【東芝】隠岐諸島のカーボンニュートラルに貢献するグリッドフォーミングインバーターを受注
2026年6月29日
株式会社 東芝
~離島における再エネ導入拡大と電力系統の安定化の両立を実現~
発電所でつくられる電気は、電力系統を通じて、家や工場などの需要家に送られます。電力系統は電力の需要と供給のバランスを取りながら、周波数を一定に保つことで、安定的に電力を供給しています。
火力や水力発電所などの発電機は、その回転エネルギーにより、周波数を一定に維持しようとする慣性力があり、系統内の需要の急な変動や他の発電機の脱落注1などで生じる周波数の急な変化を抑制します。しかし、太陽光や風力発電は慣性力を持たないため、これらの機器が系統に多数接続されると系統の周波数が不安定になり、最悪の場合は大規模停電を引き起こす恐れがあります。特に離島系統では発電機の運転台数が本土に比べると相対的に少なく、電力系統の慣性力が小さいため、そのリスクが高まります。
GFMインバーターは、この課題を解決するためのもので、電力系統の需要と供給のバランスが急激に変動した際、インバーターから電力を出力することで擬似的な慣性を供給し、電力系統の周波数変化を抑制する機能を有しています。当社は2022年に実機を用いた検証を行う注2など、実用化に向けた開発を進めてきました。
太陽光や風力といった再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入が進んでいる隠岐諸島での電力系統のレジリエンス向上および周波数安定性向上を目的としたプロジェクトにおいて、当社は蓄電池向けインバーターとエネルギーマネジメントシステムなどを含めた電力制御システムを中国電力ネットワークから受注し、2026年1月に海士変電所に納入しました。
今般蓄電池の規模を拡大するのに合わせ、GFMインバーターも導入することとなりました。GFMインバーターは、既設分と新設分を合わせた合計8台のパワーコンディショナー注3に搭載される予定です。当社が受注したGFMインバーターの導入により、再エネ比率の拡大に伴う慣性力の低下を補償し、電圧の安定性を改善します。また、このGFMインバーターはブラックスタート注4機能を備えており、将来的には、自然災害などで停電した際に、GFMインバーターの自立運転により蓄電池から電力を供給することが可能となります。
本プロジェクトは、海士町のみにとどまらず、送電線、配電線で接続する隠岐諸島全域の再エネ導入拡大と災害時などにおける電力レジリエンス向上にも寄与することになります。
本GFMインバーターは、離島単独系統での需給調整として、既設の発電機、蓄電池、再エネなどの多様なリソースの制御・運用を行う基盤となることから高い信頼性が求められること、および中国電力ネットワークの需給制御を行うシステムの一環として機能・仕様要件に対応可能であることが評価され、今般受注に至りました。
今後、離島やオフグリッド注5地域などの小規模電力系統において、CO2排出削減を実現する太陽光や風力発電の導入と電力系統の安定化を両立する制御システムへのニーズが高まると予想されています。当社は今後も、蓄電池やGFMインバーターなどの提供を通じてそれらのニーズに対応するとともにカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。
注1 主に電力系統において大地震や設備の故障などにより、稼働中の発電設備が送電網から切り離される現象
注2 https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/rdc/rd/topics/22/2208-02.html
注3 太陽光や蓄電池由来の直流電力を、家庭や企業で使える交流電力に変換する、発電システムの中核となる機器
注4 全域停電(ブラックアウト)の状態から、外部の送電網に頼らず自力で発電を再開するプロセスや機能のこと
注5 電力会社の送電網(グリッド)に頼らず、太陽光発電などの自家発電設備と蓄電池を組み合わせて電気を自給自足する状態や仕組み
GFMインバーターを搭載予定のパワーコンディショナーを収容したコンテナの画像
以上
