中央大学は6月9日付で「軍事的安全保障研究に関する本学の対応について」を発表。日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」を尊重し、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究を行わない、などとする声明を酒井正三郎学長が発表した。
中央大学は2015年度に研究推進基本方針を定め、「研究の理念」の一つとして「社会とのつながりを見据えた研究の実施、及び成果の還元とその実践により、文化の創造・発展と社会・人類の福祉に貢献する」ことを掲げている。
こうした中、防衛装備庁の実施する競争的研究資金制度「安全保障技術研究推進制度」がはじまり、同大は大学の研究者が直面する軍事利用目的、あるいは軍事転用可能なデュアル・ユース技術にかかる研究活動の方針について、学内に広く意見を求め、研究戦略会議において議論を重ねた。
研究戦略会議の議論を踏まえ、日本学術会議の安全保障と学術に関する検討委員会から出された「軍事的安全保障研究に関する声明」を受けて、同大では対応を下記の通りとする。
1)中央大学は、日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」を尊重し、軍事的な手段による国家の安全保障にかかわる研究(以下、「軍事的安全保障研究」という。)を行いません。
2)軍事的安全保障研究を目的とする、防衛装備庁「安全保障技術研究推進制度」への申請や、国内外の軍事を所管する公的機関からの研究資金等の受け入れについては、本学はこれを実施しません。
3)日本学術会議や各学協会の今後の検討を注視しつつ、本学においても、軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究の取扱いや、研究の適切性について、研究戦略会議をはじめとする学内諸機関において議論を重ねていきます。
(参考)
・研究推進基本方針(中央大学公式Webサイト> 研究> 研究戦略会議> 研究推進基本方針)
http://www.chuo-u.ac.jp/research/res_strat_mtg/policy/
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