6月3日、総合科目「世界の言語と文化」において特別講演「日本における消滅危機言語の保存・継承活動―喜界島の言語と文化―」が行われました。講師は、喜界島言語文化保存会代表の生島常範氏です。
喜界島の言語は2009年、ユネスコにより消滅の危機に瀕する言語に指定されました。現在では、70歳代以上の人しか流暢に話すことができず、子どもたちは理解もできないという状況です。しかし、島の貴重な言葉、島ゆみたを消滅させないために、喜界島言語文化保存会は、3年前から、狂言「附子」(ぶす)を喜界島の言葉に訳し、子どもたちに演じてもらうという活動を行っています。子どもたちと祖父母たちが島ゆみた※で会話することができるようになることが目標です。
「自分の生まれ育った言語文化を守り、育てることは、グローバル化する社会の中で、みずからのアイデンティティーを守りつつ、広い社会に貢献するために、外国語に習熟することと同様大切なことです。そのような意味で、喜界島の言語文化保護活動は、グローバル教育のモデルとも言うべき取り組みといえるでしょう」
(コーディネーター 人文学部教授 西村淳子)
※喜界島の言葉。しま=島・村、ゆみた=言葉 を意味します。
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