ギリアド・サイエンシズ、 米国肝臓学会議(AASLD THE LIVER MEETING(R) 2018)にて 肝疾患の治療と診断に関する多くの新データを発表予定
肝疾患患者に対する治療法の進歩への取り組みを反映した、
NASH、PSC、HBV、HCVに関する50題以上の抄録を提出
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は、本日、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、B型肝炎ウイルス(HBV)感染症、およびC型肝炎ウイルス(HCV)感染症を対象に実施中の肝疾患領域研究開発プログラムのデータを2018年11月9 ~ 13日にサンフランシスコで開催予定の米国肝臓学会議(The Liver Meeting® 2018)にて発表予定であることを明らかにしました。これらのデータは、重篤な肝疾患に苦しむ患者さんに対する治療法の進歩に向けたギリアドの取り組みの成果を反映したものです。ギリアドの研究開発部門のヘッド兼Chief Scientific Officerであるジョン・マクハチソン(John McHutchison, M.D.)は、次のように述べています。「ギリアドは、革新的な治療薬でウイルス性肝炎の治療に変革を起こし、C型肝炎を治癒し、B型肝炎の治療を大きく改善することで、世界で数百万人の患者さんのお役に立ってきたと自負しております。私たちは現在、これまでの肝炎研究の成果をもとに、NASHにより進行した肝線維化やPSCなどのアンメット・メディカルニーズの大きい重篤な肝疾患の研究に力を入れています。NASHとPSCはいずれも治療選択肢が無いか極めて限られている疾患です。」
NASHにより進行した肝線維化
肝線維化が進行し、線維性架橋形成(F3)や肝硬変(F4)を呈する患者さんは、肝疾患による死亡リスクがきわめて高い状態にあります。 ギリアドは、肝線維化が進行したNASHに対して複数の治療薬の開発を進めています。 米国肝臓学会議で発表するデータは、現在開発中の3つの化合物の治療薬としての可能性と安全性プロファイルを詳しく示す内容となります。
• 非ステロイド系ファルネソイド X 受容体(FXR)作動薬GS-9674は、NASH患者を対象とした第II相無作為化プラセボ対照試験において、脂肪肝変性、血清胆汁酸濃度と肝機能検査値を有意に低下させました。(ポスター番号:0736)
• コリン欠乏高脂肪飼料にて飼育したラットモデルを用い、ASK1阻害薬、ACC阻害薬とFXR作動薬の併用投与が肝代謝と血漿中のマイクロRNAに及ぼす影響を検討した試験では、酸化ストレス、炎症と線維化の低下が認められました。(ポスター番号:1265)
現在、NASHにより進行した肝線維化を診断する際には、肝生検が標準的な検査法として用いられています。この検査法は侵襲的で高額であるため、適切な診断と治療の妨げとなってきました。米国肝臓学会議では、NASHによる進行した肝線維化を診断する各種の期待される非侵襲的検査法の役割やその実施順序に関する発表の他、ASK1阻害薬selonsertibの2件の第III相グローバル試験で得られた患者報告結果(PRO)を発表する予定です。
• 非侵襲的検査を用いたアルゴリズムにより、NASHにより肝線維化が進行した患者を正確に特定することができました: STELLAR臨床試験のデータ(レートブレイキングポスター発表:LB-10)
• ASK1阻害薬selonsertibの第III相STELLAR試験では、日常診療で行える非侵襲的検査でNASHによる肝線維化が進行した患者を判別することができました。(ポスター番号:1674)
• NASHにより進行した肝線維化では、患者報告結果(PRO)の大幅な悪化につながることが示されました。(ポスター番号:1683)
• 非侵襲的検査でNASHによる肝線維化の進行がみられた患者では、患者報告結果(PRO)の悪化がみられました。(ポスター番号:1991)
PSC
PSC患者を対象に非ステロイド系ファルネソイドX受容体(FXR)作動薬GS-9674を検討した第II相試験のデータを発表します。PSCは稀な慢性疾患で、胆管の炎症と瘢痕化が生じ、肝不全に至るおそれがあります。現在、PSCの患者さんが受けることができる治療の選択肢はごくわずかしかありません。
• 非ステロイド系FXR作動薬 GS-9674は、PSC患者の肝機能検査値を改善し、血清胆汁酸濃度を低下させることが明らかにされました: 第II相無作為化プラセボ対照試験(口頭発表番号:0043)
HBVの機能的治癒
ギリアドは現在、治療を休止してもウイルス抑制状態を維持することでB型肝炎の機能的治癒を得る治療法を開発するプログラムを進めており、それに関するデータも発表する予定です。 会議では、現在開発中の経口投与で用いる選択的Toll様受容体8(TLR8)作動薬GS-9688の一連の試験データとして、初めてヒトに投与するファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験の結果や、慢性B型肝炎の患者を対象とした第Ib相試験の結果などを報告します。
• 経口Toll様受容体8(TLR8)作動薬GS-9688の健常人におけるFIH試験: 安全性、忍容性、薬物動態、薬力学および食事の影響の検討(ポスター番号:0390)
• 選択的Toll様受容体8作動薬GS-9688の健常人における薬力学的反応(ポスター番号:0456)
• 慢性B型肝炎患者における経口TLR8作動薬GS-9688の安全性、薬物動態および薬力学: 無作為化プラセボ対照二重盲検第Ib相試験(ポスター番号:0401)
GS-9674、selonsertibおよびGS-9688は現在開発中の化合物で、いずれの国でもまだ承認されていません。これら化合物の安全性と有効性は、確立されていません。
ウイルス性肝炎の治療
ウイルス性肝炎に関しては、難治性C型肝炎の患者を対象としたEpclusa®(ソホスブビル 400 mg/ベルパタスビル 100 mg)とハーボニー®(レジパスビル 90 mg/ソホスブビル 400 mg)の臨床試験の成績や、慢性B型肝炎治療におけるベムリディ® (テノホピルアラフェナミド、TAF)のデータなどを発表する予定です。
• 透析患者に対するソホスブビル/ベルパタスビルの12週間投与は安全で有効性が高い(レートブレイキングポスター発表:LB-15)
• 3~6歳未満の慢性HCV感染小児に対するソホスブビル/ベルパタスビルの12週間投与は安全で有効性が高い(口頭発表番号:0184)
• HBe抗原陰性および陽性の慢性B型肝炎患者を対象にテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)と比較したTAFの投与3年目の有効性と安全性 (ポスター番号:0404)
• HBV予防としてテノホビル アラフェナミドの投与を受けた慢性腎疾患を有する患者の肝移植1年後の安全性と有効性(ポスター番号:1225)
Epclusa®とハーボニー®は、米国では慢性C型肝炎ウイルス感染症の治療薬として、肝硬変のない、あるいは代償性肝硬変の患者に処方されます。Epclusa®はジェノタイプ1~ 6型の成人患者、ハーボニー®はジェノタイプ1型、4型、5型および6型の12歳以上の患者に用いられる医薬品です。ベムリディ®は、慢性HBV感染症の治療薬として、代償性肝疾患の成人患者に用いられます。Epclusa®、ハーボニー®およびベムリディ®の米国版添付文書には、以下のBOXED WARNINGが明記されています。Epclusa®とハーボニー®については、HCV/HBV重複感染例におけるB型肝炎ウイルスの再活性化のリスク、ベムリディ®については、治療後にB型肝炎の急性増悪が現れるリスクが明記されています。米国における重要な安全性情報については、下記をご覧ください。
透析中のHCV患者におけるEpclusa®の安全性と有効性、および3 ~ 6歳のHCV患者におけるハーボニーの安全性と有効性は、確立されていません。
米国肝臓学会議のアブストラクトの一覧などの詳細については、下記のサイトをご覧ください。
http://www.aasld.org/events-professional-development/liver-meeting
ハーボニー®とEpclusa®の重要な安全生情報と適応症(米国版)
米国添付文書のBOXED WARNING:HCV/HBV重複感染例におけるB型肝炎ウイルスの再活性化のリスク
ハーボニーまたはEpclusa®の投与開始前に検査を行い、B型肝炎ウイルス(HBV)感染またはその既往の有無を確認してください。抗HBV療法を受けず、直接作用型抗ウイルス薬による抗HCV療法を受けているHCV/HBV重複感染例の一部で、治療中または治療終了後にHBVの再活性化がみられたとの報告があります。一部の患者では、劇症肝炎、肝不全や死亡が報告されています。HBs抗原陽性例、HBV消失を示す血清検査結果が得られた患者、一部の免疫抑制剤または化学療法剤の使用例においても症例が報告されています。直接作用型抗ウイルス薬による抗HCV療法に伴うHBV再活性化のリスクは、これらの薬剤の使用例で増加するおそれがあります。HCV/HBV重複感染例については、抗HCV療法の実施中と実施後は観察を続行し、肝炎の再燃の有無を検討してください。HBV感染症については、臨床上必要な場合は適宜治療を行ってください。
禁忌
ハーボニー®またはEpclusa®をリバビリン(RBV)と併用する際には、RBVの禁忌、警告、使用上の注意(特に妊娠中の投与を避けること)、副作用の項目も参照してください。RBVの処方情報をご覧ください。
警告と使用上の注意
アミオダロン併用時の重篤な症候性徐脈:ハーボニー®またはEpclusa®とアミオダロンの併用投与により、症候性徐脈が現れる危険性があり、このリスクは特にβ遮断薬の併用例、心臓疾患の併発例、進行性肝疾患の患者で高まるため、併用は避けてください。ソホスブビル含有製剤とアミオダロンを併用した1例で致命的な心停止が報告されています。代替の実行可能な治療選択肢がない場合は、心臓モニタリングの実施を推奨します。徐脈の症状徴候が現れた場合には、速やかに診察を受けてください。
P糖蛋白誘導剤および/または中等度~強力なCYP誘導作用をもつ薬剤との併用により治療効果が低減する危険性について:リファンピン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品とカルバマゼピンは、ハーボニー®またはEpclusa®と併用しないでください。P糖蛋白誘導剤は、レジパスビル、ソホスブビルおよび/またはベルパタスビルの血漿中濃度を著しく低下させるおそれがあります。CYP2B6、CYP2C8またはCYP3A4に対して中等度~強力な誘導作用をもつ薬剤は、ソホスブビルおよび/またはベルパタスビルの血漿中濃度を著しく低下させるおそれがあります。
副作用
高頻度(10%以上、全グレード)にみられるハーボニーの副作用は、疲労、頭痛および無力症です。
高頻度(10%以上、全グレード)にみられるEpclusa®の副作用は、頭痛および疲労です。非代償性肝硬変の患者にRBVと併用した場合に高頻度でみられる副作用は、貧血、悪心、頭痛、不眠および下痢です。
相互作用
ハーボニー®:オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファブチン、リファペンチンおよびチプラナビル/リトナビルと併用するとレジパスビルとソホスブビルの濃度が低下するため、併用しないでください。エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の配合剤と併用すると、テノホビルの濃度が上昇するため、併用しないでください。シメプビルと併用するとレジパスビルとシメプレビルの濃度が上昇するため、併用しないでください。ロスバスタチンと併用するとロスバスタチンの濃度が上昇するため、併用しないでくさい。
Epclusa®: トポテカンと併用するとトポテカンの濃度が上昇するため、併用しないこと。プロトンポンプ阻害薬、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファブチン、リファペンチン、エファビレンツおよびチプラナビル/リトナビルと併用するとソホスブビルおよび/またはベルパタスビルの濃度が低下するため、併用しないでください。
大きな問題となる可能性のある薬物相互作用の詳細や、臨床解説については、ハーボニー®またはEpclusa®の処方情報をご参照ください。
ハーボニー®の適応症
ハーボニーは、ジェノタイプ 1、4、5または6のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の成人に用いる薬剤です。ジェノタイプ1の非代償性肝硬変の成人患者、および肝移植後にジェノタイプ1または4のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変に再燃した成人患者には、ハーボニー®をリバビリンと併用して投与します。
Epclusa®の適応症
Epclusa®は、ジェノタイプ 1、2、3、4、5または6のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変の成人に用いる薬剤です。非代償性肝硬変の患者には、Epclusa®をリバビリンと併用して投与します。
ベムリディ®に関する重要な安全性情報(米国版)
米国添付文書の黒枠警告:投与終了後のB型肝炎の重度急性増悪
ベムリディ®をはじめとする抗B型肝炎ウイルス剤の投与中断後にB型肝炎の重度の急性増悪が現れることがあります。ベムリディ®をはじめとする抗B型肝炎ウイルス剤の投与を中断した場合は、数カ月以上にわたり十分な観察を行い、臨床所見と検査所見の有無を検討してください。必要に応じて、抗B型肝炎ウイルス剤の投与を再開してください。
警告と使用上の注意
HBV/HIV-1合併例におけるHIV-1耐性発現のリスク:HIV-1耐性発現のリスクがあるため、HIV-1感染症の治療を目的としたベムリディ®の単独投与は行わないでください。HBV/HIV-1合併例におけるベムリディ®の安全性と有効性は、確立されていません。ベムリディ®の投与を受ける予定のHBV感染例は全員、HIV抗体検査を受け、陽性例はHIB/HIV-1重複感染例の治療法として推奨されている適切な抗ウイルス剤の併用療法を受けてください。
腎機能障害の発現または悪化:テノホビルのプロドラッグの使用例で、急性腎不全やファンコニー症候群が報告されています。ベムリディ®の臨床試験では、ファンコニー症候群や近位尿細管障害の発生を認めませんでした。腎機能障害の患者や、腎毒性のある薬剤(NSAIDs等)を服用中の患者は、腎臓系副作用のリスクが高い状態にあります。腎機能が臨床上問題となるほど低下した場合や、ファンコニー症候群症候群が現れた場合は、ベムリディ®の投与を中止してください。全例で腎機能を観察してください。(「用法及び用量」を参照)
乳酸アシドーシスと脂肪沈着による重度の肝腫大:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩等のヌクレオシド誘導体の使用例で発生しており、死亡例も報告されています。乳酸アシドーシスを示唆する臨床所見や検査結果が得られた場合、または著しいトランスアミナーゼ上昇を伴わない肝腫大や脂肪肝が現れるなどの著しい肝毒性が認められた場合は、ベムリディ®の投与を中止してください。
副作用
高頻度で認めた副作用(5%以上、全グレード)は、頭痛、腹痛、咳嗽、背部痛、疲労、悪心、関節痛、下痢および消化不良でした。
相互作用
腎機能の低下をもたらしたり、尿細管の能動輸送で競合する薬剤をベムリディ®と併用すると、テノホビル濃度が上昇し、副作用のリスクが上昇するおそれがあります。
ベムリディ®と下記薬剤は併用しないでください: オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファブチン、リファンピン、リファペンチンまたはセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品。これら薬剤の併用により、テノホビル アラフェナミドの濃度が低下し、ベムリディの治療効果が低下します。P-糖タンパク(P-gp)や乳がん耐性タンパク(BCRP)に大きな影響を及ぼす薬剤は、ベムリディ®の吸収に影響を及ぼすことがあります。
大きな問題となる可能性のある薬物相互作用の詳細や、臨床解説については、ベムリディ®の処方情報をご参照ください。
用法及び用量
用量:成人に対しては、 剤1錠を1日1回食後投与。
腎機能障害、スクリーニングおよびモニタリング: クレアチニンクリアランスが15 mL/分未満の患者には、ベムリディ®を投与しないでください。全ての患者に対して、投与開始前および投与期間中は血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス推定値、尿糖、尿蛋白の測定を適切なスケジュールで行ってください。慢性腎疾患の患者では、血清リン濃度も測定してください。
肝機能障害患者:非代償性肝疾患(Child-Pugh分類分類BまたはC)の患者には推奨しません。
投与開始前の検査項目:HIV感染
適応症
ベムリディ®は、慢性B型肝炎ウイルス感染症の治療薬として、代償性肝疾患の成人患者に用いられます。
ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、医療ニーズがまだ十分に満たされない分野において、革新的な治療を創出、開発、製品化するバイオファーマ企業です。会社の使命は、生命を脅かす疾病を抱える世界中の患者さんのために医療を向上させることです。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35か国以上で事業を行っています。
将来予想に関する記述
本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 9674)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。これには、現在実施中および今後行うGS-9674、selonsertibおよびGS-9688の臨床試験で好ましくない結果が得られる可能性などがあります。また、当事者の戦略的判断によりGS-9674、selonsertibおよびGS-9688の開発を中止し、その結果、これら化合物の商業化に至らない可能性があります。これらのリスクや不確定要素、その他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。本記述の内容は確定したものではありませんのでご注意ください。これらのリスクやその他のリスクについては、米国証券取引委員会に提出している、2018年6月30日までの四半期のギリアド社四半期報告書(フォーム10-Q)で詳細に説明しています。将来予想に関する記述はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。
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米国版のEpclusa®、Harvoni®およびVemlidy®の処方情報と黒枠警告は、 www.gilead.comでご覧ください。
Epclusa®、ハーボニー®とベムリディ®は、ギリアド・サイエンシズ社または同社の関連会社の登録商標です。