キャッシュレス派vs現金派、支払い場面で使い分け進む 金融機関のサービスチャネル 女性は男性より店頭利用を希望
日経リサーチ「金融総合定点調査『金融RADAR』特別調査2018」リリース
株式会社日経リサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三宅誠一)は17日、生活者の金融に関する意識や行動の実態を把握する金融総合定点調査「金融RADAR」の2018年版特別調査の結果をリリースしました。今回は昨年の特別調査で設問に加えた「金融サービスの対面・非対面のチャネル選好」「フィデューシャリー・デューティー」(顧客本位の業務運営)という金融機関の間で関心が高いテーマを引き続き取り上げたほか、「ロボアドバイザー」「オンデマンド保険」などの新サービス・商品、個人の決済手段のキャッシュレス化についても質問しました。調査は首都圏40キロ圏内の20~74歳の男女を対象に6月13日~18日にインターネットで実施、有効回答数は3065人です。
コンビニは電子マネー支払いが33% 女性若年層は現金派
政府も普及に本腰を入れ始めたキャッシュレス決済に関連して、今回の調査では新たな質問を設け、生活者が場面によってどの手段で支払うことが最も多いか、支払い手段の使い分けについて聞きました。
■どの手段で支払うことが最も多いか
現金での支払いが多いのはスーパー、コンビニ、美容室・エステサロン、飲食店でした。スーパーや飲食店は現金派とクレジット派が拮抗していますが、スーパーでは20・30代で現金での支払いが圧倒的に多くなっています。また、美容室・エステサロンでは現金派がクレジットカード派に20ポイント以上の大差をつけています。
一方、クレジットカードでの支払いが多いのはショッピングセンター・駅ビル、百貨店、家電量販店・ディスカウントストア、その他の各種量販店・専門店でした。いずれも現金派とは最低でも10ポイント程度の開きがあり、特に、購入金額が大きそうな百貨店や家電量販店では30ポイント以上の大差がつきました。
また、支払い手段としてPontaやnanacoなど各チェーンが独自の電子マネーを展開しているコンビニは、電子マネーでの支払いが33%と、現金に次いで多くなっています。性・年代別に見ると、コンビニの場合、女性は全年代で現金での支払いが最も多かったのに対し、男性は40・50代で電子マネーがトップになっています。
更に、全体的な傾向として、男性より女性に現金派が多いことが分かりました。特に、女性の20・30代では現金派が多く、スーパーや飲食店では50%を超えています。
男性は全項目でネット派優勢 女性に多い店頭対応希望
生活者は金融機関のどんなサービスを店舗で担当者と対面で受けたいと考え、どんなサービスはパソコンやスマートフォンなどを使ってインターネット上で済ませたいと考えているのか、昨年に続いて質問しました。
生命保険商品、損害保険商品、個人年金、投資商品の4商品については、「情報収集・相談」「加入(手続き・購入)・申し込み」とも店頭が20%台、ネットが30%台で、ネットが店頭に大差をつけました。住宅ローンは「情報収集・相談」も「手続き・申し込み」も店頭・ネットともに20%台で拮抗しており、特に、「手続き・申し込み」は店頭とネットでほとんど差はありませんでした。こうした傾向は昨年の調査と変わっていません。今回、相続を除く5商品では、「解約手続き」についても利用者の意向を聞きましたが、いずれもネットでの対応希望が店頭を大きく上回りました。
調査結果を性別に見ると、全ての項目について、男性は女性よりネットでの対応を、女性は男性より店頭での対応を希望する比率が高いことが分かりました。一例として、投資商品の「情報収集・相談」の結果を見てみると、各年代で男性より女性の方が5~12ポイントほど店頭派が多くなっています。
■投資商品の情報収集・相談をどこで行いたいか
また、男性は全ての項目でネット派が店頭派を大幅に上回りました。女性も店頭派よりネット派の方が優勢ですが、両者の差は男性ほど大きくなく、店頭派が逆転している項目も見受けられます。特に、60代以上は生命保険、投資商品、相続の「情報収集・相談」など、半数以上の項目において店頭派がネット派を上回っています。
「金融RADAR」は生活者の金融に対する意識や世帯における金融行動の実態を総合的に把握するための定期調査で、毎年秋~冬に本調査、春~夏に特別調査を実施しています。前身を含めると30年以上の歴史と実績があり、調査結果は金融機関をはじめ、シンクタンク、大学など各方面でご利用いただいています。今回の調査結果や商品内容の詳細などに関しては、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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