-
-
-
芝浦工業大学(東京都港区/学長:村上雅人)デザイン工学科の蘆澤雄亮助教は、株式会社ネストハウス(山口県岩国市/代表取締役社長:石川明)、株式会社タグバンガーズ(神奈川県横浜市/代表取締役社長:小川岳史)との三者協働で、ハウスメーカー向けタイムライン型顧客管理システム「名称:Scoope(スコープ)」を開発し、運用・販売を開始しました。
ハウスメーカーで、顧客情報や施工の進捗・工程情報などの管理を長期的な観点で行うことを目的としています。日常業務である業務日報を書くことで自動的に顧客情報が更新される設計となっており、顧客情報更新が日常の行動に組み込まれ、「煩わしい」別業務ではなくなります。
■開発のポイント
(1)「業務日報を書くプロセス」内に顧客情報の更新を盛り込むことで「自然動作による顧客情報の管理・更新作業」を実現
(2)顧客情報の更新履歴をタイムライン表示にすることで顧客ごとに「従業員の誰がいつどのような対応をしたか」を分かりやすく表示
(3)営業活動時の対応にもとづき、顧客が契約締結に至るプロセスにおいて、現在どの状況にいるのかを分かりやすく可視化
■開発の背景・プロセス
ハウスメーカーである株式会社ネストハウスでは、自社で開発した顧客管理システムが期待するほど活用されていないという問題がありました。「システムを使うという行為に到達出来ない」理由を分析したところ、顧客情報の更新は日常業務に組み込まれていないため後回しになっていることが明らかになりました。
そこで蘆澤助教は、日常業務である業務日報に顧客情報が多く盛り込まれていることに着目し、業務日報を記入することが顧客情報の更新になるようなシステム設計を提案しました。
また「ハウスメーカーとして一般的な行動様式」を抽出し、汎用性の高いシステム設計することで、「必要以上に多機能」で入力に時間がかかることをさけ、システムの適切な活用を促します。本件では、こうした業務行動の分析、使われるシステムの提案を蘆澤助教が行い、株式会社タグバンガーズがシステム開発をしました。
■新システムの概要
1.業務日報の中に顧客管理インターフェイスを内蔵
本システムでは、業務日報の編集画面内に顧客管理システムのインターフェイスを内蔵することで、「業務日報を書いている状態のまま様々な顧客情報の編集」をすることができます。いちいち、ページを変えて情報を更新する必要はありません。
2.顧客情報の更新履歴をタイムライン表示化
業務日報に入力された情報にもとづき、顧客情報ページ内に「誰がいつどのような対応をしたか?」をタイムライン線で表示します。申し送り事項も含めて日報に記載することで、顧客にコンタクトをとる前に「タイムラインを見れば経緯がすぐわかる」ようになります。
3.営業活動時のプロセス状況を分かりやすく可視化
契約に至るまでに必要なプロセスや顧客の心理状態などの状況をひとつのブロック内に分かりやすく表示することで、営業活動時における「お客さまとの関係性やプロセスがどのような状況にあるか」をひと目で分かるようにしています。
4.長期的な関係性継続を念頭においたポイントカード型サービス
住宅を建てた後も定期点検受注など、顧客との良好な関係性構築が必要となってきます。そこで、お客様に対するポイントカード発行と管理システムを搭載しています。グループ企業を含めた、飲食店の利用や各種イベントなどの連動が容易に出来るようになっています。
5.ダッシュボードのカスタマイズ機能および集計表示
ログイン後、最初に表示される画面(ダッシュボード)にリストアップする顧客を従業員毎にカスタマイズ出来るようになっています。また、会社としての現在状況を把握するために各種集計をグラフ表示する機能を搭載しています。
■今後の展開
現在蘆澤助教は、本システムを使用するハウスメーカーと協働で「百年後も続く工務店(ハウスメーカー)のあり方を研究する会」を企画しています。今回は顧客管理システムの開発を目的に研究を実施しましたが、この研究会でシステム改善に対する知見を得ると同時に、「これからの小・中規模ハウスメーカーにおける業務のやり方・あり方の指針」を明らかにしていきます。
■参考
・本システム(Scoope)の説明資料
http://nest-h.com/scoope.pdf
・株式会社ネストハウスホームページ
http://nest-h.com/
・株式会社タグバンガーズホームページ
https://www.tagbangers.co.jp/
▼本件に関する問い合わせ先
芝浦工業大学 経営企画部企画広報課
担当:柴田
住所:〒108-8548 東京都港区芝浦3-9-14
TEL:03-6722-2900
FAX:03-6722-2901
メール:koho@ow.shibaura-it.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/