表具師・村上秀紀と現代アーティストの競演 現代美術の室礼 -村山秀紀の見立てー

株式会社高島屋

■会期・会場:2019年11月6日(水)~25日(月) 日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊X
 

村上秀紀 BLACK PENNY 2019年(部分)

襖や屏風、掛け軸、工芸品など、日本の美術は室内装飾や実用品としてくらしの中で生まれ溶け込み、またくらしや文化とともに発展してきました。日本人はそれらを用い、年中行事や節句、四季の変化の訪れを告げる室礼をして空間を飾り、神仏や自然への敬意を払い、死生観や四季の移ろいに思いを巡らせてきました。伝統的な決まり事の枠内で、主人の見立てや美意識により、室礼は秘めた主題やメタファーの込められた奥深い装飾表現となります。
既成にとらわれない独創的な表具で注目される京都の立入好和堂。立入好和堂代表で表具師の村山秀紀氏は、自らも作家として表装作品を制作しています。紙、絹、陶器やガラス、アンティーク品やキャンバスに描かれた絵画までも表具に仕立ててしまうその技術と見立てのセンスは、多くの顧客やアーティストたちから高い信頼を得ています。
今展では村山氏自身が日頃から蒐集してきた江戸期の小袖の一部やヨーロッパアンティークのブックマーク、切手などを本紙に見立てた村山氏オリジナルの表装作品を中心に、現代アーティストの作品を素材に村山流の見立てによって表具に仕立てた作品も発表いたします。多様なコンセプトが込められ強いメッセージを発信する現代アート作品が、村山氏の手による表装を纏うことで、日常の座した目線まで浸透圧を高め室礼の中に溶け込みます。
伝統に現代的な機知を織り込み、高感度で粋な現代美術の室礼をテーマに、年末から新春にかけての室内飾りを展観いたします。

□出品予定作品の一例         
【村山秀紀】      


 村山秀紀 松鶴                                                           

□出品作家(敬称略)
<コラボレーション アーティスト>

伊庭 靖子  束 芋  名和 晃平  森村 泰昌   王 舒野 
※全作品表具=村山秀紀


森村泰昌 しつらえ(レオナルド)(部分)       

□村山秀紀(むらやま・ひでき)略歴:
1952 東京に生まれる/1983 京都 立入好和堂にて表具師としての修業を始める/2001 「楽園の更紗展」(玉川高島屋)・「古布に遊ぶ」(ワコール銀座アートスペース)/2002 「室礼に遊ぶ」(ワコール銀座アートスペース)/2004 「KU・SEN・MA」New York MEDIALIA・「グラフィック+京表具」(平安画廊/京都)・「グラフィック+京表具」(銀座アルトン)・「室礼に遊ぶ」(ワコール銀座アートスペース)/2006 「交叉する技と感性」
(ワコール銀座アートスペース)/2007 「異国浪漫に遊ぶ」(ギャラリー ルベイン/六本木)/2008 「交叉する技と感性」(ワコール銀座アートスペース)/2009 「ぎやまんとあそぶ」(Art Space感/京都)/2010 「異国浪漫に遊ぶ」(ギャラリー ルベイン/六本木)/2011 「異国浪漫に遊ぶⅡ」(Art Space感/京都)/2012 「TATEGU」Mirano Salone・「裂にあそぶ」(ギャラリー ルベイン/六本木)/2013 「吉祥の室礼にあそぶ」(Art Space感/京都)/2014 「古更紗を愛でる」(楽空間 祇をん小西/京都)/2017 「自在」展(室礼研究室/京都)

□関連イベント:
束芋「糸口心中」(2018)特別上映 / 日本橋高島屋S.C.本館6階 美術画廊X 小応接室

人形浄瑠璃『曽根崎心中』を束芋が映像インスタレーションとして作品化。昨年NYで公開後、
国内では現在まで一部の限定公開のみであった作品を日本橋高島屋で一般に公開。村山秀紀氏制作の巻子上に作品を投影。
 

「糸口心中」イメージ

 【お問合せ】 日本橋高島屋S.C.本館 広報 直通TEL(03)3211-4111(代表)
 

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