東京都市大学と東海大学がおんせん県職員3,911名を対象とした温泉大規模調査を実施 -- 11分以上の長風呂で「眠れる」と回答する傾向 「ぬるい湯」より「熱い湯」の方が「眠れる」可能性も?

東京都市大学

東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授と東海大学海洋学部の斉藤雅樹教授らはこのたび、「おんせん県」として名高い大分県職員3,911名を対象とした調査を実施した。これは、科学技術振興機構(JST)・未来社会創造事業の助成を受けて行われたもの。入浴や温泉に入った時の効果を測定する新しい手法として、主観的な感覚を多数集めて数値化するための大規模な調査を行った。現在、他の市町村の職員にも同様の調査を実施しており、今後は調査規模を拡大して精度を高める予定。  東京都市大学人間科学部早坂信哉教授と東海大学海洋学部斉藤雅樹教授らは2017年度、「自発・自律型エビデンスに基づくBathing Navigationの実現」をテーマとした研究で、科学技術振興機構(JST)・未来社会創造事業の「世界一の安全・安心社会の実現―ヒューメインなサービスインダストリーの創出」領域に採択。同事業の助成を受け、調査を開始した。  従来の少人数で行っていた実験室的な研究ではなく、入浴や温泉に入った時の効果を測定する新しい手法として、温泉・入浴後の体調の変化を自由なコメントとして多数収集。「つぶやき」に近い主観的な感覚を数値化する大規模な調査を行った。  調査は「おんせん県」として名高い大分県職員3,911名を対象に実施。1,182名(男性784名、女性398名)から回答があった。  その結果、55.6%の人が月1回以上温泉で入浴し、4.0%の人は毎日温泉で入浴すると回答した。また、温泉で11分以上の「長風呂」で入浴する人は、入浴後の変化として「眠れる」と回答する(19.0%)傾向があった。さらに、「ぬるい」湯よりも、「熱い」または「ちょうどよい」湯温で「眠れる」と回答する(18.7%)傾向があった。  その他の変化として、温泉で「肌がつるつるになる」(30代女性)、「肌がすべすべになる」(20代女性)など、肌への好変化を回答した人が17.6%いた。  現在、他の市町村の職員にも同様の調査を実施しており、今後はさらに調査規模を拡大して精度を高める予定。また、5月25日から27日に大分県別府市で開催される世界温泉地サミットで、この結果を報告する。 ■調査概要 【期 間】 2018年1月25日~2018年2月15日 【テーマ】入浴者自身による「温泉の入浴効果(ソフトエビデンス)」アンケート 【対 象】大分県職員 【サンプル数】  1,182名(男性784名、女性398名)(20代230名、30代229名、40代288名、50代380名、60代以上55名)  ※3,911名に調査依頼、回収率30.2% 【項 目】  1.年齢・性別、2.年代、3.体質・持病、4.よく行く温泉名、5.4の温泉の温度、6.4の温泉への入浴頻度、7.4の温泉への1日の入浴回数、8.4の温泉での湯船に入っている時間、9.飲泉の有無、10.4の温泉に入浴する際のこだわり、11.4の温泉へ入浴後の心身への効果や変化、12.自宅風呂の入浴頻度、13.自宅風呂の温度設定、14.自宅風呂で湯船に入る頻度、15.自宅風呂で湯船に入っている時間、16.自宅風呂で湯船に入る際の水位、17.自宅風呂に入浴する際のこだわり、18.自宅風呂に入浴後の心身への効果や変化、19.その他感じたこと ■調査結果の一部 (1)温泉入浴回数  ・ほぼ毎日:26人(4.0%)  ・週2~4日:18人(2.8%)  ・週1日:50人(7.7%)  ・月2~3日:109人(16.8%)  ・月1日:158人(24.3%)  ・年数回:260人(40.1%)  ・年1日:28人(4.3%)   合計:649人(100.0%) (2)温泉入浴後の変化として「眠れる」と回答した人  20.0%(項目11の回答者585人中117人)  ・入浴時間別   温泉10分以下の入浴をしている人:14.6%(130人中19人)   温泉11分以上の入浴をしている人:19.0%(511人中97人)  ・湯温別   ぬるい(37~40℃未満):13.5%(52人中7人)   熱い(42℃以上)・ちょうどいい(40~42℃未満): 18.7%(582人中109人) (3)温泉入浴後の変化として「肌がスベスベになる」と回答した人  17.6%(項目11の回答者585人中103人) ■総評 (1)約56%の人が月1回以上温泉を利用しており、他の全国調査の結果(月1回以上利用者は5%前後)と比較して大分県職員が温泉を愛好していることがうかがえた。 (2)これまで、基礎研究ではぬるめの湯が交感神経の活動を抑え、よい睡眠につながるといわれてきたが、本研究ではむしろ高めの湯温の方が「眠れる」とコメントした人が多い傾向になった。大規模な「つぶやき」を多数収集することにより、実験室での既知の結果とは異なる温泉利用者の主観を集めることができる可能性が示唆された。ただし、本結果は温泉利用者の主観によるものであるため、現時点では断定できない。また、高温の湯での入浴は脳・循環器系に負荷となり疾病を引き起こす可能性がある。 ▼本件に関する問い合わせ先 東京都市大学 企画・広報室 住所:東京都世田谷区玉堤1-28-1 TEL:03-5707-0104 FAX:03-5707-2222 メール:toshidai-pr@tcu.ac.jp 【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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