初開催!NZ産グラスフェッドバターを使った製品開発コンクール 初代入賞6作品決定
最優秀賞は、焼き菓子部門 魚住美恵子氏(コンラッド東京)、ブレッド部門 岸博之氏(フジパンストアー)
ニュージーランド(NZ)乳業最大手フォンテラ酪農協同組合の日本法人であるフォンテラジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:斎藤 康博)は、2020年1月11日(土)に今回初めての開催となる、ニュージーランド産グラスフェッドバターを使った製菓・製パン製品開発コンクール「フォンテラグランプリ2019」の最終審査(於 東京製菓学校)と表彰式(於 京王プラザホテル)を実施しました。昨年12月中旬に一次審査を実施し、応募総数83作品の中から最終審査へ進む16作品を選出。
最終審査では、各分野の世界大会等で上位入賞経験のある方々を審査員としてお迎えし、入賞作品6作品が選ばれました。
ファイナリスト16名にはメダルが授与され、入賞者6名には賞状も授与されました。
また、今回入賞された方々には、これをきっかけにニュージーランドやグラスフェッドバターの素晴らしさを日本の皆さんに広めるアンバサダー的存在となっていただきたいという思いを込めて、ニュージーランドへの研修旅行をお贈りします。
入賞作品は今後入賞者の所属店での販売を通して、一般消費者の皆様にもお楽しみいただけるように致します。
▼フォンテラグランプリ概要
https://digitalpr.jp/r/35066
【入賞作品】
ブレッド部門
岸 博之氏 (株)フジパンストアー
作品名:グラスフェッドバターのゴールドミルクブレッド
上村 昭博氏 ブーランジュリー アヴェック
作品名:Moon of grass-fed butter
柳川 玖哉氏 ブーランジュリー ヤナガワ
作品名:ノワール・ショコラ・カレ ~栗とチョコの味わい~
焼き菓子部門
魚住 美恵子氏 コンラッド東京
作品名:フォンテラ レーズン ウィッチ
平松 大紀氏(有)アベニール
作品名:フォンテラ バターサンド
建元 麿氏 ホテル日航姫路
作品名:グラスフェッドバターが香る
とろ~りキャラメルのケークプディング
【審査員】
一次審査
- ブレッド部門
高江直樹氏(東京製菓学校)
伊藤常至氏(東京製菓学校)
梶原慶春氏(辻製菓専門学校)
浅田紀子氏(辻製菓専門学校)
- 焼き菓子部門
益田一亜輝氏(東京製菓学校)
鈴木兼介氏(東京製菓学校)
畑中久信氏(辻製菓専門学校)
鈴木麻紀氏(辻製菓専門学校)
最終審査
- ブレッド部門
渡辺明生氏 ミル・ヴィラージュオーナーシェフ
2002年クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー優勝
浅井一浩氏 トモニパンオーナーシェフ
2015年イバカップ優勝
松田武司氏 スターバックスコーヒージャパンプリンチ事業部プリンチプロダクション部部長
2017年モンディアル・デュ・パン準優勝
- 焼き菓子部門
山本隆夫氏 クラブハリエ代表取締役社長
2010年ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ優勝
岡崎正輝氏 コンラッド東京ペストリーシェフ
2012年モンディアル・デ・ザール・シュクレ優勝
長田和也氏 ザ・プリンスパークタワー東京シェフ・パティシェ
2017年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー優勝
- 審査員長
斎藤康博 (ブレッド部門担当)
フォンテラジャパン株式会社 代表取締役社長
- 特別審査員
マーク・パイパー / Mark Piper (焼き菓子部門担当)
フォンテラ酪農協同組合 ディレクター カテゴリー、ストラテジー & イノベーション
【列席者コメント(敬称略)】
斎藤康博 フォンテラジャパン株式会社 代表取締役社長
審査員として審査に加わりましたが、作品はどれも甲乙付け難いものでした。そのような中、いかにグラスフェッドバターの特徴を生かしていただいたかが重要なポイントとなったと思います。皆さんにはそのような趣旨を十分理解していただき、素晴らしい作品を作っていただきましたことに感謝申し上げます。
フォンテラはニュージーランド最大の酪農協同組合であり乳業メーカーで、世界約140の国と地域に乳製品を輸出している会社です。特にバターに関しては世界貿易の約三分の一以上を占めていて、年間約46万トンを扱っていますが、それらはすべてグラスフェッドバターです。
日本に輸入されているバター約2万トンのうち、半分以上がフォンテラのバターです。これからもニュージーランドのグラスフェッドバターを使い、日本へのバターの安定供給に役立ちたいと思っています。
キャロリン ガイ ニュージーランド大使館 第一次産業参事官
本日はご招待いただきありがとうございます。ニュージーランドのグラスフェッドバターを使い色々な作品を作っていただいたということで、とてもうれしく思っております。ニュージーランドと日本は共に伝統的に酪農がおこなわれてきた国でして、特にニュージーランドでは経済の屋台骨が酪農と言われるほど重要な産業です。ニュージーランドでは人の数よりも牛の数の方が多いと言われています。
ニュージーランドは温暖な気候に恵まれ、肥沃な大地、十分な日照時間と降雨があり、放牧酪農に適した環境があります。牧草は牛にとって自然な栄養源ですが、ニュージーランドでは一年を通して放牧酪農を行うことができます。
放牧酪農で育てられた牛からとれるミルク(グラスフェッドミルク)にはオメガ3、ベータカロテン、CLAが多く含まれる等栄養豊富であると言われています。
過去5年にわたり、フォンテラジャパン、ニュージーランド大使館、そして北海道を拠点とするファームエイジ社による共同プロジェクト「ニュージーランド北海道酪農協同プロジェクト」を通し、日本の酪農家とそのコミュニティーとの交流を深めてきました。このプロジェクトは対象酪農家の放牧酪農への知識とスキルの向上を目指しています。過去2年に渡り当プロジェクト参加酪農家が、利益の向上そしてワークライフバランスの向上により、家族やコミュニティーに費やす時間を増やすことを実現し、日本酪農青年研究連盟が開催した日本酪農研究会の発表会で、最優秀賞(黒澤賞)を受賞しました。私はフォンテラジャパンと共にサステナブルな放牧酪農をサポートするこのプロジェクトに関わることができることをとても誇りに思っています。
今回グラスフェッドバターに関心を寄せていただいた応募者の皆様、並びに審査員の皆様にお礼申し上げます。
山本隆夫 クラブハリエ 代表取締役社長
今回はタイムトライアルでの審査という事で、作る姿が審査の対象となりました。衛生面で問題があると、どうしてもその作品をおいしいと評価しにくいと思います。タイムトライアルは人に見せる仕事をするということが重要となってきます。
実際に食べてみて、本当にどれもおいしかったのですが、コンテストというのは同じ条件で作ったものを比べなければなりません。皆さん自分として最高のものを持って来たとは思いますが、今回はバターがテーマであるので、絶対条件となるバターがどう生かされているかがポイントとなりました。他のものの風味が強いものや、もう少しきれいに仕上げた方がよかったのではないかというものもありました。その辺りが審査に影響したと思います。
選ばれた方たちは自身の作品をこれからお店に出して、色々なところでグラスフェッドバターが露出し発展していくことがこの大会の目的だと思います。今回入賞されなかった方もまた挑戦して、おいしいものを提供してほしいと思います。
渡辺明生 ミル・ヴィラージュ オーナーシェフ
皆さん審査では甲乙付け難いとおっしゃいますが、その中でもバターというこんなに難しいテーマは初めてでした。
第1回目ということで過去の傾向もなく皆さん長い時間を費やし研究開発をされたのではないかということが作品の中に見られました。結果的にスイート系に軍配が上がりましたが、個人的にはスイート系よりもハード系の生地を使ったバターとの合わせ方がいいなと感じ、自分でもテストしてみようと思いました。
入賞された方々おめでとうございます。ニュージーランド研修を楽しんできてください。
【入賞者インタビュー(敬称略)】
焼き菓子部門 最優秀賞 魚住 美恵子 コンラッド東京
Q:参加のきっかけは?
A:どんなバターだろうと思い色々調べました。バターコーヒーにもなってブームになっているという情報を掴み、色々と知っていくうえで、ナチュラルで健康のためにもいいというテーマになっていったので、このバターを生かすためにパティシエとしてもその流れを受け継ぎ製品化したいと思いました。
そのために副材料もなるべく健康的なもの、自然な食材にしたいというテーマをもって合わせました。
Q:応募用紙にあった作品の写真では、芝生に作品が乗っていてインパクトがありましたが、自信の程はいかがでしたか?
A:自信は正直ありました。グラスフェッドバターが、きちんと太陽を浴びて育った牧草を食べた牛のミルクから作られたものだというところに着目したので、グラスフェッドをいかにアピールするかということが他のバターとの比較のポイントだと思ったので、そこに目を止めてもらえるようにしました。
Q:ホテルでの発売はいつ頃を予定していますか?
A:バレンタインまたはホワイトデーを目指したいです。
ホテルのゲストにも早々に告知をして注目してもらいたいと思っています。
最後に一言お願いします
これからもパティシエとしてバターのみではなく色々な食材ときちんと向き合って洋菓子をたくさん作っていきたいと思います。審査員の方々に色々と評価していただき、また一つ勉強させていただく機会となりました。ありがとうございました。
ブレッド部門 最優秀賞 岸 博之 (株)フジパンストアー
Q:昨日の仕込みからお疲れ様でした。今のお気持ちをお聞かせください。
A:すごくうれしいですが、実感が湧いていないです。帰りの新幹線でじわじわと喜びが込みあげてくるかもしれません。
Q:今回参加を決めた理由を教えてください。
A:何年もコンテストに挑戦していましたが、今回は上司からこの話をいただきました。バターを使ったコンテストは初めてなので面白いと思い挑戦しました。
Q:自信の程はいかがでしたか。
A:自信はなかったです。勝負は時の運だなと思っています。昨年はコンテストで最終まで行っても落ちることが多く、負け癖がついていましたが、年末から流れが良く波をとらえられた感じがします。
Q:今回のレシピのポイントや、グラスフェッド発酵バターを使ってみての発見等ありましたら教えてください。
A:たくさんありますが、パンの仕込みは通常練りこみで使うことがメインというイメージなので、最初はハード系で試作したがうまくいかなかったです。商品化が前提だったので、お客様においしいねと言ってもらえるように他の食材との調和を考えながら作りました。
【グラスフェッドバターとは】
牧草主体による通年の放牧酪農で育てた乳牛から搾られる生乳を原料としたバターです。(季節的な要因で補助的に配合を与える場合もあります)
【フォンテラ(Fonterra)とは】
フォンテラは世界で5本の指に入る乳業メーカーであると共に、ニュージーランド最大の企業であり、世界最大の乳製品輸出企業でもあります。ニュージーランド国内においては、加入する酪農家10,000戸が株主となっている酪農協同組合です。全世界の従業員数は約22,300名、売上高は日本円換算で、約1.4兆円(2017/2018会計年度)です。138カ国にのぼる国々に乳製品を輸出しており、ニュージーランドの輸出総収入額の約25%、国内総生産の約10%を占めています。フォンテラの生乳取扱量は世界最大で(2,200万トン)、これは日本国内の総生乳生産量の約3倍の規模です。
フォンテラジャパン株式会社の輸入量は年間約14万トン。日本への輸入シェアは、チーズ約30%、乳タンパク約40%を占めています。フォンテラジャパン株式会社は、フォンテラ酪農協同組合の日本法人です。