日本製鉄 新入社員への社長メッセージ(代表取締役社長兼COO 今井正)

日本製鉄株式会社

新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。会社を代表して、心から歓迎いたします。

世界の政治経済は、アメリカの第二次トランプ政権の自国優先主義による自由貿易体制の崩壊、中東やウクライナでの紛争といった地政学的リスク、中国経済の減速による中国製造業全般にわたる過剰生産問題、地球温暖化問題をめぐる政策変化など、激動の時代を迎えており、今後の世界経済の見通しは極めて不確実性の高い状態となっています。
鉄鋼業においては、世界の鉄鋼需要は17 億トン台で停滞しており、過剰生産能力は数億トン規模になっています。世界の鉄鋼生産の過半を占める中国の鋼材需要は2020 年の10 億トンをピークに継続減少していますが、中国ミルの生産維持の方針により安価な鋼材輸出が続いており、国際的な鋼材市況は過去最低水準を継続しています。当社の鋼材輸出もこうした影響を大きく受けていますし、日本国内の鋼材市況の低迷にも繋がっています。
一方、昨年度の我が国の鋼材需要は一昨年度に続き5000 万トンを下回っており、今後も増える見通しにはないこと、中国鉄鋼業の構造調整には長い時間を要すると想定されること、また国際的な通商政策の動向も踏まえると、当社の経営としては、こうした国内外の政治経済情勢や、厳しさを増す事業環境を踏まえた、グローバルスケールでの成長戦略を持つことが極めて重要となっています。

次に当社の取り組みについて具体的にお話します。私たち日本製鉄は、総合力世界No.1 の鉄鋼メーカーを目指しています。その実現に向けて、これまで様々な経営改革を実行してきました。
国内事業においては、生産ラインの集約として5基の高炉休止と31 の大小生産ラインを休止したことをはじめ、さまざまな体質強化策を実行しました。また、紐付きとよばれる国内大手需要家との厳しい交渉を経て、販売価格の大幅な改善も実現しました。更に、原料分野への投資を進め、流通、二次加工含めた国内グループ会社の大規模な集約、再編も進めています。こうした国内構造改革と並行して、海外での事業成長を目的にインド、タイでの生産拡大に加えて、昨年US スチール社の買収を完了し、アメリカ、ヨーロッパで大規模一貫生産拠点を獲得することができました。
以上のような経営改革に社を挙げて取り組んだ結果、足元の極めて厳しい事業環境下においても、連結実力利益6000 億円以上という収益力を達成することができました。世界的に見ても、最も収益力の高い鉄鋼メーカーの一つとなっています。
こうした実績をベースに、昨年末、2030 中長期経営計画を発表しました。そこでは、国内マーケットでの圧倒的なポジションを更に高めると共に、カーボンニュートラルについても着実な取り組みを進めること、海外ではインド、アセアン、アメリカ、ヨーロッパを重点地域とし、成長投資の継続を含め事業展開を加速することで、1兆円以上の連結実力利益を達成し、世界No.1 の鉄鋼メーカーへ復権することを大きな目標としています。当社の将来を懸けると言っても過言ではない、新たな中長期経営計画の初年度に、皆さんは入社されました。皆さんが一日も早くそれぞれの分野を担って立つ存在となり、この計画推進の原動力となって活躍して頂くことを願っています。

最後に、新入社員の皆さん一人ひとりに期待することを三点、申し上げます。
一点目は、日本製鉄の社員として、社会から信頼され、必要とされる人であってほしいと思います。当社の企業理念は、世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献するというものです。我々の務めは、こうした理念に基づき、事業を成長させ、収益を拡大し、国や地域社会、株主や従業員といったステークホルダーに利益を還元することです。そして企業には社会的存在という側面もあります。社会の発展に貢献するということは、皆さん自身も社会から信頼され、必要とされる存在になるということです。
二点目は、自分自身にチャレンジする人であってほしいということです。当社はグローバルなマーケットで成長を目指す、高度な技術志向の企業であると同時に、戦略志向の会社です。世界No.1 の鉄鋼メーカーに復権するためには、まだまだ解決しなければならない数多くの課題に、チャレンジしていかなければなりません。新入社員の皆さんには、国内外に大きな活躍のフィールドが用意されています。会社の成長戦略と、自らが果たすべき役割をよく理解し、高い目標に向けて、会社と共に、チャレンジする社員であってほしいと思います。
三点目に、社員との対話でもよく聞かれることですが、グローバルに活躍できる人材になるための心構えについてお話します。新入社員の皆さんにとって大事なこととして、まずはそれぞれの業務の基本を、十分に理解することだと思います。一例を挙げます。当社の競争力を構成する要素の一つは、我々が長年国内で培ってきた、高い鋼材品質とその製造技術です。それは、研究者や生産技術者の輝かしい研究開発成果でもありますが、同じくらいに重要なのは、製造現場で操業や設備保全に携わる現場作業者で支えられている、高い操業レベルです。海外の製造現場では、こうした操業の基本に立ち返って改善しなければならないケースが多くあります。現場の操業が、何によってどのように成り立っているのかについて、その基本から理解を深め、自分のものにすることが、グローバルで活躍するための第一歩になります。新入社員の皆さんがこれから配属される国内製鉄事業の、それぞれの業務の最前線で、当社のグローバル成長を支える仕事の基本を、しっかり身につけて頂きたいと思います。

新入社員の皆さんの今後の成長と、大いなる活躍を祈念して、私からの歓迎の挨拶といたします。
以上

お問い合わせ : https://www.nipponsteel.com/contact/


 

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