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滋賀県立大学(滋賀県彦根市)環境科学部環境建築デザイン学科の金子尚志准教授が開発に関わった木造住宅用構造面材「kitotetu」が、「2018年グッドデザイン賞」を受賞した。これは、木造住宅に耐震性能、環境性能の向上が求められる中で、その課題を解決するために開発されたもの。木造住宅の構造に鋼板を用いることで、次世代の要求に応える面材耐力壁となった。
2016年に起こった熊本地震では、震度6~7クラスの大きな揺れが発生するたびに構造耐力が低下し、倒壊に至った例が数多くあった。
木材は繰り返しの加振によって材料破壊が起こり、性能低下が著しい。また、その克服は難しく、耐力低下を遅らせるための制振装置も根本的な解決にはならない。
住宅性能全般に影響を与える耐力壁自体のあり方を原点から見直す必要性が「kitotetu」の開発に繋がった。
開発にあたり、今回の事業者である株式会社トーアらは、繰り返しの外力にも耐力を保持する鋼板を使用。鋼板の弱点であった錆は、従来の技術を応用した耐錆の高いZAM鋼板の活用により克服し、加工機の新設によって高い精度を実現した。
重量比における材料の歩留まりは約99%であり、リサイクルの容易性とともに省資源に大きく貢献している。
また、より高い熱的性能の実現のため、硬質断熱材を外張りで利用できる点も、環境への負荷低減と住環境向上の両立に寄与している。
このたびのグッドデザイン賞では、一般的な木製筋交いや合板面材では実現できない高い耐震性能を、鋼板の特性を生かして簡便かつ確実に得られる点が高く評価されたことに加え、従来比で大幅なコストアップにならない配慮やリサイクル性なども考慮された結果、受賞に至った。
<受賞対象>
木造住宅用構造面材 [鋼製面材耐力壁「kitotetu」]
<受賞企業>
株式会社トーア
株式会社ハウスギア
日新製鋼建材株式会社
ESTEC and Partners/滋賀県立大学
<デザインコンセプト>
耐震性能、環境性能の向上が求められる木造住宅の構造に鋼板を使い、その課題を解決した次世代面材耐力壁
■グッドデザイン賞
グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や生活文化を高める運動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。これまでの受賞件数は45,000件以上にのぼり、受賞のシンボルである「Gマーク」は、よいデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
(グッドデザイン賞 ホームページ
http://www.g-mark.org/about/ より)
主 催:公益財団法人日本デザイン振興会
■金子尚志准教授(滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科)
「環境としての建築と都市」
自然エネルギーや地域環境を建築的に活用した「パッシブデザイン」、室内外の環境・気候をデザインの対象として捉え、環境工学的な技法を巧みに援用した「クリマデザイン」、環境と共生・応答する建築、エコロジカルな集合の形態、サステイナブルな都市システムなど、それらの研究、計画、設計を実践しています。
(滋賀県立大学ホームページ
http://dda-usp.com/professor/naoshi_kaneko より)
(参考記事)
・滋賀県立大学の研究室および教員が設計した保育園と住宅が「第12回キッズデザイン賞」を受賞
https://www.u-presscenter.jp/2018/09/post-40054.html
▼本件に関する問い合わせ先
滋賀県立大学 環境科学部事務室
山奥
住所:滋賀県彦根市八坂町2500
TEL:0749-28-8301(環境科学部事務室)
FAX:0749-28-8477
メール:ses-hikae@office.usp.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/