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2020年3月に『1990年代韓国のサーカス日誌~木戸口からみた興行記録~』が刊行されました。これは神田外語大学(千葉市美浜区/学長:宮内孝久)外国語学部アジア言語学科の林史樹教授が1990年代に韓国の移動集団をフィールドワークするつもりでサーカス団の団員となり、慶州、木浦、光州、江陵など、日の始まりにテントを建て、サーカスが終わるとテントをばらして移動するといった巡業暮らしを記したものです。著者が肉体労働と人間関係に翻弄されながら必死で書いた日誌から、ローテク時代の韓国、周縁に生きる人々の心がよみがえってくる一冊です。
昨今の韓国サーカスは、以前のような活発な移動生活も行わず、また中国雑伎団の曲芸師を大量に導入するなど、大きく変化してきました。サーカスの公演や生活も時代によって変わってきましたが、2000年代以降の形態上の変化はとくに劇的であったように思われます。本書は、そういった当時の韓国社会、韓国における移動集団の状況を垣間見ることができるものになっています。
◆書籍情報
【書 名】 1990年代韓国のサーカス日誌~木戸口からみた興行記録~
[著 者】 林 史樹(神田外語大学外国語学部教授)
【出版社】 風響社
【価 格】 5,000円+税(税込5,500円)
【発 売】 全国書店
【発売日】 2020年3月10日(火)
【ISBN】 978-4894891364
◆林 史樹教授からのメッセージ
本書は、私が1994年9月17日から1995年6月10日まで韓国のあるサーカス団の団員となり、人類学的調査をしていたときの日記をもとに加筆訂正したものである。すでに著書『韓国サーカスの生活誌』(2007年、風響社)にも書いたように、サーカス団には多くの人が出入りする。それだけ事件も多く起きる。サーカスでは毎日、早朝に起きて大学ノートにフィールド・ノートとして日記をつけていた。かなり整理したつもりであるが、前後した箇所があれば容赦いただきたい。
日記を見返すと、慣れない生活と格闘する中で、何とか適応しようとするフィールドワーカーとしての「私」がみえてくる。今は、完全な斜陽産業となったサーカス団であるが、移動集団としての記録としてみたとき、とても稀な記録であると同時に、またとないおもしろい読み物となる。調査日記を刊行することで、フィールドワーカーの苦悩とともにサーカスの「昔話」を残せたらと思う。
◆林 史樹(はやし ふみき)
神田外語大学外国語学部教授。 著書に、『韓国サーカスの生活誌』(風響社、2007年)、『韓国がわかる60の風景』(明石書店、2007年)、共著に『韓国食文化読本』(国立民族学博物館、2015年)など。
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