本田技研工業(株)の軽自動車「N BOX」のサイドパネル、サスペンションアームに採用されました
当社は自動車の軽量化に寄与する高張力鋼板(ハイテン)の適用拡大に向け、高い成形性など部品の要求特性に応じた各種ハイテンを開発し、自動車メーカー各社に提案していますが、本田技研工業(株)の軽「N BOX」のサイドパネルに世界で初めて強度590MPa級ハイテン(冷延鋼板)が、サスペンションアームには780MPa級ハイテン(熱延鋼板)が採用されました。また、センターピラーには1500MPa級ホットスタンプ材が国内Honda車で初めて採用されました。
地球環境保全意識の高まりと車体衝突安全性能の厳格化から、燃費性能の向上(CO2排出規制対応)と衝突時の生存空間を維持する車体開発は自動車メーカーにとって急務であり、車体軽量化と車体強度向上が求められています。これらのニーズを両立するため、ハイテンの採用が拡大傾向にありますが、強度と相反する性質である成形性の制約から、適用範囲は難成形性部品以外に限定されておりました。
サイドパネルに用いられる鋼板は高い伸び特性と美麗な外観が要求されるため、これまで440MPa級までの適用となっていましたが、今回の「N BOX」では優れた伸び特性と外観を有する当社開発の590MPa級ハイテンが世界で初めて採用されました。
サスペンションアームは湾曲した形状でバーリング加工が施されるため、部分伸びや穴広げ特性に優れた鋼板が要求されます。当社はこれらの要求特性に対応した780MPa級高穴広げ性ハイテンを開発し、採用されました。
鋼板を加熱し、プレス成形と同時に急冷するホットスタンプ製法は1500MPa以上の高強度部品が製造可能であり加工形状精度のコントロールも容易なため部品採用が拡大しています。今回国内Honda車へのホットスタンプ部品初採用となるセンターピラーに当社高焼入れ性鋼板が採用されました。
当社は複雑な形状を持つ部品にも対応するハイテン材の要望に対応し、強度と成形性等各種特性を高い次元で両立させたハイテンを開発提案してきた事が今回の採用に結び付きました。これらの鋼材により、自動車におけるハイテン部品の適用範囲が広がり、自動車の一層の軽量化に寄与出来ると考えております。
当社は今後も自動車の軽量化等に寄与する、環境に優しい鋼材の開発・供給を通じて、需要家や社会の要請に応えて参ります。
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