【東芝】東京消防庁の「令和6年度公募型研究」において、リストバンド型センサ「MULiSiTEN™」を活用した消防活動中の熱中症発症リスク判定の共同研究を実施

株式会社 東芝

  2026-4-6
株式会社 東芝
 
東京消防庁の「令和6年度公募型研究」において、
リストバンド型センサ「MULiSiTEN™」を活用した
消防活動中の熱中症発症リスク判定の共同研究を実施

~過酷な環境下での生体情報モニタリングにより、リスク判定に関する重要な知見を獲得~

 当社は、東京消防庁が実施した「令和6年度東京消防庁公募型研究(積極支援型)」の研究テーマ「消防活動時に使用可能な熱中症対策ウェアラブルデバイスに関する研究」において、当社のリストバンド型センサ「MULiSiTEN™(マリシテン)」を活用した消防活動向け熱中症対策の研究に採択され、このほど、東京消防庁と共同実証を行いました。実証期間は令和6年12月~令和7年12月までで、延べ50人以上の消防隊員に検証いただきました。

 温度や湿度などを人工的に制御できる環境シミュレーター室を用いた実験、および実際の消防活動現場でのトライアルを通じて、過酷な環境下において消防隊員の生体情報を収集・分析し、熱中症発症リスクの判定に関する知見を獲得することがきました。また、過酷な環境下でも「MULiSiTEN™」の各種データが取得できるという耐久性の確認もできました。
 
図1:リストバンド型センサ MULiSiTEN™

1. 背景と目的
 近年、気候変動による猛暑や複雑化する災害現場において、重装備で活動する消防隊員の熱中症対策は喫緊の課題となっています。消防隊員の安全を守り、迅速かつ的確な消防活動を維持するためには、活動中の身体負荷や熱ストレスをリアルタイムかつ客観的に把握する仕組みが必要です。
 当社は、東京消防庁の知見やフィールドを活用して民間企業の技術開発をサポートする本研究に参画し、リストバンド型センサ「MULiSiTEN™」を用いた熱中症発症リスク判定の有用性を検証しました。

2. 実施内容
 本研究では、以下の2つのフェーズにおいて「MULiSiTEN™」を消防隊員の手首に装着し、脈拍数や運動量などの生体データおよび活動量データを取得しました。
 

図2:装着の様子

 ①実験室実験(環境シミュレーター室での検証)
 温度や湿度を人工的に制御できる環境シミュレーター室内において、防火衣や空気呼吸器などの重装備を装着した消防隊員が活動するシチュエーションを再現し、高温多湿な環境下での身体反応とセンサデータの相関を検証しました。
 

図3:環境シミュレーター室での検証の様子

② 実際の消防現場でのトライアル
 実際の火災現場や救助現場、訓練などの活動時において、消防隊員にMULiSiTEN™を装着してもらい、実戦環境下におけるデータの取得とウェアラブルデバイスの装着性・耐久性の確認を行いました。トライアル期間は令和7年7月16日から令和7年9月30日で、40名の消防隊員に参加頂きました。
 

図4:消防現場でのトライアルの様子(青矢印は「MULiSiTEN™」の装着箇所)

3. 結果と成果
 一連の実証実験の結果、以下の成果が得られました。

①熱中症発症リスク判定ロジックに関する知見の獲得
 取得した生体データと、消防隊員の自覚症状や深部体温(実験室実験のみ)などのデータを照合・解析した結果、熱中症発症リスクが高まる予兆を捉えるための重要な指標や相関関係を確認しました。これにより、活動限界の目安を客観的な数値で判定するためのアルゴリズム構築に向け大きく前進しました。

②過酷な環境下での耐久性の確認
 高温高湿で、激しい動きを伴う消防活動の現場においても、「MULiSiTEN™」が活動の妨げにならず、安定してデータが取得できることを確認しました。

4. 今後の展望
 当社は、本研究で得られた知見をもとに「MULiSiTEN™」の解析アルゴリズムの更なる精度向上を図ります。将来的には、消防隊員をはじめ、建設現場や製造現場など、暑熱環境下で働く人々の安全を守るための「見守りソリューション」としての実用化・普及を目指し、安心・安全な社会の実現に貢献してまいります。

注 東京消防庁 令和6年度東京消防庁公募型研究の採択結果について (積極支援型)
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/kouhyou/r6koubo_kekka_00001.html



■ リストバンド型センサ「MULiSiTEN™(マリシテン)」について
 「MULiSiTEN™」は、手首に装着するだけで脈拍、活動量、手首周辺の温度、湿度などを計測できるウェアラブルデバイスです。産業分野の過酷な作業環境下での利用を想定し、以下の特長を備えています。

・東芝独自のアルゴリズムによる「暑さストレスレベル」通知
 環境センサ(温度・湿度)の値だけでなく、個人のバイタル(脈拍)や身体情報(身長・体重)を独自アルゴリズムで演算。個人ごとに異なる「暑さストレスレベル」を算出し、危険域に達すると振動と画面表示で本人に即座に通知します。

・過酷な現場に耐えるタフネス設計
 防塵・防水(IP67)に対応し、MIL規格の落下試験に準拠した高い耐衝撃性を備えています。高温多湿、粉塵、水濡れが発生する現場でも安心して使用可能です。

・スタンドアローンでの運用が可能
 センサ単体でデータ測定・演算・通知が完結するため、通信環境が不安定な現場や、スマートフォンを持てない作業環境でも見守り機能を維持できます。

・多様な安全管理機能(MS200モデル)
 気圧センサによる「高所作業・落下検知」や、GPSによる「位置情報取得」機能を搭載。熱中症対策だけでなく、転倒や転落といった労働災害の早期発見もサポートします。

製品ページURL:
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/smart-manufacturing/mulisiten.html

 

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