケースに適した開発プラットフォームを用意しており、オープンソースジェクトから企業における機密性の高いソフトウェア開発までに対応できます。無料で利用できるパブリックリポジトリはオープンソースプロジェクトにて多く利用されていますが、プライベートリポジトリが利用できる有償サービス、GitHub EnterpriseやBusiness on GitHub.comなども提供しています。
2008年に米国サンフランシスコで創業したGitHub, Inc.は、初の海外支社として、2015年に日本支社を開設しました。