もうすぐ2020年。 その前に2010年代のPCバナー広告の出稿状況を振り返ってみた。
デジタル広告統計サービス「digiads(デジアズ)」をもとに、2010年~2019年のPCバナー広告の出稿状況をまとめました。
インターネット利用状況を調査している株式会社ビデオリサーチインタラクティブ(本社:東京都千代田区、社長:遠藤 敏之[えんどう としゆき])は、まもなく2020年を迎えるにあたり、2010年から今年までのPCバナー広告の出稿状況を取りまとめました。今回の結果は、当社独自基準に基づいて収集・DB化した、デスクトップ・スマートフォンの動画広告やディスプレイ広告の広告統計サービス「digiads(デジアズ)」(およびその前身サービス「Web Ads Report Advance」)をもとにまとめたものです。
《 主なポイント 》
- PCバナー広告の年間の出稿社数をみると、2010年は4,499社だったが、4年後の2014年にはその倍以上の1万社を超えており、その後も1万社台を維持している。2014年は、運用型広告が伸長したことに伴い、インターネット広告市場が初めて1兆円を超えた年でもある。なお、2010年代トータルのPCバナー広告出稿社数は39,830社に至る。
- 2010年代の10年間トータルの推定インプレッション数を広告主別に算出すると、最もPCバナー広告の出稿量が多かったのは「サントリー」であり、「エアトリ(旧DeNAトラベル)」「カカクコム」が続いている。また、全体に占める上位20社の出稿量の割合は、23.4%を示す結果になった。
- 続いて、年間でのPCバナー広告出稿量上位5社をみると、年間でトップに立ったのは「サントリー」「エアトリ」がともに3回、「リクルートホールディングス」が2回、「カカクコム」「GMOコマース」が各1回となっている。また、2018年までは出稿量上位5社のうち2社以上が前年から連続してランクされているが、2019年の場合は「さとふる」の1社のみとなっている。
- バナー広告で訴求している商品種類別の推定インプレッションのSOV(Share of Voice)についてみると、10年間トータルでは「IT関連」が16%と最も多くを占め、「小売業・商社」「金融・保険・証券」「運輸・観光・娯楽」「食品・飲料」が10%台で続く。今年と昨年を比較すると、「運輸・観光・娯楽」(特に中分類 “旅行代理業” )のシェアが伸長しており、逆に「IT関連」(特に中分類“懸賞・プレゼント情報” )が縮小しているのが目立つ。
- 最後に、バナー広告素材のファイル形式について、2010年と2019年を比較してみた。2010年は「GIF」が半数弱を占めていたが、今年は6%と大幅に減少しており、「PNG」「JPEG」の両ファイル形式が現在の主流となっていることがわかる。また、2010年に1/4を占めていた「SWF(Flash)」形式の素材は、2019年にはほぼなくなっている。
◆デジタル広告統計サービス「digiads(デジアズ)」の概要
<調査対象広告スペース>
スマートフォン:主要なアプリ/Webサイトより選定した約550の広告メニューを対象
2018年4月よりFacebook/Instagram/Twitter、2018年5月よりYouTube、2018年12月よりLINEを調査対象に追加
デスクトップ :主要メディアサイトより選定した約3,000の広告メニューを対象
<調査方法>
実際の機器(スマトフォン/PC)を使用し、クローラーにて広告素材を取得しDB化
<主な集計項目>
・広告主名/銘柄名/素材別の推定インプレッション/推定広告費集計機能
・調査対象アプリ・Webサイト/広告メニュー別の広告出稿状況集計機能 など
株式会社ビデオリサーチインタラクティブは、インタラクティブ領域におけるメディアの媒体価値や広告効果を最大化・最適化するための業界標準データやソリューションを提供し、企業のコミュニケーション活動をサポートしています。
インターネットオーディエンス測定事業、広告統計事業、広告効果測定事業を軸に、1999年より活動しています。