月経(生理)に対する“思い込み“と”我慢“が招く、婦人科受診へのためらい
●一般女性の約4割に過多月経症状がみられる。症状のある女性では
月経のたびに外出や仕事に支障・制限をきたしている。
●多くの女性が過多月経であると自覚するための判断基準を
持ち合わせていない。
症状がある女性の約7割が、「自分の経血量が多いかわからない」
「正常範囲内だと思う」と回答。
●過多月経症状がある女性の婦人科受診率はわずか15%、月経に関する誤った認識や婦人科受診への抵抗感が顕著に現れる。
婦人科を受診しない理由について、「病院へ行くほどひどくない(62.5%)」
「自分の経血量は特に多くないと思う(33.6%)」など回答。
大阪、2015年2月23日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン、以下バイエル薬品)は、18~45歳の月経のある一般女性約4,500名を対象とした過多月経(月経過多)の意識・実態調査を実施しました。
本調査は、バイエル薬品が婦人科疾患領域における患者さんの生活の質の向上に貢献すべく行っている情報提供活動の一環として実施したものです。
女性のライフスタイルや価値観が昔と大きく変化している現代。現代女性では妊娠・出産回数の減少傾向より、生涯に経験する月経回数は増加しており、月経関連のトラブルや婦人科疾患は増加傾向にあると考えられています。
経血量や周期の乱れ、月経痛などから思わぬ病気が見つかることもあり、月経は女性の健康のバロメーターであるといわれています。
しかしながら月経に関する話題は家族・友人などごく身近な方としか相談されない傾向にあり、月経に対する思い込みや誤解が生まれやすい状況にあります。
重い貧血や倦怠感、動悸、息切れなどが引き起こされる過多月経では、月経のたびに外出や仕事が妨げられ、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の低下へも影響します。
今回の調査結果からは、一般女性の約4割に過多月経の症状が報告された一方で、その症状を持つ女性の約7割が「自分の経血量が正常かわからない」「自分の経血量は正常の範囲内」と回答しており、多くの女性が症状を自覚するための判断基準を持ち合わせておらず、症状を自覚していても我慢するものと放置していることが示唆されています。
本調査結果を受けて、倉敷平成病院 婦人科 太田郁子先生は次のように述べています。
「私たちは、健康診断で貧血を指摘されてもつい放置してしまいがちですが、貧血の原因として婦人科疾患の“過多月経”がある場合があります。過多月経の原因は、子宮筋腫、子宮腺筋症などの子宮の病気であることも多く、放っておくとこれらの病気が悪化する可能性があります。また過多月経により貧血状態になることで心臓に負担がかかり、動悸、息切れなどを引き起こします。さらに重い貧血が長期に続くことによって、心不全に至るケースもあります。ご自身の月経について正しい知識を持っていただき、過多月経の症状がある、もしくは、健康診断などで貧血を指摘されたことのある女性は、決して我慢せずに早めに婦人科を受診していただきたいと思います。」
月経に対する誤認識や婦人科受診への抵抗感を払拭するためには、広く一般に月経トラブル・婦人科疾患に関する正しい情報が認知されることが大切です。バイエル薬品は女性の健康管理に関する情報提供活動を通じ、これらの正しい理解の浸透と婦人科受診のきっかけ作りに取り組んでいきます。
【過多月経について】
月経の出血量が異常に多く、総月経血量が140mL以上のものをいいます。実際には患者さんの訴えで判断されるためそれほど厳密ではありませんが、通常その結果として貧血に陥っている場合が多いといわれています。子宮筋腫や子宮腺筋症など何らかの器質的疾患を伴うもの(器質性過多月経)と器質的疾患を伴わないものに分けられます。
【調査結果 概要(一部抜粋)】
-“過多月経”や“過多月経・婦人科疾患と貧血との関係性”についての認知は約3割
-過多月経症状のある女性の約4人に3人が「経血量が多いのかわからない」「正常の範囲内」と回答、
過多月経症状を自覚するための判断基準を持ち合わせていない
-過多月経症状のある女性の約半数が「病院へ行くことは恥ずかしい」「病気ではない」と回答。
約2人に1人が過多月経症状での受診に抵抗感を示す
-過多月経症状のある女性の約8割で、以下のような貧血に関連した症状がみられた
・めまいや立ちくらみ、動悸や息切れがする
・つかれやすい、体のだるさを感じる
・頭痛や頭が重い感じがする
-月経に関する情報源は「家族・友人・知人(44.5%)」「テレビ(34.8%)」が主。
相談相手も「両親(45.0%)」「友人(40.2%)」が主で、誰かに産婦人科の受診を勧められたことがある女性は少ない
調査結果の詳細は以下URLよりご覧ください。
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2015/news2015-02-23.pdf