「職場でLGBT施策が何も行われていない」と回答したLGBTは71.2% LGBT 約1,600人に調査を実施 職場などでの差別やストレスの実態が明らかに

虹色ダイバーシティ/国際基督教大学ジェンダー研究センター

“niji VOICE 2018” 速報 プレスリリース

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ(大阪府大阪市、代表:村木 真紀)と国際基督教大学 ジェンダー研究センター(東京都三鷹市、センター長:高松 香奈)は、共同調査として「niji VOICE 2018 〜LGBTも働きやすい職場づくり、生きやすい社会づくりのための『声』集め〜(以下、『本調査』)」を実施いたしました。9月時点での速報値として、一部項目の基礎集計データを発表いたします。なお、本調査の詳細な最終結果は2018年12月16日に国際基督教大学で開催する報告会にて発表を予定しております。

本調査は、2018年6月1日〜7月16日にかけて、インターネット上で実施した全50問のアンケート調査です。調査は2,348人(有効回答数:2,262人)から回答を得ており、そのうち、LGBT等の性的マイノリティ(以下、LGBT)に該当する方は1,612人で、その内訳は、シスジェンダー(性自認と出生時の性別が同じ人)のレズビアンに該当する方が228名、シスジェンダーのゲイが310名、シスジェンダーのバイセクシュアルが375名、シスジェンダーのアセクシュアル(無性愛)等に該当する方が77名、トランスジェンダーが622名でした。また、その他の方(以下、非LGBTと表記する)は650人でした。
なお、本プレスリリースの内容は、9月時点の速報値として発表する、一部項目の基礎集計データです。今後、より詳細な分析を進める中で、最終的に数値が若干変動する可能性がございます。

虹色ダイバーシティと国際基督教大学ジェンダー研究センターが2014年〜2016年の3カ年に実施した大規模アンケート調査では、職場内でのLGBTに関する差別的言動が勤続意欲にマイナスの影響を及ぼすという結果が出ていました。2018年現在、行政や企業におけるLGBTに対する取り組みは徐々に進んできたものの、いずれもまだ緒に就いたばかりです。9月10日から16日までは自殺予防週間ですが、LGBTも働きやすい職場づくり、生きやすい社会づくりは、行政や企業にとっても急務であると考えています。

虹色ダイバーシティと国際基督教大学ジェンダー研究センターは、本調査によって明らかになった、これまで上げることさえできなかった「声」を広く発信することによって、施策の必要性を強く訴えていきたいと考えています。



niji VOICE 2018
〜LGBTも働きやすい職場づくり、生きやすい社会づくりのための「声」集め〜

<基礎集計データ 9月時点速報>
※調査は任意での回答と定めているため、設問によって回答者数が異なるものがあります

職場における差別的言動
この1年以内に職場で差別的言動を頻繁に見聞きしている(よくある、ときどきある)LGBTは回答者の45.8%でした。性的指向や性自認に関連する言動として、「誰かが同性愛者なのではないかと噂する」のを見聞きしているLGBTが33.3%、「誰かの性別を勝手に推測したり、噂したりする」が21.2%でした。求職時に性のあり方に関連した困難を経験している人はシスジェンダーのLGB他で29.7%、トランスジェンダーで61.4%でした。
また、職場でLGBT施策が何も行われていないと回答したLGBTは71.2%、職場に理解者・支援者がいない(「わからない」も含む)という回答したLGBTは58.8%にのぼり、職場におけるLGBT施策がまだ不十分であり、職場で当事者が孤立している状況が伺える結果となりました。


パートナーに関する差別的取り扱い
パートナーがいる・いた、というLGBTに対して、差別的取り扱いを受けた経験について質問したところ、下表のような回答が得られました。



LGBTのメンタルヘルス
現時点での「慢性的な病気または長期にわたる健康上の問題」に関する質問では、LGBTで「うつ病」を抱えていると回答した方は165人(14.2%)でした。K6尺度(5点以上で心理的ストレスを抱えている可能性、10点以上で気分・不安障害に相当する可能性、13点以上で深刻な心理的苦痛を感じている可能性が高い)を用いてメンタルヘルスの状態を測定したところ、非LGBTと比較してLGBTの方が、抑うつ・不安傾向が高いという結果が出ました。




LGBTの自殺関連行動
調査回答時から1年以内の自殺に関連する悩みや意識、行動の有無についての質問では、すべての項目において非LGBTよりもLGBTの方が、悩んだ経験・行動がある方が多く、特にトランスジェンダーで高い傾向がみられました。



報告会について
本アンケート調査結果の詳細は、2018年12月16日に国際基督教大学にて開催する報告会で発表する予定です。発表後は、虹色ダイバーシティのWEBサイト上でも公開いたします。報告会の詳細は今後、虹色ダイバーシティと国際基督教大学ジェンダー研究センターのWEBサイトでお知らせいたします。

ご寄付について
本調査には、株式会社TENGA様より、2017年に展開されたチャリティ商品の「TENGA RAINBOW PRIDE CUP 2017(テンガレインボープライド カップ2017)」の収益の一部を、ご寄付いただいております。心より御礼申し上げます。
なお、ご寄付は随時受け付けておりますので、お問い合わせください。


特定非営利法人 虹色ダイバーシティについて
虹色ダイバーシティは、LGBT等の性的マイノリティもいきいきと働ける職場づくりをめざして、調査・講演活動、コンサルティング事業等を行っているNPO法人です。誰もが自分らしさを活かせる職場、多様性を尊重する環境は、経営にも社会にもプラスになります。虹色ダイバーシティは、性的マイノリティが、どの職場においても、性的指向・性自認・ジェンダー表現に関して、不当に貶められず、公正に扱われ、周囲の人と協力しながら、心身の健康を気遣い、いきいきと持てる力を発揮できる社会を目指して活動しています。
URL:http://www.nijiirodiversity.jp/

国際基督教大学ジェンダー研究センターについて
国際基督教大学のジェンダー研究センター(CGS: Center for Gender Studies)は、ジェンダー・セクシュアリティの研究に関心がある人たち全てに開かれた新しいコミュニケーションスペースとして、2004年4月に発足しました。
CGSには3つの主要な目標があります。
(1) 欧米からの情報を消費する受動的な態度から脱し、世界に向けて積極的に日本の情報を発信していきます。
(2) アジアにおいて、女性学・男性学・ジェンダー研究に関心のある人たちとのネットワークの構築を目指します。
(3) 社会科学や人文科学だけでなく、自然科学をも取りいれたジェンダー研究の地平を切り開くため、ICUのジェンダー・セクシュアリティ研究メジャーpGSS(2005年度より開設)を、強力に支援していきます。
URL:http://subsite.icu.ac.jp/cgs/

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